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ケアすることは、稼ぐことと同じくらい大事って言い続けたい。

私自身の仕事と家庭の両立の悩みから、女性の働き方について書くことが多いのですが、段々分かってきました。(今さら)
私は「稼ぐこと」が偉くて、「ケアすること」が下みたいな空気に吠えたい。稼ぐこととケアすることが上下なく一緒に語られるようになりたいのです。


ケアとは何か?

日々考えていると記事が向こうからやって来てくれるようになりましたw

戦争や災害という困難な時代に、「ケア」の価値が改めて見直されている。ケアは育児、家事、介護、看護といった実際の行為に加え、自分や他者へのいたわりも示す言葉だ。

記事より

ケアは手助けが必要な人たちへの「お世話」だけでなく、周りや自分自身をどういたわるか全員が関わる話。化粧品もスキン「ケア」だし。
自分の心身の調子が悪いまま、見て見ぬふりで放っておくと何らかの形で現れ、ときに自分も周りも不幸にしたりする。ケアは深いのだ。
が、まず今回は家庭での「お世話」に近いケアの話から始めたい。

伝統的に女性が従事してきた育児や介護など家族の世話をするケアを「ケア・フォー」(care for)、自分の家族のためにどれほど稼いでいるかで表すことのできるケアを「ケア・アバウト」(care about)と呼ぶ。

いずれも同じくらい尊いはずだが、マリラのように、いつの時代も「ケア・アバウト」の価値が優先されてきた。しかし、脆弱な命を守るのは「ケア・フォー」であることを「赤毛のアン」は教えてくれる。

記事より

お金大事です。文句ないです。でもcare forの基盤が整っていないとaboutどころじゃない。記事にもありますが、コロナ禍の緊急事態宣言で保育施設などケアの場所が止まり、また次々感染者が広がったあのカオス。
本当はaboutもforも優劣なく大切なはずなのに、それでも結局about優位な社会のなかで、Care forの存在を私はもう少し浮かび上がらせたいのです。
(記事では両方Careだけど今回の私の文章ではCare aboutを「稼ぐこと」、Care forを「ケアすること」という言葉で語ってみます)

ケアはすごく大変なタスクだった

実際家族のケアをやってみて、私の場合、会社のハードな仕事と同等レベル、ときにはそれ以上のものでした。目配り気配り、段取り、推測、リサーチ、社交術交渉術あらゆるクリエイティブスキルと愛と体力と責任感が必要でした。(ただハードさは本当に千差万別で比較が難しい)

それを今までの日本社会は、家族だから、お金を男の人たちに稼いでもらっているからと、世の中のお母さん、奥さん、おばあちゃん、姉や妹、おばさん親戚諸々、女の人たちはよく受け持ってきたなと驚きます。
表には出てきづらくて、一つひとつは小さいけれど積み重なると面倒で手間がかかる毎日を支えるケア。これ本当はすんごいことだよおおお!と私は大声で叫びたいです。(もうあれこれ叫んでるけど) 

結局ケアもお金次第なのか

既存の家族制度が破綻し、「女性も稼ぎましょう」な風潮の今、ならば誰がケアを担うのか。仕事もケアも女性が両方やってね問題は全く解決していないものの、あらゆることがお金を払えば外注できるようになっているのは、ケアが可視化されてきたという意味では進歩かも。

上の記事は4年前で今かなり値上げした印象です。
でもお金を払える人が丁寧なケアを受けられるということは、稼いでいるほうが偉いと同義語であり、結局お金の価値基準で判断されることにモヤモヤするのです。
ならばせめてケア労働の賃金が高くなってほしいけどそうでもないし、口では「重要」と言いながらも、なぜやりたい人は増えないのか。
でもきっとお金を払っても担い手がいない未来はすぐそこに来ている。

人は一人では生きていけない

今元気だとどうしても想像できないけど、脳も身体もずっと元気に動いてるって過信だなと、高齢や病気を持つ人たちを目の当たりにして思い知らされる日々です。いつか誰かのお世話になる。もし何か起きたら、年齢に関わらず明日からだってすぐに。誰にも迷惑かけず1人で生きるなんて詭弁です。(はっきり)

だから少子化も気になるのです。あえて打算的な言い方をするなら、泣き声がうるさいと舌打ちされた赤ちゃんが、将来あなたを救う新薬を開発したり、老いた手を引いてくれるかもしれない。
でもそれ以上に「生きる」とはお互い様ではないのかなと。
誰にも迷惑もかけず1人で大人になった人なんていないはず。

「今まで迫害されていた女の権利を!」とこぶしを突き上げたいのではなく、ケアしながら生きていくことは、みんな全員の問題だから、みんなで考えようよっていいたいのです。制度や働き方、男女の在り方や価値観、本音と建前、すべてが複雑に絡み合っているこのことをひとつずつ紐解きながら考えたい。って話、関東平野の片隅から、たまに声をあげさせてください。また来月!


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近森 未来(資生堂クリエイティブ コピーライター)
ここまで読んでいただきありがとうございます。 読んで、少し心がゆるんだり、逆にドキッとしたり、くすっとしたり。 おやつ休憩をとって、リフレッシュする感じの場所に ここがなれたらうれしいです。