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経済界からも本気の提言 選択的夫婦別姓に早期の政治的決着はあり得るのか

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

本コラムでも度々取り上げてきた、選択的夫婦別姓制度。私自身が全体の4%しかいないという「婚姻時に姓を変更した男性」当事者であることから、本件には相当高い関心があります。

2019年に公開した以下の記事は、今でもコンスタントに読まれている人気記事の1つです。

残念ながら、この記事から5年が経つ現時点でも状況に変化はありません。そもそも、1996年には国の法制審議会が、希望すれば改姓の必要がない選択的夫婦別姓制度の導入を答申したのにも関わらず、長らく放置されていることは非常に問題です。政治の不作為と非難されて然るべきでしょう。

30年近く放置されてきた課題が、いま動き出そうとしています。コーポレートガバナンスや人的資本経営、ダイバーシティなど、日本企業もグローバルスタンダードに合わせて改革を進めています。最近の日本株再評価の流れも円安による割安感だけでなく、情報開示や制度改革などが進んだことにより海外の機関投資家が投資しやすくなったことも一因です。「ビジネスと人権」もグローバルで盛んに議論されているテーマであり、不利益を一方的に押し付けるような制度は人権尊重の観点からも問題であると経営者が認識し始めています。

結婚後に夫婦どちらかの姓を選ばなくてはいけない夫婦同姓制度。ジェンダー平等の観点から長らく社会課題に上がっていたが、経営上のリスクにもなりかねないと経済界が声を上げ始めた。経団連と経済同友会が国に選択的夫婦別姓の早期導入を相次ぎ求めたのだ。30年近くも解決が先送りにされていたこの問題は経済界の本気でようやく解消に向かうのか。

「○○氏の戸籍上の氏名は▲▲氏です」

開催のピークを迎えている株主総会。その招集通知に目を通すと、冒頭のような注記が取締役選任案件に小さく記されている会社が散見される。そのほとんどが女性候補者。結婚後なども旧姓・通称で仕事をしている場合、注記が欠かせない。

日経電子版

このようにデメリットは明確なのですが、反対派からの意見は概ね「家族の一体感が損なわれる」というものです。同姓であれば家族の一体感が維持もしくは強化できるというのであれば、全人口の1.5%を占める「佐藤さん」は日本における一大勢力として一体感を持っているはずです。ひょっとすると、リーダー格の佐藤さんが参議院議員に立候補して比例枠に入れば、全国の組織票によって国政に1人は送り込めることが可能かもしれません(100万得票するのですから)。

東京は都知事選の真っ盛り、衆議院選挙も近いと言われています。ぜひ争点のひとつとして、この問題に着目してほしいと願っています。

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タイトル画像提供:Aomy. / PIXTA(ピクスタ)

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