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“人”こそがお店の最強の差別化の源泉

モノの高品質化が進み、それだけでは差別化が難しい社会において、お店の最強の差別化は“人”であると再確認・痛感する体験が最近ありました。デジタルの時代だからこそ、人というアナログの価値が最強であるという考えを深掘ってみたいと思います。

フラッと立ち寄ったお店での体験

ある休日の午後にどこかで少し食べて飲んで帰ろうとお店を探していた時にに、あるお店が目に入り、店頭にいたお兄さんに「席空いてますか?」と声をかけました。

忙しそうに働いている金髪のお兄さんは、嫌な顔一つせず、とても感じの良い笑顔で、
「今は満席でして、すみません。あっでも、お席あくまで、立ち飲みだったらできますが、どうですか?」
といって、元々確実に立ち飲み用になっていなかったショーケースの前のカウンターに即席で立ち飲みの場所をつくってくれました。

その手際と人の良さに惹かれて、そのお店で立ち飲みを開始。
その後店内の席が空いて、テーブルに通されたのですが、そこで接客についてくれたお姉さんがこれまた素晴らしいかったです。
「飲み物どうされます?さっきカウンターで飲まれたワインはすっきりだったので、次は食べ物に合わせて何本かお持ちしますね」と。
当たり前の接客ですが、なんとも言えないタイミングとかゆいとこに手が届く感があって心地よいのです。そして、もって来てくれた3本のワインの説明がこれまた素晴らしい。東ヨーロッパのワインを押しているお店だったのですが、全然聞いたことがない品種のワインを気分に合わせて提案してくれたのですが、きちんと勉強している感があり、とても詳しく丁寧に解説してくれるのはもちろん、僕の拙いリクエストに対してマニュアル的な提案ではなく、きちんと自分で考えて提案をしてくれている。

そんな心地よい接客を受けたあと、会計間際にシェフがわざわざテーブルまで来てくれました。ビストロやバールという感じで、ワイガヤのオープンキッチンでカチッとしたお店ではないし、シェフも30歳前後と若いので、最後にシェフが挨拶してくれる感じではなく少し驚いたけど、どうやらどのお客さんにも御礼を伝えに行かれているみたいでした。どのお皿も美味しいと伝えたのですが、一番驚いたのはそのボリュームが多いことだったので、「美味しいし、ボリュームが本当に多くて最高でした」と感想を伝えたら、「僕の理想は町場のフレンチでして、お腹一杯食べてもらいたいし、スタッフとの会話も含めてお客さんに気軽にわいわい楽しんでもらいんです。だからボリュームはこれでもかってくらいだしたいと思ってます(笑)」と教えてくれました。

自分の料理だけなく、お店の明確な理想像があって、それをスタッフに伝えて体現しているから、僕はとても居心地の良さを感じたのだとそこで理解しました。

そして、シェフと楽しく会話した最後の最後に、とても気恥ずかしそうに「もしかして山下さんですか?」と言われました。僕は名乗っていなかったので、「??そ、そうですが。どこかでお会いしましたか?」と聞くと、何と7,8年前に代々木上原のお店で働いていて、当時僕はそのお店によく通っていて、その時の僕の顔を覚えてくれていたみたいでした。この奇跡のような再会がこのお店の印象を決定的にしたのですが、7年前のお客の顔と名前を覚えてくれていた事は(たまたまかもしれませんが)このシェフが本当に人や接客・サービスが好きで、そんな雰囲気がでているからこのお店に惹かれてるんだなと思いました。

この出会いをきっかけに、このお店に通うようになりました。

コト消費が叫ばれる社会で、コトとは“人”が生み出すものであること



少し前からモノ消費ではなく、コト消費と言われています。その背景にあるのは、インターネットが進み情報の非対称性が低くなり、サービスやモノの品質の平均値が高くなって、モノの差別化が難しくなってきたからだと思います。


だからこそ、モノではなく、コトを提供価値の真ん中に置くことがお店に求められるようになりました。

では、そのコトとは何でしょうか?
それは、モノやサービスを含めた体験や、そのモノの開発プロセスやその根幹にある想いやストーリーなどです。
ここから未来に向けて、人は単なるモノの機能で買い物をするだけなく、そのモノを取り巻く情緒的な価値を含めたコトに共感してモノを買う決断をする様になることが増えていくと思います。

そもそもモノをつくる事も含めて、そのコトをつくりだすのは“人”であると思います。

特にお店では、モノやサービスを売ることを前提にすると、それをコトとして売るにはそこに介在する人以上のメディアは無いのではないかと思います。

上記の私の体験も同じで、もしかしたら同程度の料理やお酒を同程度の値段で出してくれるお店Aはあるのかも知れませんが、仮にそのようなAが隣にあったとしても迷わず私はシェフの店に入るでしょう。

それは、料理とお酒に加えて、そこにいる人が醸し出す雰囲気やサービスを含めたコトに魅了されているからです。

“人“こそがお店の最強の差別化の源泉

私的な体験と上述で触れた時代背景も相まって、これからのお店のおいてはそこにいる“人”こそが最強の差別化の源泉になると思います。

卑近な例が続き恐縮ですが、私がよく行くお店はやはりそこにある商品・サービスだけが素晴らしいのは前提として、そこにいる人(店主やスタッフ)が素晴らしいからが最大の理由だなと思います。

サービスという無形資産の価値ということでいうと、最近私がカンブリア宮殿で知って感動したカンデオホテルズもまさに“人”が最強の差別化要素として成長しているようでした。

詳しくは下の記事に譲りますが、勝ち負けがはっきりとしてくるこの社会において、戦略とか技術とかの差別化と同じ以上に“人”による差別化が意味を持ってくると思います。

そして、当たり前がですが、“人”の重要性が増しているのはお店やサービス業だけはないということが下の記事からも見てとれます。

商品力を高める努力は決して怠ってはいけない

ではお店にどんな人が必要かと考えると、熱意をもった“人”ではないかと思います。そのような人を採用し育成するための話は以下のnoteにまとめているのでご参考までに。

そして、“人”が最大限に活きる大前提は、そのブランドやお店の商品であり、その商品力です。

“人”が最強の差別化になるためには、商品力があって、それを磨き続ける努力を絶対に怠ってはいけないと言うことを肝に銘じておくことは必要だと思います。

お店やブランドにとって“人”と“モノ”は車で言えば両輪で、どちらがかけてもまっすぐ早く遠くまで進めなくなると思います。

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