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不確実な時代をポジティブに乗りこなす「コミュニティ発見力」

この記事を書く直前に、コミュニティづくりを一緒に研究している仲間とのミーティングがあり、今の時代におけるコミュニティづくりについて議論していました。その中で、コミュニティづくりに関しての発信は多くなってきているが、コミュニティ参加者がどのようにコミュニティを見つけるのか、コミュニティに参加後にどのように動くべきかについての発信はあまりないという話になりました。

ちょうど日経電子版の連動企画で "3年後に必要なスキル" は何かという問いかけがあったので、今回は「コミュニティをどのように見つけるのか、そのために必要な動き方について」の考えを軸にその問いに答えていきたいと思います。

先のミーティングでは、オンライン化が進んだことにより、コミュニティのあり方も変化しメッシュ化・多様化が進んだので、その中でコミュニティビルダーの皆様がどのようにコミュニティづくりに取り組んで行けば良いのかという話をしていました。ここ数年の間に、コミュニティの持つ意義、パワーが注目されるようになり、コミュニティづくりに関しては様々な書籍が出ていたり、講座や学校があり学びや実践の場も徐々に増えてきています。

コロナ禍でコミュニティ運営も以前よりも難しくなってきていますが、コミュニティづくりに関わる方も増え、コミュニティマネージャーという職種も広がりを見せています。

コミュニティ活動への参加状況

オンラインでの活動が増えたことにより、イベント・コミュニティ活動の数は増えました。そして、参加環境や場所の融通が効きやすいオンラインでのイベントが増えたことにより実際にPeatixの調査でも「ご自身が参加するコミュニティの数について、もっとも当てはまるものを選んでください」というイベント参加者への質問に対し、下記のような結果が出ています。

Peatix 2021年イベント調査レポートより

コロナ禍におけるイベントのあり方の変化により、参加者の行動も変わり、参加するコミュニティの数が増えた人が32.9%もおり、減ったと回答した26.2%を上回っています。コミュニティへの参加の機会は増えているのです。

コミュニティ・イベントへの参加のモチベーションとしては、オンラインイベントの参加意向に関して下記の調査結果が出ています。

Peatix 2021年イベント調査レポートより

イベント・コミュニティの参加者は「特に自分の興味があるものが見つかれば参加したい」人が81.0%もおり、「積極的に情報収集して参加したい」人も22.0%います。自分の興味、関心がある活動には"見つかれば"もしくは"積極的に探して"参加したいと考えている人が多くいることが分かります。

一方で、オンラインイベント ではありますが、「オンラインイベントに参加したくない、あるいは参加したいけどできない理由はなんですか?」と聞いたところ、下記のような結果が出ています。

Peatix 2021年イベント調査レポートより

「参加したいイベントがない」人が25.1%もいるのです。イベントやコミュニティ活動への参加意欲はあっても、参加したいと思えるイベントやコミュニティが見つからない人が多いことが分かります。

この時代にコミュニティに所属する意義

行動に制限がかかる状態が2年以上続き、以前サードプレイスという表現で注目された家庭や職場以外の「第三の居場所」もコロナ禍で大きな影響を受けています。

職場でも家庭でもない居場所は「第3の場所(サードプレイス)」と呼ばれる。生活の幸福度を高めるとされ、飲食店やスポーツジムなどがそれに当たる。
コロナ禍はこうした第3の場所を直撃。営業を自粛したり、客足が途絶えたりした結果、休業や閉店に追い込まれた店舗も少なくない。岡山大などが21年1月、20~50代の約900人を調査したところ、コロナ前に第3の場所があったとする人は東京都内で約43%だったが、コロナ後は約28%に減少した。

日本経済新聞 Re:Connect

そのような状況下でも、こちらの記事にあるように自分で第三の居場所を作り出す流れも出てきています。自分自身で居場所を生み出し、同じような動きをしている人同士でコミュニティを形成し、交流が生まれているのは素晴らしいことです。

不確実な状況が続き、リモートワークが長く続いていることによる人との直接のコミュニケーションが減少する状況下において、自分自身の居場所としてのコミュニティ、そして興味、偏愛をシェアし深めるためのコミュニティの重要性は益々高まっていると思います。

自分にぴったりのコミュニティの見つけ方

この時代において益々重要になっているコミュニティですが、どのように見つけるかがポイントになってきます。

オンラインの活用や、自分自身で居場所を作ることも含め、コミュニティの選択肢は広がりを見せている中、どのように自分が参加するコミュニティを見つけ、どのように関わっていくか。それこそがこれかの時代に求められるスキルなのではないでしょうか。

どのように自分にぴったりのコミュニティを見つけるかを考えていきたいと思います。

① 自分の偏愛を知ろう

コミュニティは運営者が掲げるビジョン、想いの旗印に共感したメンバーが集まり醸成されていきます。以前、記事で書かせていただきましたが、コミュニティの源泉は人が持つ”偏愛”であると考えています。没頭している趣味や成し遂げたいことへの強い想い、偏愛はコミュニティの旗印になり、活動の源となるのです。

ピッタリのコミュニティを見つけるにはまず自分が共感できる旗印が何なのかをしっかりと把握することが出発点になります。自分自身が没頭できることが何であるかを自分自身に問いかけ見つけてみましょう。
難しく考える必要はなく、例えば好きなスポーツや食べ物、番組、映画などから考えても良いでしょう。
私の場合、スターウォーズが大好きなので、スターウォーズ好きが集まるコミュニティにはとても興味があります。

まずは、自分が夢中になっていること、ものが何かを考えてみましょう。

②自分の偏愛を発信しよう

自分の偏愛が明確になったら、次に意識的に自分の偏愛を周りに発信していきましょう。イメージとしては自分自身の偏愛を示すハッシュタグを考え、それを発信していくのです。そうすることで、あなたの偏愛を知った周りの人がその偏愛に関連するコミュニティやイベントを見つけた時に「あ!これは○○さんにオススメしよう!」と教えてもらう流れがつくれるのです。
私の場合、スターウォーズ好きを公言しているので、新しい映画やコンテンツ情報、イベント情報があった時には多くの方から連絡をいただけるようになっています。
当然自分で能動的に調べることも大事ですが、発信しておくことでより多くの自分に合った(合う可能性が高い)コミュニティやイベントを発見する確率が高まるのです。

③まずは気軽に参加してみよう

新しいコミュニティに参加するのは少し勇気が必要だと感じる人も多いでしょう。しかし、この時代においてはオンラインでイベントを開催しているコミュニティもたくさんあります。オンラインであれば、少しのぞいてみるくらいの気持ちで参加しやすいのではないでしょうか。口コミで紹介されたイベントや、Peatixなどのコミュニティプラットフォームで能動的に探してみることで、まず顔を出してみるコミュニティを見つけましょう。
オンラインイベントであれば移動時間などをかけずに参加出来るので、気になるコミュニティ、イベントにまずは参加してみて、自分と合うと思ったコミュニティに出会った場合、しっかりと踏み込んで能動的に関わっていくこと流れであればあまり負担が掛からないのではないでしょうか。

これからの時代に求められる"コミュニティ発見力"

不確定な時代において、自分の居場所を複数持つことは仕事においてもある種のセーフティネットを作ることになりますし、幸福感を高め"生きがい"や"やりがい"にもつながります。とはいえ、ただ待っていても自分に合うコミュニティには出会えません。
自分自身の内面と対話し、偏愛を見つけ、発信していくことで能動的にコミュニティを見つける"コミュニティ発見力"こそがこれからの時代に必要になっていくと考えています。

是非、コミュニティ発見力を磨き、仕事やプライベートが充実するコミュニティを見つけていただければと思います。


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