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SNSで『メガ割』が話題沸騰。Qoo10がZ世代に人気な理由を、Z目線で分析してみた。

日経新聞で「Qoo10」の記事がありました。

韓国コスメや若者向けのアパレルを中心に販売するECモールで、「メガ割」はそんなQoo10が1年間に4回だけ開催する超お得なセールのことを指します。

そんなQoo10が今、Z世代を中心に大きなトレンドとなっており、ECモール市場のなかでも爆発的に売上を伸ばしているんです。

今回はQoo10がなぜZ世代の人気を集めているのか、その理由をZ世代の目線から分析しました。

会員数2000万人を突破。右肩上がりの成長を見せるECモール「Qoo10」

eBay Japanが2022年5月に発表したデータを見ると、「Qoo10」の会員数はすでに2000万人を突破し、月間で約8億2000PVを記録、出店者数2万14000店の規模を持つ特大ECモールへと成長しています。

顧客層の女性比率は76%、そのうち10代から30代までが約8割、総合売上高は非公開であるものの、年間流通総額は毎年20〜40%伸びているというのです。

ネット通販が普及し安くいいものが溢れている世の中で、なぜZ世代たちはECモール大手である楽天やAmazonではなく「Qoo10」で買い物をするのでしょうか。僕の分析を大きく4つのポイントに分けて説明します。

①プロモーションはWEBのみ。SNSで「お祭り状態」を作り出すマーケティング戦略

Qoo10の人気の理由を探るうえで、ポイントとなるのが「SNSマーケティング」です。

実は、Qoo10がプロモーションを行っているのはWEB上のみ。2019年ごろはテレビCMを打っていたものの、若者層への訴求を考え、2020年以降は完全にWEBにシフト。YouTubeやTwitter、Instagram、TikTokなど若者を中心に人気の高いSNSへ広告を集中させているのです。

興味深いのが、数あるSNSのなかでも「Twitter」でのプロモーションに力を入れているという点。Qoo10の公式Twitterアカウントはフォロワー66万人(2022年12月現在)を超えており、お得な情報や人気商品が当たるプレゼントキャンペーンを毎日発信しています。

特にQoo10の数あるセールのなかでも、最も割引率が高い「メガ割」の期間では、Qoo10のロゴが入ったポップな専用ハッシュタグを用いてセールの拡散を促進しています。

実際にメガ割期間の直前には、一般ユーザーからインフルエンサーにいたるまで多くの人々が、「メガ割オススメ品」「メガ割で絶対購入するべきもの」などのタイトルを付けた投稿をしており、SNS上は“お祭り状態”といっていいほどの盛り上がりを見せています。

このQoo10の口コミ文化は、インフルエンサーやブロガーの囲い込みをせずにできた自然発生的なものであるため信頼性が高く、Z世代のQoo10ユーザーはSNS上の口コミを参考に商品を購入しています

これはあからさまなPRや広告を嫌い、リアルな口コミを重視するZ世代にマッチしたマーケティング施策だと感じました。

また、SNS上だけでなくQoo10のモバイルアプリでもレビューが促されており、購入した商品の写真付きレビューを載せるとアプリ内で使えるポイントをもらえるという仕組みになっています。

SNSでの口コミと、アプリでのレビューの2段構えでユーザーに「買う理由」を与える施策は今後のEC事業においても非常に参考になると思いました。

②圧倒的な低価格。海外発送なのに送料無料

Qoo10の強みといえば、なんといっても圧倒的な低価格。韓国や中国を中心としたコスメがプチプラで買えるところがZ世代の人気を誇る大きな理由です。

セール期間中は人気コスメが10〜20%オフで購入することができたり、トレンドのアパレルを安く購入することができます。トイレットペーパーや洗剤などの生活必需品も通常よりお得に買えるため、Qoo10のセール時にまとめて買い貯めておく若者も増えているのです。

そのうえ、海外通販でありがちな高額の送料はほとんど見受けられず、大半の商品は送料無料。送料がかかる商品でも数百円程度で、お財布へのダメージもそれほど大きくありません。

ただ、自宅に届くのが速いかと言われれば、実際は1〜2週間ほどかかる商品も多いというのが意外なポイントでした。Z世代は注文すれば次の日には届くのが当たり前の時代を生きているため、届くのが速いサービスが選ばれます。

しかし、Qoo10はその安さによって配送期間の長さをカバーすることができており、注文から到着まで時間がかかったとしてもユーザーが慣れてしまうのが現状だそうです。

若者は本当に欲しい物がお得に買えるなら多少の配送期間には不満を持たず、しかもすぐに慣れてしまうというのがおもしろい発見でした。

③トレンドをすばやく反映した、幅広い商品の取り扱い

次に注目したいのが、商品の取り扱い数です。Qoo10上には現在2万1400店が国内外から出店しており、登録商品数は12億アイテム以上。

商品カテゴリー別の取引件数では、女性を中心に人気の高い「ビューティ・コスメ」が全体の50%を超え、次に「レディースファッション」、「ホーム・生活」ジャンルの商品が多く購入されています。

おすすめに表示される商品はトレンドが反映された魅力的なものばかり。韓国を中心に国外でリリースされた商品や限定アイテムもいち早くQoo10で販売されるため、他のECモールとの差別化が図られており、トレンドに敏感なZ世代がこぞって購入するのも頷けます。

また、コスメやアパレルだけでなく「食品」も売上高を伸ばしており、5年間で約3倍の成長を遂げているというのが驚きです。実際に食品カテゴリを見てみると、安く大量買いできる果物や野菜などの生鮮食品、国外で人気のお菓子、冷凍の韓国食品などに多くのレビューがついています。

今後のECモール事業のおいてかかせない、トレンドをいち早くキャッチアップする力や売れそうな商品のピックアップするセンスは今後のEC事業の参考になるのではないかと思います。

④海外通販の不安感を「カスタマーサービス」でカバー

生まれたときからインターネットに触れ、オンラインの通販にも抵抗感が少ないZ世代ですが、海外通販でものを買ううえで「ちゃんと届くか心配」「商品がイメージと違ったらどうしよう」といった不安感は付き物

海外製品を数多く取り扱うQoo10での買い物も、心理的な障壁があるのではないかと思いましたが、その不安をうまくカバーしているのが充実したカスタマーサービスの存在です。

返品や払い戻しの手続きがわかりやすく、困ったことがあっても問い合わせればすぐに対応してくれるため安心感があります。また、販売者とユーザー間のトラブル解決もサポートし、販売者側に注意喚起をすることも。

ユーザーと販売者の双方のコミュニケーションを円滑にするため、韓国人や中国人のスタッフを配置するなどカスタマーサービスのさらなる充実を図っています。
ネット上でただお店を集めて商品を売るだけでなく、プラットフォームとしての役割を担うQoo10の姿勢がZ世代の人気を後押ししているのではないかと思います。

今後もQoo10の成長から目が離せない

Z世代を中心とした若者層を囲い込み、凄まじい勢いで成長しているQoo10。その成功の理由を分析しみると、Z世代が持つ「広告嫌い」や「トレンドへの感度の高さ」、「口コミ重視の購買行動」などの特徴をうまく押さえた戦略が練られていると感じました。

現在は韓国コスメやアパレルの通販サイトというイメージが強いQoo10ですが、今後Amazonや楽天のように生活の基盤となるサービスへと成長していくのではないでしょうか。

最近では日本の大手企業も続々とQoo10に出店しており、Z世代に向けた製品を打ち出しています。今後はQoo10もAmazonのようにプライベートブランドを展開したり、国内外の物流をさらに加速させる新たな仕組みを構築するのではないかと想像が膨らみます。

今後もZ世代の目線から、トレンド分析や今後の予測を行っていくので、ぜひnoteをチェックしてみてください!

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KENT/Z世代の企画屋
※このnoteは個人の見解です。

今瀧健登/ Imataki Kent
僕と私と株式会社 代表取締役 
ESGに特化したベンチャー投資「ICJ2号ファンド」顧問
日経COMEMO キーオピニオンリーダー

Z世代向けのマーケティング・企画UXを専門とする「僕と私と株式会社」代表。遊休不動産のESG経営プロジェクト「Section L Pop-up」や、カーボンニュートラル社会の実現に向けたプロジェクト「CQ」、北海道ニセコ倶知安観光協会などの企画・プロモーションに携わる。自治体・行政と協業してさまざまなESG/SDGsプロジェクトを推進するZ世代の企画屋。

日経COMEMOでZ目線でnoteを綴り、日経クロストレンドでは、
「Z世代マーケティング」の連載をもつZ世代の専門家。

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今瀧健登 / Z世代の企画屋

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