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時代は「出会う」より「繋がる」。“恋愛しなくても良い”Z世代の恋愛とマッチングアプリの今後を考える

最近、街中やテレビでも本当に多くのマッチングアプリのCMを見かけるようになりました。

「この後、マッチングアプリで出会った人とデートなんだよね」「マッチングアプリで出会ったパートナーと結婚した」と耳にする機会もあり、特に都心部の若者のあいだでは、マッチングアプリが身近な存在になっていると考えています。

先日、このような記事を見かけました。

マッチングアプリの代表格・Tinder(ティンダー)の日本版で、アプリへの登録時に10種類を超えるジェンダーとセクシャリティーを選択できるようになったとのこと。

今探している出会いの種類も選択でき、なかには「友だちがほしい!」「チャット相手」などの選択肢もあるそうです。

結婚・恋愛相手を探す目的から、今後は幅広い「出会い」を提供するプラットフォームへと進化しつつあるマッチングアプリ。今回は、ユーザーのメイン層であるZ世代とマッチングアプリの今後について考えてみます。


「出会う」より「繋がる」デジタルネイティブの友だち関係

そもそも、若者はなぜネットでの出会いに抵抗がないのでしょうか? 僕は、Z世代はデジタルネイティブとしてSNSで「繋がる」という出会い方を覚えたからだと考えています。

マッチングアプリは、以前は「出会い系サイト」としてほとんどの人が危険視しているものでした。僕たちZ世代もその危険性を小さい頃から教えられて育ってきましたが、若者の新しい人との出会いに対する抵抗感は上の世代に比べて少ないものです。

しかしそれは、警戒心がないという意味ではありません。

今、デジタルネイティブにとって出会いの場はインターネット・SNS上に広がっています。ここで出会った人の特徴としてあげられるのは、良くも悪くも「なんとなく」で関係を築くことができる点です。

例えば、SNS上では相手のプロフィールを見てフォローボタンを押し、フォローされた相手はフォローしてくれた人の情報を見て、気になる人にはフォローを返す。これだけで相手の日常を覗き見し「繋がる」ことが可能です。

また、価値観が合わない場合にはフォローを解除するだけで縁を切ることができます。直接会ったことがなければ、よほどのことがない限りそれで気まずくなることはありません。

これまでの「出会い」は、飲みの場や職場、知り合いの紹介で直接顔を合わせて自己紹介をするのが当たり前でした。オフラインでの出会いにはその場所に向かう時間やお金がかかりますし、慎重に物事を進めたい感覚が働きます。

だからこそ良いご縁が生まれる可能性もありますが、インターネット上での出会いであればその必要はなく「まずは繋がってみてから考えよう」と気軽に関係を進めてみることが可能なのです。

そんな距離感を詰めすぎずに人と出会う方法を知っているからこそ、若者は新しい人と関係を作ることへの抵抗感が少ないのでしょう。

なぜマッチングアプリが流行ったのか?

こうした出会いへの抵抗感のなさも作用して、日本の若者の間で大きく普及したマッチングアプリ。

今は20代の半数近くがマッチングアプリ利用経験者だといわれていますが、僕は近年でここまでマッチングアプリが普及したのには、大きく2つの理由があると思っています。

1つ目は「マッチングアプリで結婚したカップルが増えた」から。

明治安田生命保険が2023年10月に既婚の約1600人に尋ねたアンケートでは、結婚したカップルの出会いの理由として「マッチングアプリ」が「職場の出会い」と同率トップの25.0%を占めました。

これは、マッチングアプリ利用者が遊びではなく結婚を目的とするようになったからだと考えられます。

また、街中ではマッチングアプリの広告を見かけることも多くなりました。・

デジタルネイティブはまわりの口コミを重視する傾向が強いという特徴があります。

ユーザー数が増え、結婚したカップルのN数も増えたことから「あの人がマッチングアプリで結婚したのなら、自分も…!」と考え、抵抗感なく登録するユーザーが増えたのではないでしょうか。

▼デジタルネイティブと「口コミ」の関係性はこちらの記事でお話しています

2つ目は「合コンの減少」です。2020年のコロナウイルスの影響によって、以前より確実に少なくなったのが飲み会ですが、特に合コンは、4年が経つ今でも数が戻っていないように思えます。

僕のまわりでは男女が集まって飲み会をすることはよくありますが、「合コン」という名目で開催される飲み会はほとんどありません。

実際、上記のアンケートと同じ質問の中でカップルの出会いのきっかけとして「合コン」と答えた人は、わずか4.2%だったそうです。以前は合コンをしていた層がコロナウイルスの影響によって出会いの場を失い、代わりにマッチングアプリを始めたとも考えられます。

恋愛に対するZ世代の価値観〜マッチングアプリの今後〜

最後に、Z世代は恋愛に対してどう考えているのかも触れておきたいと思います。

近年、若者の恋愛離れが叫ばれています。「若者はまったく恋愛をしない」「恋愛したがらない」という声もありますが、僕は若者は恋愛に興味がないのではなく「してもしなくても、どちらでも良い」という価値観を持っていると考えています。

こちらの記事では15〜24歳の男女に恋愛や結婚観に関する調査を実施した結果、「恋愛は人生に必要不可欠」と考えている人は12.8%にとどまったことが示されています。

恋愛を否定するのではなく「恋愛の楽しさも知っているけど、絶対にしなくてはならないものではないよね」と捉えているのです。(ちなみに、結婚に関しては「老後2000万円問題」や「少子高齢化」など別の軸で問題を抱えていると考えています)

そういった意味でも、インストールしておくだけで一定の出会いが期待できるマッチングアプリは、「実際に恋愛するかはわからないけれど、とりあえず入れておける」手軽でZ世代の価値観にあったツールだと言えるのではないでしょうか。

Tinderが結婚・恋愛相手を探す目的にとどまらず、幅広い「出会い」を提供するプラットフォームを目指すのも、こうした若者の恋愛に対するスタンスが関係しているのだと思います。

デジタルネイティブのなかにはネットの友だちに対して、「リアルな友だちよりもさまざまなことが話せる」と考えている人も少なくないため、将来的には友人関係に特化したマッチングアプリなども生まれてくるかもしれません!

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このnoteでは、Z世代経営者の僕がZ世代の最新事情や日常で感じたことを発信しています。経営者やZ世代の皆さんの役に立てる情報をお話したいと考えていますので、ぜひスキやコメントお願いいたします!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。他にもこんな記事を書いているので、ぜひご覧いただけたら嬉しいです!

※このnoteは個人の見解です。

今瀧健登について

今瀧健登 / Imataki Kent(X:@k_hanarida
僕と私と株式会社 代表取締役 
日経COMEMO キーオピニオンリーダー
一般社団法人Z世代 代表
書籍『エモ消費』『Z世代マーケティング見るだけノート」など

1997年生まれ。SNSネイティブへのマーケティング・企画UXを専門とし、メンズも通えるネイルサロン『KANGOL NAIL』、食べられるお茶『咲茶』、お酒とすごらくを掛け合わせた『ウェイウェイらんど!』などを企画。
Z世代代表として多数のメディアに出演し、"サウナ採用"や地方へのワーケーション制度など、ユニークな働き方を提案するZ世代のコメンテーター。

日経COMEMOではZ目線でnoteを綴り、日経クロストレンドでは、「今瀧健登のZ世代マーケティング」を連載中。


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