「う~ん」とか「おー」って何?
昨日は2月末からスタートしたイタリア企業内向け日本文化コースの4回目でした。
1回目のことはここで書き、3回目を終えたあとは、日本の人がハイコンテクスト文化ゆえに時間を無制限に使いやすいことを指摘したコラムを書いています。
さて昨日、数人のイタリア人から質問を受けました。日本の人の「う~ん」と「おー」は何を意味するのか、と。
「う~ん」はぼく自身も使うし、今までも何度か受けたことがある質問です。答えにくい、それも回答にバリエーションがあって答えにくいよりも、ネガティブなフィードバックをはっきりとあまりしたくない。そんな時に唸るように「う~ん」が出るのですね。
また「おー」は、感心した際に使ったりしますので、これはポジティブな反応なはずですが、日本の人は「おー」と言ったまま、その後に説明をしないから、受け手は何を言われているのか分からずに不愉快だと言うのです。
特に、昨日の1人の質問者は、「これが現在我が社が進めている製品の試作品です」と見せたら、3人の相手が揃いもそろって「う~ん」とか「おー」だけで言葉のコメントを残さなかったので、その後、社内の人間が「おーの意味は何なのか? あれは音程によって意味が違うのか?」と討議したそうです。
「う~ん」や「おー」と発した人、相当に罪づくりです。
これらの音自体が悪いのではなく、その意味を説明しないのが罪づくりなのです。どこかの居酒屋で酒に酔って「う~ん」とか「おー」と発声しているならどうでもいいですが、ビジネスの場でそれだけで終わることが珍しくないとするなら、何のつもりでそこにいるのか、ということになります。
否定的なフィードバックをその場で濁したままにしておき、後あとに大きな亀裂となって浮上することはままあるし、肯定的なあるいはニュートラルな反応ならば、それを説明しないと、受け手は皮肉なのかとも類推します。
これを癖だと自覚しているならば、それが出てきたときは、言葉で説明を追加する習慣をつけることをお勧めします。
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