あなたはどの人?―過去を語る人・未来を語る人・現在を語る人
人は誰かと話をするとき、3人に分かれる
過去のことばかりを懐かしく語る人、この人は多い
未来のことばかり夢見て語る人、この人たちも多い
現在を語る人、この人たちは意外に少ない
人は過去を美化する
人は未来を夢見る
しかしライフは現在しかおこらない
企業経営者は未来を語りがち。これからよくなる、これからなんとかなると、未来ばかりを語る人が多い
それは、なぜ?
現場・現物・現実がぼろぼろで、現在から目を背ける。だから未来ばかり語る。しまいに現在が見えなく、分からなくなっていく
現在に過去から現在の変化の構造・導線が埋め込まれているのに、過去から現在の総括をしないから、それが見えない
未来の種は現在に埋め込まれているが、現在を直視しないので未来に向けた変化の構図が読めない。にもかかわらず日本人は
これからどうなるのか?
という話が好き
これから、どんな世の中になるのだろう?
これから、どんな技術が生まれてくるのだろう?
これから、どんな産業が繁栄するのだろう?
未来の予想の本は、よく売れる
未来の技術を語るセミナーには、人が集まる
大阪・関西万博のパビリオンの目玉だという技術には、金が集まる
そこで語られる未来は
そこでデモンストレーションされる未来は
実現するのだろうか?
未来に向けた技術開発の方向性は理解できても、そこには、なぜか
未来の暮らし、未来の日常
未来の幸福のイメージは感じられない
たとえば病気を征服できること
今より不合理や非効率がなくなることは
素晴らしいことだが
それで、今より幸せになる予感がしない
幸福とは何か?
この問いに答えられない者は、社会をリードしてはならない
衣食住が不足なく、自己肯定感を棄損されず
疲れず、病まず、求めるものはなんでも手に入り
自らは、人から求められたい
…そんな生命体は 存在するだろうか?
遺伝子は 競争のもとで保存される
競争が織り込まれないで
未来像は実現できない
現在は競争があるようで、ない
競争がないのではなく
競争を見ないことにして
競争から逃げている
というのが現代社会
未来技術は
格差を助長し、敵を排除し
有利有益の名のもとで、未来の幸福を暗くする
だから 中国やアジアに出し抜かれる日本の未来を真剣に語らない、仕方ない、これでいいんだ、と変に納得する
茹でガエル
企業のなかでも、競争がなくなっている
進歩がなくなっている
一流や名門と呼ばれる企業に勤めているといっても
誰からも 尊敬されない
企業人だから、 エリートで人格者
…なんて、 ちゃんちゃら可笑しい
大谷翔平選手、バスケットボール男子、ラグビーの活躍に酔いしれる。自らの奮闘努力、切磋琢磨、競争の代わりに、戦ってくれるスーパースターたちの活躍に酔いしれて、推しまくる
彼らに便乗する
スーパースターたちに同化する
しかし彼らは彼らであって
あなたではない
彼らの活躍を見ることで
元気や勇気は与えられるが
そこからは、自らの行動につながらない
未来は 迎えるのではなく
未来に 向かっていくもの
幸福は めざすものではなく
幸福は 果たして、感じるもの
結びに果たされるもの
結果論である
すべての主体、 ひと、まち、企業、組織の未来は
現在に潜んでいる
仏教は、極楽を説く
死ねば、幸福が待っていると
だから、現在の艱難辛苦を受け入れて
功徳を積み上げて、現在を尽くせ
生きている間には 幸福はない
感謝と幸福は違う
感謝を感じる晩年は
幸福の浄土に迎えられる予感がするから
日々を尽くす
どんな未来技術でさえ、必ずしもできることでなく、今でさえ、 誰にでもできることがある
今を尽くす
今の自らの衝動、ダイナミズム
今を尽くさぬものに、未来はない