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右と左が反転するー鏡のなかのあなたの本

「売れない、企画が通らない。手直しをしてください」と相談され、企業のお客さま向け提案書や企画書をみることが多い。しかし、こりゃあかんというモノが多い。なにが言いたいのか分からないモノは論外として、論点がないモノや構造化されていないモノやストーリーがないモノが多いが、それよりも根本的に提案書・企画が通らない「ノックアウトファクター」(それひとつで終わってしまう決定的不可能な要因)が存在している

お客さまを観ていない
自分しか見ていない

そんな提案書や企画書が多い。だから売れない、だから企画が通らない。生成AIでパワポが作成できるようになり、楽々とキレイなものをつくるができる。しかし生成AIは「ノックアウトファクター」をクリアして、どんどん売れて、企画が通るモノができるだろか?—できない


1 売れなかったのは、なぜ?

なぜ売れなかったのか?

立ち位置が違っていた

お客さまを見ていない、お客さまが見えていない
 
お客さまは、だれ?
そのお客さまがなにに困り、どうしたいと思っておられるのか?そのお客さまに、なにをどうしたら、課題が解決するのか?ご満足が得られるのか?それをどのようにしたら、お客さまに価値が届けることができるのだろうか?そのあとに、いちばん伝わる表現を考える
この順番なのに
 
逆をしていた。表現法から入る。テクニックから入る。なぜそうなったたのか?

本当のお客さまの気持ちを知ろうとしなかった
そうするのが面倒くさかった

コンテクストをつかもうとせず
コンテンツだけおしつけようとしていた

2  鏡のなかのあなたの本は、どっち?

実験をします。鏡の前にいって、立ってください。右手に本を持って、鏡の前に立ったとき、鏡のなかのあなたは本をどっちの手に持っていますか?

左手です

不思議です。鏡のなかのあなたがもっている本は、くるっと引っくり返っている。プラトン以来、世界の科学者は、この現象を解決できていない。いまも答えがでていない

鏡の中では、左右が反対に見えることを「鏡映反転」という

自分が右手に本を持っているが、鏡に映っている自分は左手に本を持っている—科学者が解明できない不可思議な原理だが、多くの人はそんなモノものだと何も感じない。現象と人の感じる物事が合っていない。どういうことか?

右と左という観念に
脳みそがついていかない

観念とは、物事に対する考えのことだが、あらゆる対象についての頭の中にもっている意識の内容。もともとは仏教のことばで、心静かに智慧によって一切を観察して思念すること

3 右と左は、思考用語

鏡の世界では、右と左がひっくり返る。左手に持っているものが右手に持っている。この現象を「鏡像」という。正面に光が入って、それを見ているから、科学的に間違いはない

右と左という観念が
整理できていない

右と左という言葉は、実は科学用語ではなく

人間の思考用語なのだ

実は、これは、とても深い話である
上と下、前と後の定義は容易だが、右と左は区分しているように見えて、不思議なことが起こる。つまり

人間の観念を決める
つまりリアルな世界での右と左が、鏡の世界では反対になる。リアルの世界で右手に持っているものが、鏡の世界では左になる。なにがいいたいのか?

世界が変わると
観念も変わるということ

人は世の中の物事をいろいろな言葉で区分する。美しいと美しくないとか、正しいと正しくないか区分するが、鏡像反転のように、世界が変わるとその観念は成り立たなくなる場合がある。そういう経験をするが

人は区分することで、安心する 

4 観念は混乱していく

古い・新しい
これも、人がつくった観念。世界が違ったら「古い・新しい」という区分は意味がなくなることがある

たとえば「この山は、地球の歴史からしたら、新しい時代にできたもの」と地質学者が言ったりする。「地質学的にはその山ができたのが5万年前なので新しい時代にできた」と専門家はいう。しかし普通の人の感覚からしたら、「どう考えても古い時代だろう」と思うが、地質学者はそうは考えない。これも

人の「古い・新しい」に対する観念が
混乱している証拠

「古い・新しい」は時間軸の前後の関係だが、その時間軸も4次元の世界に移動したら、「古い・新しい」の観念がどうなるかは分からない。人間の世界は3次元であり時間軸は一方向だから、「古い・新しい」の観念となる。しかしこれから人類が踏み込む4次元の世界では時間軸の軸が変わり、古い・新しいの観念だけではなく、同時にそれが共存することもある。しかし現在は3次元なので

まず区分をして、やがて常識となり
それが前提、先入観となる

5 区分する前に、実態を観る

このように前提や先入観に縛られているのは、現場・現物・現実を観て、事実をつかむ前に

先に区分けをするから

たとえばベンチャーと呼ばれて創業から50年経った会社を今もベンチャーと言ったりする。このような区分・観念の混乱が

社会・市場の実態把握を阻害して
先入観や固定観念が縛る

区分をつくって、そこに当てはめようとするから、そういうことが起こる。どうしたらいいのか?現象面で実態を把握して状況を見定めてから、線を決めないといけない。にもかかわらず先に区分する

順番が違う

こんなこともある。国際交流の言葉を50年以上も使っているが、実態に合っていない。その言葉が必要としない交流もおこっている。しかし国際交流協会という組織はいまだ存続している。そんな目的・役割が無くなった組織なのに、まだ補助金が注ぎ込まれている

ともすればいったん区分したら
社会が変わっても固定的にとらえる

だから機能不全を起こす。区分すべき事柄の実態をつかみ、新たに再定義して、新たな区分しないといけない。

人を、社会を見つづける

冒頭の提案書・企画書に話を戻す
売りたい、認めさせたいという自分・自社・自組織から見える風景から観るのではなく、お客さまから見える風景から観る。そしてお客さまはこんな人、あんな人と、固定的に先入観で捉えない。
お客さまの価値観は常に変わる。お客さまの現在を常に観つづけないと、お客さまの心に響かない

未来を展望するために、現在を観る

第2回特別セミナー「未来を展望して、未来を開拓する」


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