生成AIとの付き合い方と問われている「最新学習歴」
生成AIの新サービスのリリースが相次ぎ、ついていけないと感じる人も多いのではないでしょうか。5月8日にマイクロソフトが公表した調査によると、既に75%ものビジネスパーソンが業務の中でAIを利用しているそうです。
興味深いのはAI を利用している人の 78% が自分の AI ツールを職場に持ち込んでいることです(BYOAI - Bring Your Own AI)。会社がなかなか導入できない場合でも個人としてサービスを契約するなどして積極的に導入しているようです。
更に驚いたことととして気になったのは以下の点です。自分の仕事が代替可能と思われることを恐れ、職場においてAIを利用していることを会社や上司に伝えることを隠しているようです。こうなると社内や部署、チーム内の効率的な活用方法に関してもあまり共有されにくいのでは、とも感じます。
私も今年になって意識的に生成AIを試したり、学ぶことを心がけているものの、例えば今月一気にリリースされたChatGPT 4やGemini 1.5 Proなど、どのような場面でどのように活用すればいいのか、なかなか把握できていないというのが現実です。
Wall Street Journalの記事では、ChatGPT、Claude、Gemini、Copilot、Perplexityなどの主要生成AIツールを様々な利用シーンごとに専門コラムニストが試し、ランク付けする特集をしていて、とても参考になります。
The Great AI Challenge: We Test Which Bot Is Best [5/25 The Wall Street Journal]
なんと総合1位は日本ではまだ馴染みがない「Perplexity.ai 」がランクしました。「生成AI検索」分野で強みを持つパープレキシティは「アンサー・エンジン」とも称され、最新のニュースも取り込み、出展も記載してくれるなど、私もとても便利と感じているサービスです。エヌビディアCEOのジェンスン・フアン氏もほぼ毎日利用しているということで先日話題にもなりました。
こうしてみると、生成AIについて学ぶといった際に、何か参考書や講座を受ければマスターできるものではなく、常に最新の動向や進化を見極めながら、自分や自分の所属する組織や業界、求められるタスクごとに使い方を学び続けることの必要性を感じます。
リスキリング有識者の提言でも触れられているように、『問われているのは「最終学歴」ではなく、「最新学習歴」である』ということの重みを感じます。
もちろん、体系的な知識を得る方法として、米コーセラCEOが世界の大学講座をAIで日本語に翻訳したものを受講できる世界もすぐそこに来ているようです。ほんの少し前までは想像もできなかったようなこうした学びの環境の飛躍的な進歩に日々驚かされます。一方で、マイクロソフトのレポートが示唆するように「ここが正念場」という点も強く感じます。「生成AIを継続的に学ぶ」というテーマについては今後も追いかけていきたいと思います。
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