褒めないでください!
こんにちは、ナラティブベースのハルです。突然ですが、わたし、褒められるのがとても苦手なんです!よく人の育成や子育てについて「褒められて伸びるタイプ」とか「褒めて伸ばす」とかいう言葉を聞いてきました。その度に「褒めること」を意識的にチャレンジしてみたのですが、なんともわざとらしーい感じになってしまいます。そもそも自分が「褒められて伸びるタイプ」つまり「褒められてモチベーションがあがるタイプ」ではないので、しっくりくるやり方がわかりません。
今回は、そんな不器用なわたしの視点から、日経COMEMOで募集中のテーマ「#褒められてうれしかったこと」について書きます。褒められてうれしくない立場だからこそ言える「褒め言葉」ってこうアップデートしたらいいのでは?というご提案です!ぜひ、ヒントにしてみてください^^
「褒めても伸びない」人物像
まず、そもそもなぜ「褒められるのが苦手」なのか?なぜ「褒められてもモチベーションがあがらない」のか?自分自身の過去の経験を振り返ってみたいと思います。
幼い頃から、両親や先生に褒められると「それをやめてしまう」という特性がありました(笑)。本当にひねくれていると思いますが、褒められると「あ、こんなものでいいんだ」と思ってしまうというか、、、急に何かに到達して面白く無くなってしまう感覚がして、努力を止めてしまうのです。もともと自分の理想とする状況が異様に高くてそこに向かって集中している状態なので、「あれ?え?そこまで求められてない?」っと目が覚めてしまうような感覚。
褒めても伸びない人の特徴(その1)
誰にいわれなくても、異様に目標が高い⤴︎
次に、特に社会人になってから感じましたが、上下関係が苦手…。大きな声では言えませんが、たとえ上司であっても「よくやった」的なことを言われると、「あなたのためにやってません」的な感情を持ってしまう生意気な部下でした…。もちろん労いや感謝も込めて言ってくださっているとは思いつつ、なんだか下に見られているというか、上はこっちだぞと言われてる感じを必要以上に敏感に感じとり、上がっていたテンションは逆に下がる始末。(本当にごめんなさい。自意識過剰なめんどくさい部下でした (>_<))
褒めても伸びない人の特徴(その2)
上下関係に、不必要なほどに敏感 (>_<)
そして、これらの理由で「褒められる」ことが苦手ゆえに、褒められると一瞬フリーズし、それをうまく返せません(笑)そのため、人と「褒め合う」シーンが異様に苦手です。女子の褒めあい集団とか、ママ友同士で褒め合うシーンもマジでダメでした。息ができなくなります。このような苦手意識が「褒められる」「褒める」両方をより不得意にしていったような…気がします。(遠い目で振り返る)基本ひとりでいるのが好きです。
褒めても伸びない人の特徴(その3)
なんやかんやで、ひとりが好き❤︎
こう書き出してみると、恥ずかしいですね。や、でもこの手のタイプの人は結構いるのではないかと思います。も、もちろんちょっとデフォルメして書いていますよ!わたしも一生懸命世の中に適応して生きていますので。
でも、言いたいのは誰でも褒めればいいということではなく、相手を見極めた方がよいということです。この手のタイプの人は、褒めても伸びないどころかそこまでご機嫌に行っていた努力を止めてしまったり、「よく褒める人」から距離をおく可能性がありますのでご注意をw
「褒め言葉」が孕むニュアンス
さて、ここまでは笑い話で読んでいただければと思うのですが、ここから言いっ放しにせず、ちょっと考察していきたいと思います。
書き出してみながら内省していたのですが、わたしが敏感に感じとっているのは、(1)(2)では「褒め言葉」が孕んでいる「評価」のニュアンスなんですね。そして、(3)では「社交辞令」のニュアンス、つまりあまり本気で思っていないのに相手に合わせて、もしくは気分をよくするために言ってるなという雰囲気。
例え褒める側がそんなふうに意図していなくて、本心からの勇気付けのためであったり、好意で言ってくれていたとしても、言い方によっては、上下関係の強調のように受け取られてしまったり、「本気で思ってないのに」と表面的な印象を受けてしまったり、してしまうかもしれません。
相手を尊重する「フラットな褒め言葉」
じゃあ、何がうれしいの?どう言ったらいいの?って話なのですが、まず「評価」のニュアンスを含みづらいフラットな褒め言葉の表現を、褒められるのが苦手なわたしが「どう言われたモチベーションが上がるのか」、言われてうれしい言葉から考えてみました。
▲あるある(>_<)上下関係を感じやすい「評価の褒め言葉」
「すごいね」「えらいね」「よくやった」など、
相手の行為を喜んでいるように聞こえがちな言葉
↓
◎新提案!上下関係を感じにくい「フラットな褒め言葉」
「面白い!」「自分の発想にはなかった!」「君がいたから助かった!」など、
相手の存在に関心を寄せていることが伝わる言葉
◎更新提案!「フラットな褒め言葉」に挙げた言葉は、比較的上下関係よりも、自分自身に興味をもってくれているんだなという関心や、自分が役に立ったんだなという貢献が感じられる言葉です。こう言った表現は、褒める側の評価(価値観)に引き寄せられる感じがせず、逆に自分の価値観に関心を寄せ認めてくれている、自分が尊重されているフラットな印象を感じさせてくれます。
伝える前のひと手間「深堀りした褒め言葉」
次に「社交辞令」に聞こえない「深掘りした褒め言葉」について触れたいと思います。これは実は自社ナラティブベースが行なっているコミュニケーション習慣の一つなのですが、『ありがとうの深堀』と呼んでいます。
リモートでテキストコミュニケーションが中心になると、どうしても表情やニュアンスを添えた「ありがとう」が伝わりづらくなります。相手をねぎらったり、感謝したり、褒めたりといった大切なコミュニケーションが、テキストだけだと表面的な社交辞令にも聞こえがち。そこで取り入れているのが、「ありがとう」を言う前に「これは何のありがとうだっけ?」という深掘りをして「そうだそうだ、こういう理由のありがとうだ!」と思いついた理由を書き添えるという習慣です。このメッセージを送る前のひと手間で、ぐっとその意図が伝わりやすくなり、なんとなく書いた言葉ではなくよく考え気持ちを込めた言葉なのだということが伝わるようになります。
褒めるときも一緒で、単純に「すごいね」という前に、どうしてそう思ったのか?その理由を一瞬考えて言い添えてみてください。相手を思いやる気持ちが自然な形でぐっと伝わる言葉になるはずです。
↓ちなみに、ナラティブべースでは自社カルチャーを「ルールではなくヒント」というコンセプトで19のパターンランゲージにまとめています。
提案!「褒め言葉」を相互理解型に
さて、わたしの褒められ下手、褒め下手のお話から「褒め言葉」のアップデートについてまで、書きながら思考を展開してみました。わたし自身もよい内省となり、「褒めることも解釈を変えていけばハードルが低くなるぞ!」と、ちょっとすっきりした気分です。
元々のこのテーマの記事募集の意図するところは「相互理解」を深め、働きがいを高めるということでしたので、ここに書いた2つの「フラット」と「深掘り」の提案はまさに、相互理解を促進する褒め言葉の更新を提案するものになった?!のではないでしょうか。(自画自賛かな〜;)
最後までお読みいただき、ありがとうございました!