キャリアはもっと自由でいい〜自分のキャリアを自分でデザインする「パラレルキャリア」という働き方
“時代の変化の速さに伴いスキルアップや自己実現を目的とする「パラレルキャリア」が一般化するだろう。得たスキルがすぐに役に立たなくとも別の場所で生きることもある。自分のキャリアを自分でデザインする心構えでいてほしい。”ー記事の末尾の考え方に共感するとともに、自分のキャリアを肯定してもらえたような気持ちになり勇気をもらいました。
パラレルキャリアとは
出前授業の際には自己紹介の導入として、パラレルキャリアの話をしています。学生たちに聞いたことがあるか尋ねてみても手が上がることは滅多にありませんが、「パラレルワールドは知ってるよね?同時に複数の世界が存在すること。パラレルキャリアも、同時に複数のキャリアを持つということ」という説明をすると、なるほどという表情で応じてくれます。一般的に、副業が収入増を主な目的とすると説明される一方、パラレルキャリアはそれよりもキャリア開拓や自己実現に主眼を置いた働き方と説明されているようです。
心が動くことを見つけたら飛び込んでみる
大学卒業後に公務員となり、その後総合商社などを経て起業しました。並行して公務員の頃からプロボノでガーナでNGOの運営も。その状況が既にパラレルキャリアですが、それに加えて最近は大学院の非常勤講師やキャリアメンターという仕事にもトライしています。自分の知識や経験を誰かに還元していきたいという想いのままご縁に飛び込んでみたり、オンラインで検索して気になるものがあればとりあえず登録してみたり…。一歩踏み出せば踏み出すほど、新たなパラレルキャリアを歩み始めるハードルが下がっている気がします。
今年の春に新たに始めたのはオンラインの英会話講師。お喋りが達者になってきた姪っ子にそろそろ英語を教えたいなと思い始めた頃に、オンラインで子どもに教えるスキルやノウハウを習得するためにどこかで教え始められないだろうか…とSNSで友人達にお勧めを聞いてみたり、ネットで検索をした結果、GLOBAL CROWN(グローバルクラウン)という子ども向けの英会話サービスに辿り着きました。“3~12歳を対象とした子供向けのサブスクリプション型オンライン英会話教室”です。
講師になるための面接や試験と研修を経て、この半年間で3歳〜12歳の幅広い年齢層のお子さんとレッスン。1回20分のレッスンにいかに集中してもらうか、知っている英単語でたくさん喋ってもらえるようにどんな工夫ができるか…様々な個性のお子さんのリアクションに応じてレッスンを重ねています。
最近は、英会話だけではなくこれまで見てきた世界の話も織り交ぜて子ども達とレッスンできたら面白いかもしれないなと思い始めました。少しずつ、そんな自前のオンライン教室を開講する準備をしています。
「好きなことを仕事に」はもっと気軽にできることかもしれない
「好きなことを仕事に」…は、小説やドラマなどでも頻繁に語られるテーマだと思いますが、そんなことが叶っている人は一握り…というトーンの方がなんとなく多かったように思います。
リンク先の記事の調査で、中高生の将来の夢のトップに「好きなことを仕事に」がラインクインしたというのは、ひょっとしたらそのハードルが低くなっていることに中高生が気づき始めているからかなと感じたりします。
社会人になれば一つの職業に就いて定年まで勤め上げることが一昔前までの当たり前でしたが、親御さん世代も既に、公務員や大企業勤めを子どもに望むような安定志向からは離れてきているように感じます。新卒でのベンチャー就職や起業が以前ほどは珍しがられることではなくなり、学生の頃からYoutubeで独学でスキルを得て収入を得る体験が身近になったり…好きなことを仕事にするという姿が現実的なものとして捉えられるようになっているのかなと思います。
オンライン授業配信サービスのKids Weekend(キッズウィークエンド)でも時々授業を配信させてもらっています。先月の授業のテーマはまさにパラレルキャリアも含むお話でしたが、約150名のお子さん達が日本国内外から参加してくれました。コロナ禍で、オンラインの機会が一気に増えたことも、好きなことを仕事にしている大人の姿の見える化を促進したかもしれません。
失敗こそ糧になる
子ども達からいつも必ずと言っていいほどもらう質問が、失敗や挫折に関するもの。変化や挑戦の前にはいつも必ずドキドキします。期待感と同じくらいに不安もあります。実際に踏み込んでみても、いつも必ずうまくいくわけでもありません。仕事の内容が全く掴めず顔面蒼白になったり、転職後すぐに予期せず会社を辞めることになったこともあります。失敗と言える経験だと思います。ですが、その時になんとか乗り越えようと思って勉強したり周りを頼って教えてもらったこと、たくさん苦しんで悩んで思考を重ねたこと、相談に乗ってくれた人との関係などは、失敗のおかげで得られた宝物になりました。
なるべく失敗はしたくないけれど、でも失敗するとしても自分の心の動きには正直でありたいな、やらない後悔はしたくないな、そんなことを思いながら、これからも自分なりのパラレルキャリアを築いていきたいと思っています。
…そんなふうに、自分で築いていかなければならないことへの不安も同時にあります。でもきっと、これからはそんな不安と向き合いながらも“自分のキャリアを自分でデザインする”仲間が増えてくるんだろうなと思います。