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参加者が運営者に?コミュニティ参加の極意

この不確実な時代において、コミュニティの価値は再度見直され、オンラインでの活動の広がりによってコミュニティの選択肢も一気に増えています。

コミュニティ研究を一緒にしている仲間と話していた時に、最近では、コミュニティづくりに関しての発信は多くなってたが、コミュニティの参加者がどのように自分に合ったコミュニティを見つけるのか、コミュニティに参加後にどのように動くべきかについての発信はあまりないという話になりました。

そこで先日、日経COMEMOの記事で自分に合うコミュニティをどのように見つけるかについて書きました。

今回は、自分に合うコミュニティを見つけ、コミュニティの一員となった時にどのように考え、動いていくのが良いかについて考えていきたいと思います。

コミュニティの一員になるということ

まずあなたにとって「コミュニティ」とはどういうものでしょうか?
私はコミュニティとは、あるビジョンや、これが好き!という偏愛という旗印の元、それに共感した人々が集まりお互いに助け合う互助の関係になるのが「コミュニティ」であると考えています。

拙著「コミュニティづくりの教科書」より

上図の左側のようにアーティストのライブやスポーツ観戦のように観客が「観る」という 一方的な関係だと、コンテンツを”受け身”で楽しむものなのでここではコミュニティとは定義していません。共通の関心事を持つ人々が集まったセミナーや勉強会などのイベントも、講師が一方的に話すだけのセミナーのようなものは、コミュニティとは言い難いと考えています。

「コミュニティ」は受け身の姿勢でその場にいるのではなく、自分から主体性を持ってその集まり(コミュニティ)に関わって貢献する意識がある かどうかがポイントになります。

ここで定義する「コミュニティ」とは、コミュニティの参加者が皆、主体的に動き、それぞれが目的を持ってつくる「場」のことです。参加者同士が、自分の持つ考えやアイデアを披露し、互いに刺激を与え、新たな発想を生み 出していく互助の関係を持つのがコミュニティなのです。

上図では左側の運営側と参加者の関係は「サービス」、右側の関係は「互助」の関係となります。

拙著「コミュニティづくりの教科書」より

このようにコミュニティの一員になるということは、参加者が能動的に関わっていくことが大事なのです。

コミュニティ活動をしていく上で大切な考え「コミュニティ思考」

コミュニティ活動をしていく上で大切な考えとして「コミュニティ思考」があると考えています。
コミュニティ思考は次の3つの要素で構成されています。

拙著「コミュニティづくりの教科書」より

コミュニティ思考の3つのポイント

①ビジョンを行動基準にする コミュニティ活動の目的、ビジョンを言語化し、それを軸に行動すること。
②仲間と対等に接する 心理的安全性をベースにフラットな人間関係を構築すること。
③仲間のために動く コミュニティのメンバーの目的を遂行、達成するために自分ができることを考え、能動的に実行すること。

このコミュニティ思考を意識して動けば、コミュニティ内で自分自身を含めメンバー同士がフラットな関係関係の中で、互助の精神で能動的に動くので、結果としてそのコミュニティが掲げる目的を達成するべく進んでいけるのです。

傍観者になるな

アメリカ合衆国ネバダ州のブラックロック砂漠で毎年開催される世界最大規模の参加者主導型の野外イベント「Burning Man (バーニングマン)」をご存知でしょうか?

参加すると人生観が変わるという人もおり、世界中の人に愛されるバーニングマンは、アーティストにも影響を与えているといいます。

そしてバーニングマンの説明として下記のような記述があります。

ブラックロック・シティの「市民」たる各参加者は、思い思いの場所に自らの手で設営したテントやキャンピングカーを家とし、他者と出会い、新規に友人を作り、交遊し、問題を解決し、コミュニティを形成する。この劣悪な自然環境下で生きていくためには、おのずから隣人たちと助け合う必要に迫られるのである。ここでは貨幣経済や商行為は忌むべきものとされており、明確に禁止されている。見返りを求めない「贈り物経済」(Gift economy)と、なによりも「親切なこころ」が共同体を成立させている(物々交換や、物とサービスの交換は推奨されていない)。 その広大な会場の各所には、参加者の手で大小多数のアート・インスタレーションが設置され、昼夜を問わず、会場の至るところで多種多様な活動が実行に移されている。

ウィキペディア

バーニングマンはまさにコミュニティそのものとも言えるのです。そして、このバーニングマンには一つの合言葉があります。
「傍観者になるな(No Spectators)」という合言葉のもと、参加者はそれぞれが自由に自己表現するのです。ここでは、出演者という概念はなく、参加者全員が能動的に動き素晴らしい「場」を作り上げているのです。

魅力的なコミュニティは、参加者一人一人が自分たちのコミュニティをつくっていくという意識を持ち、フラットな関係だからこそ個々の持つ力を発揮する場となっています。

一度コミュニティに入れば参加者はお客さんではなく、そのコミュニティをより良くしていくメンバーなのです。運営者と参加者の垣根はないと考え、自分もコミュニティを運営している一員だという気概を持って動きましょう。

参加者から運営者へ

これまでに書いてきましたが、コミュニティの参加者は傍観者にならず能動的に動いていくことで、自分が関わるコミュニティがより良いものになっていきます。
コミュニティに「参加」することは、すなわちコミュニティ醸成を担うこと、コミュニティの「運営」に関わることなのです。

この意識こそが自分が関わるコミュニティの醸成を担い、やりがい、生きがいを感じるきっかけとなります。

コミュニティ思考で動いていくことで、"コミュニティ参加者"から"コミュニティ醸成の担い手"に変化していきましょう。

もう1つ大切なことがあります。
それは楽しむことです!
"Have Fun"の精神でポジティブにコミュニティ活動に関わることが、自分にとっても、コミュニティにとっても良い思考、良い動き、良い結果につながっていきます。

そして、"コミュニティ思考"で自分に合うコミュニティに能動的に関わり、自分の居場所でもあるコミュニティを醸成していく動きは、不確実な時代だからこそ、これから求められるスキルの1つだと思います。



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