リスキリングには副業が効く ~人は時間があっても学ばない
こんにちは、電脳コラムニストの村上です。
ここ最近、「リスキリング」という言葉がすっかり定着してきたように感じます。背景には、東証のガバナンスコードに合わせるために人的資本情報開示をする企業も増えたこと、40-50代の社員がボリュームゾーンとなってきており、より企業が求めるスキルをどう開発するかが問われていることなどがあるでしょう。
私のコラムでも「中間管理職のリスキリングこそが一丁目一番地だ」と再三述べてきました。その理由は、人数的にもボリュームゾーンであり、すでに事業の中核を担っている人材であることから、比較的効果がすぐに見えて費用対効果を感じやすいこと。また、マネジメントスキルの向上はチームや組織全体に波及して効果が出るため会社全体を変革するくらいのパワーがあるからです。
一方で、スキルを身につけるだけでは効果が見えづらいというのも事実です。拙著『転職2.0』では自身への「タグ」をつけると表現しましたが、持っているスキルを実践を通じて証明され、それがわかりやすく人づてに流通することで市場に通用するものになるということです。
リスキリングというと「全く新しいスキルを身につける」と想像する方も多いと思います。もちろんそれも有効だとは思うのですが、特に40-50代に対するもので言えば「今あるスキルを研ぎなおし、市場で通じるレベルのものに磨き上げる」方が効果が高いでしょう。
人材マネジメントや事業運営といった会社に不可欠なスキルは、日進月歩です。アカデミックな分野でも最新の理論が出続けていますし、それを元にした実践事例もたくさん存在しています。これまでなんとなくやっていたことを、しっかりとした理論に基づく実践にアップデートするだけでも抜群の効果が出ると思います。
先の記事での副業推進によるリスキリングは、社内だけでなく社外にも実践の場を求めることで「市場に通じるポータブルスキル」にできる可能性があります。社内だけだとこれまで培った社内ネットワークや既存の仕組みに助けられてしまいますが、全く違う環境でも同じことが再現できるかは微妙かもしれません。そして、やる気の問題もあります。研修を受けて終わりではなく、市場レベルのスキルになる=今後のキャリアにもプラス、追加の報酬が得られるとなれば真剣に取り組む機会になるでしょう。
というのも、人はいくら時間に余裕があったところで、やる気がなければなにも学ばないということが明らかだからです。この件については3年以上前に書いたコラムですが、今なお読まれ続けている記事を再掲します。
学びを始めるのに年齢制限はありません。自分に合うきっかけを見つけたらそれを機会を捉え、前向きに自己をアップデートし続けていきたいと思います。
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タイトル画像提供:Turn.around.around / PIXTA(ピクスタ)
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