営業なしで月商3000万円。ベンチャー経営者に贈る「営業しない」経営術
僕と私と株式会社は、10月で4期目に入りました。
早速、月商が3000万円を突破するなど、ここまで右肩上がりで売上を伸ばしてきた僕わたですが、実は僕たちは過去に一度も営業をしたことがありません。
口コミと紹介、リピートだけで常に20個以上のプロジェクトが動いている状態です。
よく、起業家やフリーランスの方からクライアントの獲得方法の相談をいただきます。
『僕と私とは設立して3年未満にも関わらず、なぜ、サントリーやKDDI、三菱UFJ銀行や関西電力などの大手から直接依頼を受けるのか』
今日はその答えについてお話しできればと思います。
年間100件以上の新規お問い合わせもいただいており、僕たちのことを知って声をかけてくださったクライアントの皆さまと一緒に、新たなプロジェクト・商品を咲かせることができていることを嬉しく思っています!
そこで今回は、スタートアップやベンチャーの経営者の方に向けて、僕たちが実践する「営業しない」営業術についてお話します。
インターネットで会社のHPが見れる時代。営業は必要ない
僕と私と株式会社は設立当初、僕のひとり会社でした。今ではメンバーが60人(副業や業務委託含む)を超えていますが、それも不思議なほど、営業から案件までを全部自分で行い、それで良いと考えていたんです。(なぜメンバーが増えたのかは、また別のnoteで!)
だからこそ、本当にやることが多かった。これは今でも同じですが、積み重なったタスクに追われないように優先順位を考え、必要に応じて時間とコストを削減しながら仕事をしていました。
そこで、やらない(やりたくない)と決めたのが、営業活動です。
「経営において、一番大事なことなのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、気になったクライアントにアポを取り、会って自分たちが何者なのかを説明することには、かなりのリソースと時間を消費します。(僕的には精神も、、)
それに、インターネットが発達した今、ほとんどの商品やサービスの情報はWebサイトで知ることができるようになりました。自分たちが何者なのかを紹介して、理解していただくための営業は、もはやいらないのではないか、と感じたのです。
また、不思議なことに、こちらから売り込みをして受注した案件はなぜかあまりうまくいかないことが多い。お互いにHAPPYなプロジェクトを動かすためには、困っている本人から声がかかる環境を作ったほうが良いと考えました。
こうして、営業をしない会社となった僕と私と株式会社は今、口コミと紹介、リピートだけで年商数億円を達成するベンチャー企業となっています。
営業しない営業術① 人の記憶に残るものを作る
では、困っている側から声がかかる会社にするためにはどうすれば良いのでしょうか?
まずは人の記憶に残るヒット商品を作ること。
自社の代名詞となるような商品を作ることは、認知してもらうための入口を増やすこと、つまり、世界中の人に自動で名刺を渡すシステムを作るのと同じだからです。
僕の場合は『ウェイウェイらんど』や『エモ消費』が挙げられます。
さらに、『完全フルリモート』『サウナ採用』『ワーケーション』など、社内制度から知っていただく機会も多く、経営面でも人の記憶に残りやすいキーワードを意識的に前に押し出すようにしています。
ただのいい人、ただの若者起業家ではなく、想起されるためには独自性や実績が必要になります。
僕の場合は「Z世代の企画屋」を名乗り始め、記憶の定着に成功しました。選択肢として、思い出されることもとても大切だと思っています。
僕はこれらをきっかけにメディアへの露出が増え、日経クロストレンドで連載や、ワールドビジネスサテライトへの出演に繋がりました。
ワールドビジネスサテライト出演時には、1日で20件以上の問い合わせをいただき、メディアの力の偉大さを感じると同時に、出演のきっかけとなる商品・サービスを作ることの偉大さも実感しました。
営業しない営業術② 目の前の顧客に誠心誠意向き合う
次に大事にしているのが、今ご一緒させていただいているクライアントを第一に、僕たちが力になれることは全力でやらせていただくこと。
これは、僕と私と株式会社がプロジェクトを行ううえで、もっとも大切にしていることです。
日々のコミュニケーションを円滑に行うことはもちろん、この企画がもっと良くなるにはどうすればいいのかを、プロジェクトに関わったメンバー全員が考えることで、受注時よりも良い状態で企画を遂行できていると感じています。
実際、既存クライアントの90%ほどはリピート企業です。リピート率の高さは、顧客満足度の高さの表れ。
クライアントへの定期的な満足度アンケートで振り返りを行ったり、クライアントの課題ごとに解決できるようにソリューションのパッケージなどは作っておりません。
そして一緒に年月をかけて仕事をしていくうちに、クライアントごとの予算も年々増加しています。
また、顧客満足度の高いクライアントから新たな取引先を紹介していただけることもあります。
(むしろ、ほとんどそれで大変ありがたいです)
信頼関係の築けている方から紹介していただいた取引先は、僕たちがどのように企画をご提案し、プロジェクトを動かしているのかを知ってくださっているため、初回の顔合わせ時からスムーズなお話ができることが多く、嬉しく思っています。
根底にはエモマーケティング。目の前の人をいかに幸せにできるか?
最初は営業コストの削減を考えて始めた「営業しない営業」。今、僕わたメンバーは60人を超え、営業ができる体制は整っています。
しかし、これからも僕たちは営業をするつもりはありません。まずは「どうしたら目の前のクライアントを幸せにできるか」を考え、徹底的に向き合いたいと考えています。
ここには、僕らが大切にしている「エモマーケティング」の考え方が反映されています。
エモマーケティングは、「ハッピーな共感」という考えのもと、経験×ハッピー×コミュニケーションという方程式のもと、合理的なお金だけの関係ではなく感情を動かすマーケティング方法です。
昨今は色々な物や情報が簡単に手に入る時代に生まれ、多角的に物事を見る力があるからこそ、合理ではなく感情でモノを買います。顧客との付き合い方にも通じる部分があると思います。
ビジネス上でも存在する「エモ消費」
僕はエモ消費という本を出版しているのですが、そこには上記のようなエモマーケティングやZ世代の消費論についてを綴っています。
その商品やサービスを消費した後の世界観を想像し、ハッピーなコミュニケーションが生まれる設計をする手法は営業やビジネスでも通ずるものがあるのではないでしょうか。
広告嫌いなZ世代が多いように、毎日のようにテレアポや営業メールで商談を持ちかけられている人にとって営業は嫌悪感すら感じることもある。
だからこそ、得意先の企業や知り合いの起業家から薦められた会社とはぜひ取引がしてみたい!と思うUGC(紹介)を生むことも大切です。
営業で売り込みにいくことが逆に企業のイメージダウンに繋がってしまう可能性すらあると思います。
真摯にクライアントに向き合って幸せの輪を作ること(もちろん、結果を出すのは当たり前)が、何よりの営業になるのではないでしょうか。相手を幸せにするために何ができるのかとことん考えることで、良いクライアント(友だち)の輪もより広がっていくのだと考えています。
エモマーケティングやZ世代についてもっと知りたい!という方はこちらの記事をご覧ください。僕たちが営業をしない理由についても、もっと深く理解していただけるかと思います。
他にも、営業をせずに売上を伸ばしている企業の記事をいくつか掲載しておきます。どれも参考になる事例ばかりでしたので、よければご覧ください。
とはいえ
ここからは、お時間がある方だけお読みください。上記の内容を見ると華やかな会社に思えますが少し裏話をさせてください。
営業しない戦略について語っていますが、実は、最初からこのようにうまくいったわけではありません。実は、僕と私と株式会社は自身への誕生日プレゼントに設立した2社目の会社になります。
それまでに得たスキルや信頼もあり、つながりがあった企業の依頼があり一発目から成功を収め、数珠繋ぎにここまで来ることができました。
起業した学生時代や1社目の起業は直接足を運び、泥臭い営業をしてきた時代もありました。
僕はいま25歳なのですが、経歴で言うと小学校教師→花業界で起業→映像制作会社設立→コンサルティング会社就職→副業でYouTube&ブランド事業→僕と私と設立 となっています。
組織コンサルティング会社に就職しながら、副業で始めた「僕と私と」。実は設立時にはすでに、半年の副業で4,000万円稼ぐようになっていました。
そのため、初期に営業しなくても1社目のクライアントを獲得することができました。
ただ、僕が伝えたいことは「営業0」よりも、大切なのは目の前のお客様(クライアント)を大切すること。それを大切にしつつ、実績もきちんと上げていれば営業しなくてもリピートや紹介をしてくれるということです。時に、結果を出せない時もあるかもしれませんが、クライアントときちんと本音で反省会を行い、改善していくことも大切だと思っています。
よく、起業家やフリーランスの方からクライアントの獲得方法の相談をいただきます。
『僕と私とは設立して3年未満にも関わらず、なぜ、サントリーやKDDI、三菱UFJ銀行や関西電力などの大手から直接依頼を受けるのか』
それらの会社の多くは口コミで広がり、ご依頼いただいております。
目の前の人や企業と向き合うことが、信頼に繋がり、仕事に繋がるなとつくづく思います。
最後に
このnoteでは他にも、僕がZ世代マーケティングの会社を経営して得た気づきや日々の学びを発信しています。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。他にもこんな記事を書いているので、ぜひご覧いただけたら嬉しいです!
※このnoteは個人の見解です。
今瀧健登について
1997年生まれ。SNSネイティブへのマーケティング・企画UXを専門とし、メンズも通えるネイルサロン『KANGOL NAIL』、食べられるお茶『咲茶』、お酒とすごらくを掛け合わせた『ウェイウェイらんど!』などを企画。
Z世代代表として多数のメディアに出演し、"サウナ採用"や地方へのワーケーション制度など、ユニークな働き方を提案するZ世代のコメンテーター。
日経COMEMOではZ目線でnoteを綴り、日経クロストレンドでは、「今瀧健登のZ世代マーケティング」を連載中。