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効果的な会議のポイントは仕組みにあり

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

※ 本記事は日経朝刊投稿募集企画「 #その会議必要ですか 」への寄稿です。

リモートワークが導入された当初、無駄な会議が減ったという声をよく聞きました。今までと働き方の延長で普段の定例会議をなんとなくそのままリモートでも開催してみたところ、一人が延々と話して終わることが多いことがわかり見直しを迫られた等などです。

紙が中心だった文化を変えて、それまで薦めてきた「アクティビティー・ベースド・ワーキング(ABW)」の考え方をベースに社外まで広げた取り組みをしている会社があります。

仕事のやり方を変えずに、とりあえずテレワークに踏み切るとどうなるのか。典型的な問題の1つに、無駄なリモート会議の存在がある。「1人が延々と話し続けている」「参加者の反応が見えない」「議論が盛り上がらない」といった不満は、テレワークを経験した人なら誰しも感じたことがあるだろう。
各務氏は会議について、「会話の『解像度』は細かいか粗いか」「リモートかリアルか」という2つの「軸」で判断し、4つの「象限」に分類。どこを増やしてどこを減らすべきか考えてきたという。

「リモートが善、対面が悪」という二元論ではなく、会議を複数の軸で判断して取捨選択を進めてきたそうです。非常によいやり方だと思いました。

私自身は現在の会社がグローバル企業であることから、コロナ前でもオフィスにいってリモートワークをしていました。なんだそれは?と思うかもしれませんが、以前こんな記事を書いたので興味のある方は見てみてください。

今の会社に来て驚いたことのひとつが「会議は全員の時間を消費している」という感覚が非常に強いことです。定例会議にしても何を議論するべきなのか、何を決める会議なのかが事前に共有されており、会議に参加するために「pre-read」(事前資料)にしっかりと目を通して準備をする必要があります。pre-readをちゃんと読んでいないと、ぶっちゃけ仕事をちゃんとしていないと見なされます(場合によっては個別に上司から怒られます笑)。

また、ファシリテーター(大体において会議のオーナー)が明確に決まっており、話し合うべきアジェンダにそって事前に割り振った時間を気にしながら進行していきます。基本的に終了時間はきっちり守ります。ちょっとオーバーすることもあるのですが、忙しい人(上席の人が多い)は時間になったら容赦なく退出してしまいます。それがわかっているからこそ、必死に時間通りに有意義な議論をして結論が出るようがんばります。

各討議は、発表者の次の一言から始まります。

・This meeting will be successful if….…
(このミーティングはもし……が達成されたら成功です)

要するに「何を期待しているのか」を最初に明確にしているのです。もちろんすべてが何かを決めるためのものだけではなく「異論がないか確認しておきたい」「フィードバックがあればほしい」などの場合もあります。これが最初にあることで、自分がどういう振る舞いをすればいいのかがある程度予測できるため、その後の議論も有意義なものになります。

リモート会議の場合はチャット欄も並行して活用します。異論がない場合は「agree」(同意)の一言です。シンプルですね(笑)。「私も同意」の場合はそのあとに「+1」が続くことが多いです。「+1」はうちの会社だけかもしれませんが、「私も1票!」という感じでしょうか。

質問がある場合は発言します。よく脱線気味になることもあると思いますが、その場合は大体このフレーズが出てきます。

・Let's discuss it offline.
(その件は個別で話しましょう)

offlineというのはリモートだけでなく対面の会議でも使います。この会議=onlineという感じでしょうか。全員の時間が貴重であるという意識が強いため、細かいことは一旦個別で話してまた持ってこようよ、となります。

まとめると、惰性でやっている会議、なんで開催しているのかが全員がわかっていない会議はすべて一旦なくしていいと思います。その上で会議のやり方を見直す、特にファシリテーターが大切です。マネージャー以上はこのスキルをあげるためだけの研修をしてもよいでしょう。それだけで会議における生産性は爆増すること間違いなしです!

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タイトル画像提供:kouta / PIXTA(ピクスタ)

#日経COMEMO #その会議必要ですか

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