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結婚は金がなくてもできるが、分別あると結婚できないよ

「金がないから結婚できない」。

そういう声をよく聞きます。

以前、こちら日経COMEMOの記事でも年収400万円以上の未婚男性は3割もいないという話をしました。厳密に言えば28%しかいません。

https://comemo.nikkei.com/n/n7477e85cddd4

この記事に対する反応の大部分がこうでした。

「嘘でしょ?そんなに少ないわけない」

国の統計である就業構造基本調査を元にしているので、もちろん嘘でも間違いでもないのですが、日本の未婚男の年収状況なんてそんなものなんです。

もちろん、この28%という数字は、あくまで全国平均ですので、地方差はあります。東京では400万以上の比率は約4割に上昇しますし、逆に、沖縄では1割にも満たない状況です。

全国一律で400万円といっても東京と沖縄とでは随分違います。

そこで、今回は、アラサー男性に限定して「結婚できる/できない」について、エリアによる年収格差を深堀りした記事を東洋経済オンライン連載「ソロモンの時代」に書きました。年収格差の都道府県ランキングを掲載しています。

当然予想通りの部分もありますが、「そうきたか! 」というオチも用意してあるので、ぜひご一読ください。


そして、ここからは、ぜひ上記東洋経済の記事をご覧の上で進んでいただきたいのですが、「金がないから結婚できない」という声とは裏腹に、金がなくても結婚しているエリアはしているという差があります。結婚の年収格差というより、エリア格差です。

そして、そのエリア格差との相関が大きいのが妻年上婚の多さでした。つまり、「姉さん女房婚」が多いエリアほど、年収の多寡に関係なく男が結婚しているということです。

毎度たくさんのコメントいただきますが、こんなコメントを頂戴しました。

なぜ「年上女房」だと結婚できるのかについてもっと考察が欲しかった。
しかも減りつつあるとはいえ男尊女卑の傾向が強い九州がトップというのも理由が知りたい。
「男性の年収が低くても女性側が何とかするという覚悟をしているのか」
「逆に、年収が低い男性が年下志向を捨てて年上になびいたのか」
「平均寿命が女性の方が数年長いので、年上でつり合いが取れるからか」
いずれにせよ、本人同士が納得して結婚するのであれば好ましいこと。
男性が「年下」にこだわることがなくなれば、未婚率も下落するかもしれない。

「年上女房だと結婚できる」というということではなく、年上の妻との結婚数は、日本史上最大の婚姻数をたたきだした1970年代前半とほぼ数としてはそれほど変わっていないのです(1970年8万1千組→2015年9万2千組)。

これは何度も言っていることですが、婚姻数が激減したのは夫年上婚の減少によるものです。同じく1975年と2015年の夫年上婚を比較すると、62万組か21万組へと約41万組も減っています。この40万組の婚姻数の減少こそが全体の婚姻数の減少とほぼ一致します。

なので今後「妻年上婚を増やせば婚姻数が増える」とはとても言えません。むしろ、現状でも妻年上婚はマックスの状態でしょう。そして、その妻年上婚を支えていたのが九州地区だったということが今回判明したわけです。

勘違いしないでほしいのは、今回アラサー男性を対象としているからといって、妻年上婚ということはアラサー以上の女性と結婚しているということではありません。就業構造基本調査では、現在の配偶関係がわかるだけであり、その人たちが何歳で結婚したかまではわかりません。

ただ、年収200万円台で結婚している層も九州地方が多いことを考えると、10代や20代の若いうちに結婚した人たちも多いのでは?と推測できます。

ひとつ考えられるのが、ヤンキー婚でしょう。もっというならヤンキーのでき婚です。年収があるかないかどうかは関係なく、子どもができてしまったので問答無用の否応なく結婚した夫婦も多いのではないでしょうか。

年収の多寡に関係なく結婚している人たちが、お金のことを軽んじているわけではなく、そんなことを考える余地のない状態だったのかもしれません。


樹木希林さんが結婚に関して、こんな名言を残してらっしゃいます。

結婚なんてのは若いうちにしなきゃダメなの。物事の分別がついたらできないんだから。

物事の分別がつくということは、結婚を経済生活と考えることだし、将来子どものことを考えたら蓄えがどれくらい必要かを試算することだし、だとすれば結婚する相手の年収にはこだわりを見せるということでもあります。

分別つくまで晩婚化したら、そりゃあ結婚しないのですよ。


婚姻数を増やしたいなら、姉さん女房婚を増やすために年長の女子が頑張ればいいということてばありません。これ以上妻年上婚は増えないでしょう。

結論から言えば、40万組も激減した夫年上婚が増えないとどうにもならないわけです。そして、この夫年上婚がなぜ減ったかといえば、お見合いと職場結婚の減った数とも一致します。要するに、お膳立て婚が減ったから結婚が減ったにすぎない。

かといって、かつてのお見合いが復活することはあり得ないです。要するに、何をどうやったところで婚姻数が増える見込みはないのです。

相変わらず記事に対してヤフコメの方では、「金がないから結婚できない訳ではない。こんな下らない泣き言を云う性格に魅力がないだけだ」とか「こんな下らない泣き言を云う性格に魅力がないだけだ」とか、デフォルトのいつものやつがたくさん来ますが、「金ないから結婚できない」という言い訳ぐらい言わせてあげたっていいじゃんと思います。

僕の持論は、結婚は気合や個人の意思によってなんとかなるものじゃないので。勿論、それでなんとかなる人はいますが、それが僕の言う恋愛強者で、たった3割しかいないわけですから。

給料や景気やセクハラとか言われない職場環境や、そういうお膳立てが揃っていなければ、男が独力で結婚なんかできるわけないんです。そして、そもそもしたいとも思わなくなるのです。

そんなヤフコメの中にも名言めいたものがあったので紹介しますw

結婚だけが人生ではありません。
お金は「絶対に」必要です。
でも。
結婚は、絶対に必要なことではありません。

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荒川和久@「結婚滅亡」著者

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それ、幻想かもよ!

本当の自分とか幸せとか、そういうのって全部幻想かもしれないよ。
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コメント1件

希林さんがセレブ独身俳優とブランド2代目に「分別ついたら・・・」を言い放った時は、衝撃でした。この時私は40代で、「いかにも!」と。人生100年と言われている昨今。金銭の多少は、人生の中で何が起こるかわからないので予測できません。周りの環境から学んだのは、老い始めた時点から予測できなかったことが起きます。結婚の良し悪し・するしないより、人生の中心に結婚があるなら、若いうちにです。若いうちの結婚は、二人で方向転換が何度でもきく。老いての結婚も、方向転換に限りがありますがお互いの余裕で「相手を許せる」。若い頃と比べると制限がありますがね。
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