指紋鑑定から現代のセンシングテクノロジーまで、認識と理解の進化がどのように人類の行動や環境に影響を与えてきたかを検証。カンブリアナイトの復活を通じて、多様な意味世界が生まれる可能性を探ります。

指紋鑑定の歴史と国際的評価

過去から現代に至るまで、存在を認識し理解することが私たちの行動や周囲の環境に変化をもたらす原動力となっています。明治期の日本で発祥した指紋鑑定は、縄文人の指紋から独自の技術として発展し、国際的な評価を得ています。指紋鑑定は、個人の特徴を正確に把握し、捜査に活用することで犯罪解決に寄与してきました。

認識の進化と生命の多様性

カンブリアナイトというイベントは、カンブリア期の生命の多様性爆発を象徴し、サービスの多様性を追求しています。カンブリア紀において、動物が光を認知できるようになったことは、生命の多様性と進化の爆発的促進を意味しました。視覚を獲得した生物の捕食や逃走の行動が多様化し、進化の加速を促したとされています。光を認知できることで、周囲の状況が「みえる」ようになり、追い求める対象や逆に逃げるべき脅威が「わかる」ことで、適切な捕食行動や逃走行動が「できる」ようになりました。

センシングテクノロジーと社会変革の原動力

これを現代に置き換えると、センシングテクノロジーの発展が様々なデータの獲得と可視化を可能にし、社会変革の原動力となり得ると考えられます。データは、「みえる」分野で可視化され、提示されます。「わかる」分野で解釈や解析が行われ、情報化されることで、そこに活用価値が見出されます。そして、行動変化や価値創造につながる、多様なサービスが「できる」にようになります。

指紋という、縄文時代の遺跡にさえ残っている痕跡は、何千年もの間、そこに存在していました。指紋も、人の指先に、何千年もの間存在していました。それを「みえる」「わかる」ことで、誰かがそこにいたこをと特定する、という犯罪捜査ができるようになりました。

意味空間の探求とカンブリアナイトの復活

「みえる」前から、その対象は、そこに存在しています。私たちは、濃密な意味空間の中に生活しながら、その意味を読み解くことができないままなのかもしれません。さまざまな立脚点から世界を眺めることで、多様な意味の読み解き方が生まれ、豊かな意味世界が立ち現れてきます。

感染症対策も落ち着き、そろそろカンブリアナイト復活を、というお声を各方面からたくさんいただくようになりました。多様な「みえる」「わかる」「できる」との出会いの場を、再びご一緒できる機会を楽しみにしています。