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もうインフルエンサーの「#PR」は商品購入に繋がらない。ナノインフルエンサーから紐解くこれからのSNSマーケティング

・「タレント」と「インフルエンサー」の影響力にほとんど差はない。
・インフルエンサーの中でもフォロワー数の少ない「ナノインフルエンサー」が力を強めている。

ステルスマーケティングや「#PR」嫌いの傾向が若者の間で広まるなか、先日僕と私と株式会社が行った調査で、このような結果が出てきました。

今や街中で見ない日はない、SNS上を起点に活動するインフルエンサーを起用したマーケティング。今後のインフルエンサーマーケティングはどうなるのか、考えてみました。

「どうせPRでしょ?」商品への購入に繋がらないインフルエンサーマーケティング

僕はこれからの時代、インフルエンサーマーケティングの形は大きく変化していくと考えています。認知拡大をする点では活用できるものの、購買を促す点においては意味を為さなくなる可能性があるからです。

情報感度が高い若者は、インフルエンサーマーケティングのやり方や芸能人の炎上にも非常に敏感なため、その人の人柄や投稿内容がマッチしていない場合、すぐに違和感に気がつきます。

消費者にしてみれば、インフルエンサーやタレントが依頼を受けて紹介した商品やサービスはフォロワーファーストではなく、「自分たちが求めているリアルな声ではない可能性が高い」と「#PR」がついた投稿やタイアップを嫌悪する傾向があるのです。

▼ステルスマーケティングについては日々規制が厳しくなり、企業側も頭を悩ませています

ステルスマーケティングは犯罪です。しかしステルスマーケティングを避け、正当に商品を紹介してもらうと、消費者から嫌がられてしまう。

つまり今後は、企業がインフルエンサーにお金を支払ってPR投稿をしてもらう価値がなくなってくる可能性があります。少なくとも、今の「企業がインフルエンサーにPRを依頼する」形のマーケティングは価値がなくなるだろうと考えています。

信頼できるのは、有名インフルエンサーよりもフォロワー数の少ない“身近な人”

では、今後のインフルエンサーマーケティングはどうなっていくのでしょうか。

僕と私と株式会社では、全国のZ世代とミレニアル世代各360人を対象としたSNSにおけるタレントやインフルエンサーの影響度に関する意識調査を実施しました。

そこで出てきた気になるキーワードとして「ナノインフルエンサー」の存在が挙げられます。

というのも、購入に至った商品を紹介していたインフルエンサーの「フォロワー数」を聞いたところ、一番多かったのはフォロワー数1万人未満のナノインフルエンサーたちに影響を受けているという声でした。

若者は特定の分野に特化して情報を発信しているインフルエンサーや、お金をもらわずに正直なレビューを行っている一般人など、「より信頼できる情報を発信している人たち」の意見を参考に商品を購入しているのです。

ちなみに調査からは、Z世代・ミレニアル世代問わず、タレントとインフルエンサーの影響力にほとんど差はないということもわかっています。

おそらく若者は、「タレントとインフルエンサーのどちらを信頼するか」ではなく「より信頼できることを言っているのは誰か」を基準に、情報を得る相手を決めているのでしょう。

僕はよく「友だちマーケティング」という言葉で表現していますが、究極的には情報通で趣味嗜好の合う友だちからおすすめされた商品が、もっとも信頼できるものであり、購入に繋がりやすいのです。

ナノインフルエンサーが増え、企業にインフルエンサーがアタックする時代に

このことから僕は、これからの時代「インフルエンサーが企業側にPRを依頼する」ことがスタンダードになると考えています。

インフルエンサーが自分で購入し、発信したいと思った商品を、メーカーに問い合わせてPRするのです。

お金をもらって商品を紹介するという意味では同じですが、「もともとファンだった商品を紹介している」のと、「企業から営業を受けて、試した結果ファンになった」、もしくは「ファンではないけれど、お金をもらっているから良さを述べる」では、口コミの信頼度がまったく異なります。

それに、インフルエンサーはこれからも増え続け、「ナノインフルエンサー」が活躍する時代がくると考えています。ナノインフルエンサーはフォロワー数も少ないため、企業が探すのは非常に難易度が高いのです。

インフルエンサーからの「紹介したい!」という依頼に対して、企業が商品の詳細を渡し、より詳細で正確な情報を発信してもらう。

そのために企業は、「インフルエンサーが紹介したくなるような商品」すなわち、クオリティの高い商品やニッチな層に刺さる商品をつくるような時代がくるのかもしれません。

ちなみに、ナノインフルエンサーが増えると考えているのは「一人ひとりの個性が異なり、それに共感するファンが集まるから」影響力があり、ニッチであればあるほど絶対的な信頼を寄せるファンが現れるからです。

これからはインフルエンサーの役割が細分化され、ファンも細分化していくことでしょう。

今活躍するインフルエンサーは今後どのような役割を果たすのか?
企業の取り組みにインフルエンサーを巻き込むマーケティングは、どのように移り変わるのか?

今後のインフルエンサーマーケティングの行方に、僕もアンテナを張っています。

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このnoteでは、Z世代経営者の僕がZ世代の最新事情やZ世代のマーケティング会社「僕と私と株式会社」を経営するなかで感じたこと、ビジネスハックなどを発信しています。

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最後まで読んでくださり、ありがとうございました。他にもこんな記事を書いているので、ご覧いただけたら嬉しいです!

※このnoteは個人の見解です。

今瀧健登について

今瀧健登 / Imataki Kent(Twitter:@k_hanarida
僕と私と株式会社 代表取締役 
日経COMEMO キーオピニオンリーダー
一般社団法人Z世代 代表

SNSネイティブ世代(Z世代)への企画・デジタルマーケティングを専門とするZ世代の企画屋。ハッピーな共感をフックに購買行動に繋げる「エモマーケティング」を提唱し、さまざまな企業・行政とタッグを組んでワンストップ・プロモーションを展開する。

プロデュースしたアカウントやサービスは多くのZ世代の支持を集めている。「NewsPicks」や「日経クロストレンド」など、個人としても多数のメディアに出演。著書に『エモ消費』『Z世代マーケティング見るだけノート』など。

日経COMEMOではZ目線でnoteを綴り、日経クロストレンドでは、「今瀧健登のZ世代マーケティング」を連載中。

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今瀧健登 / Z世代の企画屋
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