アートとDX–量のない質はない
こんにちは!グローバルでDXの調査・支援をしている柿崎です!
本日2022年最後のnoteはアートとDXについて書きます。
2021年3月31日に 「DXとDXでないもの」というnoteを書きました。
このnoteで、DXは「社会の問題解決のために新規事業・サービスをデジタル技術を活用して創造すること」と定義しました。この考えは今も変わりません。私はDXを推進するリーダーはアーティストであると考えています。
なぜでしょうか?DXのリーダーとアーティストの共通点は何でしょうか?
独立研究者、著作家、パブリックスピーカーで、「アート×ビジネス」の第一人者である山口周さんがご著書『ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す』にて簡潔に書いていらっしゃるので引用させて頂きます。
誤解が多い
一方で、「アート」「DX」を誤解している人が多い点も共通しているように思います。
アートに関しては、今年バブルが崩壊した「NFTアート」が顕著でした。NFTアートバブルが発生し、にわかアーティストが爆発的に増えました。にわかアーティストは「社会の問題解決のため」に作品を創るのではなく、売るための作品を販売し、売上ランキングの上位に入ったことを大々的に宣伝しました。もちろんNFTを活用したアーティストの中に真のアーティストはいますが、圧倒的多数はマーケティング活動中心で売上重視の人達です。
DXに関しては、ITツールを提供する企業が「営業DX」「経理DX」「調達DX」などという言葉をよく使います。目的をよく見ると「業務の効率化」とあり、DXではなくIT化です。
アートもDXも、この言葉を使う人自身が誤解している、あるいは自分・自社を高尚であるかのように見せようとしているケースが散見されます。
量のない質はない
これは写真家の森山大道さんの言葉です。
質の高いアート作品、質の高いDXのためには、ある程度の量をこなし、失敗の経験も必要でしょう。
特に、デジタルはアナログに比べて、どんどん失敗し、すぐに気づくことができるので、早く成長できる、という点が大きいと思います。
写真は、フィルム(アナログ)からデジタルになり、その場で膨大な失敗(撮影した画像)を確認できるようになりました。
デジタルツインは、リアルで失敗する前に、サイバー上で失敗をシュミレーションできます。
量を増やすのはデジタルの真骨頂です。ただ、念のためですが、いくら量を増やすと言っても全く基礎がない人や、失敗を前提に量を増やすのは時間の無駄であることは付け加えておきます。アートもDXも正しい方向に向かって量を増やしていきしょう。