進捗共有はNG?Z世代の会社が週30分の定例で仕事を進めるために実践する「MTGの心得」
僕の経営する「僕と私と株式会社」では、各チームの社内定例ミーティングを週に1回、30分のみに限定するルールを設けています。
「本当にそれで業務が進むの?」「30分ではミーティングの時間が足りないんじゃない?」
…と、ジョインしたメンバーにはよく驚かれますし、フルリモートの会社がこれだけで事業を進められるのか不思議に思う声もありますが、実際にこのルールで業務が滞ったことはありません。
この記事では、Z世代の企画・マーケティング会社が30分ミーティングを実践する理由と、そのために工夫していることをご紹介します。
人の集中力は、45分が限界。時間を最大限活用するための30分ミーティング
ぼくわたの社内ミーティングが短い理由は、「副業・複業メンバーが多く、全員が集まれる時間が少ないから」というのもありますが、それ以上に大きな理由として、集中力の問題が挙げられます。
行動心理学の研究によれば、人間の集中力は45分が限界。さらに言えば、15分をピークにだんだんと集中力が切れ、45分を過ぎるころには多くの人が飽きを感じるようになります。
そこでぼくわたでは、中だるみが発生しないよう基本のミーティング時間を30分にセットしました。
また、ダラダラと仕事をしないためにも、作業時間も1タスクにつき30分で区切ることをメンバーには推奨しています。
あのトヨタも実践する30分ミーティングの魅力
このようなぼくわたの取り組みは、実は世界的な大企業・トヨタがロールモデルになっています。
ぼくわたが1時間のミーティングを行っていたころ、僕はミーティング中に、手持ち無沙汰になってしまっているメンバーがいることが気になっていました。
メンバーが「この場にいる意味あるのかな」と思うのは業務全体へのモチベーションの低下になりますし、作業時間の圧迫になります。
そんなときに出会った本が、トヨタ出身の戦略コンサルタント・山本 大平さんが書かれた『トヨタの会議は30分 ~GAFAMやBATHにも負けない最速・骨太のビジネスコミュニケーション術』です。
世界中に名が知れ渡るあのトヨタが、たった30分でミーティングを行っている。少しの工夫をメンバー全員で意識的に行うことで時間の使い方が一気に変わる。この考え方に衝撃を受け、ミーティングの内容も含め大いに参考にさせてもらうことにしました。
共有は事前に!ミーティングは意思決定の場
では、実際にぼくわたでは30分のミーティングをどのように使い、どのようなことを話しているのか。
ぼくわたではミーティングを、意思決定をして1週間で各々がどうアクションするかを設定する場だと考えています。
大きな意思決定は、テキストコミュニケーションだけでは意図が伝わりにくく、認識に齟齬が生じやすいものです。
認識にズレが生じたまま、1週間それぞれが業務を進めると結果的に手戻りが発生してしまうため、意思決定だけは、直接話すようにしています。
逆に進捗共有や議論はテキストとしてチャット上でやりとりしたほうが良いケースもありますし、ミーティングまで待たずに話したほうが効率的です。
他にも、アジェンダを確認する時間を短縮するために進捗は事前に議事録に記入することを徹底したり、ディスカッションやブレインストーミングなど時間がかかりそうな項目は、別途話し合いの時間を設けたりすることで、ぼくわたではミーティング時間を最適化することができています。
ちなみに、最近は早ければ15分ほどで話すべき内容がクリアになり解散となる場合や、作業を優先すべきと判断して定例をスキップする場合もあります。
特に規模の大きな会社ではミーティングをすること自体が目的となっているケースがありますが、本来ミーティングは「話すべきことがあるから」実施するもの。アジェンダにすべきものがなければ実施する必要もないのです。
30分を最適化するための、ミーティングの心得
他にも、ぼくわたでは30分のミーティングを最大限有効活用すべく、いくつかの「ミーティングの心得」をメンバーに共有しています。
1.最初の3分間は雑談をしよう
雑談タイムは程よいアイスブレイクとなり、その後のミーティングの雰囲気に大きく影響します。
ミーティングではファシリテーターや上長など、発言する人が限られてしまい、当事者意識を持ちにくいシチュエーションが発生します。メンバーが疎外感を覚えないようにするために、全員がラフに会話できる時間は重要です。
特にぼくわたは全メンバーがフルリモートのため、オフィスで直接会って挨拶を交わす習慣がなく、ミーティングが、初対面のメンバー同士が顔を合わせる場になることもしばしば。その意味では、雑談も立派なアジェンダなのです。
2.最後はネクストアクションを確認
ミーティングの最後には、必ずネクストアクションと担当者、期限を決めます。
後続のミーティングとの兼ね合いでバタバタと終了したり、議論に満足して終了したりすると、意外とこの重要な要素を忘れがちです。
人間には「ピーク・エンドの法則」といって、ある事柄に対して記憶や印象に残るのは感情が最も高ぶったときと終わりごろの出来事だけで、それらが全体の印象を決定づける傾向があります。
つまり、ミーティングの終盤がぼやけていると、ミーティングの内容自体を忘れてしまう可能性があるということ。
これを回避するためにも、議事録にネクストアクションと担当者、期限を明記する、最後にチェックする時間を設けるなど、細かな工夫を重ねています。
3.午前中はミーティングをしない
さらに、ぼくわたでは社内ミーティングを午後のみに集中させています。人間は午前中が脳のベストコンディションであり、集中力を要する作業や制作に適した時間帯だからです。
例えば、僕の1日のスケジュールは大体このようになっています。
午前中の次に脳が働く午後にミーティングを入れ、逆にリラックスして自由な発想でアイデアを出すことが重要なブレストや企画会議は、脳が疲れている夕方に行う。
脳や身体の状態に合わせて業務の内容を変えることでより効率的に仕事ができると考えています。
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ここまででお気づきの方も多いかもしれませんが、ぼくわたでは行動経済学をもとに仕事の進め方を考えています。
このnoteでは、Z世代経営者の僕がZ世代の最新事情やZ世代のマーケティング会社「僕と私と株式会社」を経営するなかで感じたこと、ビジネスハックなどを発信していますが、そのなかにも行動経済学はよく出てくるので、
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最後まで読んでくださり、ありがとうございました。他にもこんな記事を書いているので、ご覧いただけたら嬉しいです!
※このnoteは個人の見解です。
今瀧健登について
1997年生まれ。SNSネイティブへのマーケティング・企画UXを専門とし、メンズも通えるネイルサロン『KANGOL NAIL』、食べられるお茶『咲茶』、お酒とすごらくを掛け合わせた『ウェイウェイらんど!』などを企画。
Z世代代表として多数のメディアに出演し、"サウナ採用"や地方へのワーケーション制度など、ユニークな働き方を提案するZ世代のコメンテーター。
日経COMEMOではZ目線でnoteを綴り、日経クロストレンドでは、「今瀧健登のZ世代マーケティング」を連載中。