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日本からアジアへIP展開しよう【東南アジア編】

Mintoの水野です。SNS・Web3領域で漫画・アニメ・キャラクターなどをクリエイターと共に創っています。

前回の東アジア編に引き続き、今回は、漫画・アニメ・キャラクター等など日本発のIP事業を成長著しい東南アジア市場に展開していく時に必要なパートナーを紹介しつつ、僕の経験も織り交ぜて、市場感をまとめてます。

さらに深くIPやライセンスに興味を持った方は、ぜひ、ライセンシングインターナショナル(水野が理事も務めています)や、キャラクターブランド・ライセンス協会などを定期的にチェックしてみてください!

それでは、東南アジア各国にどのようなIPライセンスパートナーがいるのか挙げていきましょう。

タイ

東南アジアの中でも、古くから日本の漫画・アニメ・キャラなどの文化や飲食店が国民レベルで広く普及している国はタイです。
日本を代表するアニメ/コミック/ゲームの販売チェーン店のアニメイトも、中国・韓国・台湾など東アジアでは10店舗ほど展開をしていますが、東南アジアでの展開は、タイの2店舗のみです。東南アジアで、まず取り組むならタイが第一選択肢ということが言えると思います。

タイには、IP・ライセンスエージェントも、既に多数存在しますが、香港に本社があり、ドラえもんなどのIPをライセンスするAnimation International(Thailand)や、USのIP(WARNER BROS、Universalなど)に強い、シンガポールベースのPacific Licensing Studioなどに加えて、タイローカルのエージェントも歴史があります。

Pacific Licensing Studio

ローカルエージェントで、古くから日本のIPを扱うのがDEX(Dream Express)社。BANDAI NAMCOグループ、東映アニメーション、ANIPLEX等と連携してIP・ライセンスを提供しています。

ワンピースの商品化等は、タイでも大きな成功事例に

もう1社、ローカルエージェントとしては、1997年からTIGA社が、エヴァンゲリオンや、名探偵コナンなどをタイ市場で展開しています。

また、T.A.C.C社は、主にSan-X社のリラックマ、すみっコぐらしなどのIP・ライセンスを展開するエージェントです。日本の国際的なエージェントのIngram社と提携してライセンスを提供しているとHPにも明記されています。漫画・アニメだけでなく、ファンシーキャラクターの需要度が高いのもタイ市場の特徴と言えると思います。

弊社(Minto社)もタイ市場では、自社及びSNSクリエイターのIPのライセンスをメインで展開しています。自社のスタンプがタイだけでも1億ダウンロードを超え、その認知をベースにこの5年程で、グッズライセンスや企業への実績を積み重ねてきました。昨年から自社以外のIPの取扱数を増加しています。

Minto Thailandは、SNSに強いIPエージェントとして東南アジア唯一の存在

タイは、漫画・アニメ・SNS発まで日本発のIPはかなり幅広く受け入れられる土壌があります。それに加えて、近年、公式グッズや正式なライセンス商品化市場がビジネスとして立ち上がってきた感はあるので楽しみですね。

ベトナム

東南アジアの中でも成長率が著しいベトナムは、IP・ライセンスビジネスについては、まだまだ、これからの市場ですが、その中で、日本人起業家の宮本さんが設立したTagger社は市場を切り開いている存在です。ドラえもん、ワンピース、ドラゴンボール、名探偵コナン、クレヨンしんちゃん等のIPを扱っていて映画配給から商品化まで幅広く事業展開しています。

ベトナムでの日本IP展開といえばTAGGER

ベトナムでは、直近で2023年2月にも、ホーチミンでMANGA Festival(Japan Vietnam Festival内)が行われており、今年も漫画・アニメ系のイベントがいくつか催される予定ですので、これから東南アジア展開するIPホルダーにとっては要チェックの国だと思います。

ベトナムについても、Minto社は支社がありますので、ベトナム展開にご興味のある方はこちらもお声がけください!

シンガポール

シンガポールは人口600万人ほどで、商品化してグッズを販売して収益を上げる国としては、難しい市場です。一方で金融都市、国際都市、治安の良さ、税制面での優遇など、欧米諸国の企業が東南アジアで拠点を作るなら、まず、シンガポールを選択するケースは多いです。

IP・ライセンスに関しても、HQや支店をシンガポールにおいて、市場としては東南アジア全般をターゲットにしている企業が多い印象です。

例えば、2020年には東南アジアでキャラ展開する為にサンリオとエイベックス社が合弁会社を作ることが発表されています。今後日本企業がシンガポールにHQをおいて東南アジア展開というのも増えそうです。

また、前回の東アジア編でも触れましたが、アジア最大のIPエージェントのメディアリンク社は、IPO後、シンガポールを軸にマレーシア/インドネシア展開を活発化しています。タイで前述した、Pacific Licensing Studioはシンガポールベースの企業ですし、T.A.C.C社もシンガポールやマレーシアへ事業を展開しています。

マレーシア

シンガポールベースのエージェントが、カバーすることが多いマレーシアですが、政府の支援を受けて、ローカル・アニメスタジオが増えているのと、アニメスタジオがIPのライセンスも行っていることが多い印象です。Animasia社Monsta社と2社を紹介します。

Animasia社
Monsta社

日本からはOLM社もOLM Asiaを設立してアニメスタジオを展開していますね。

インドネシア

インドネシアは、東南アジアの中では、人口も多く(2億人超)、非常に大きい市場ではあるのですが、まだまだ、漫画・アニメ・キャラクターのIP・ライセンスという観点では、ビジネスを作り出すのが難しい市場です。

マレーシアと同様にインドネシアもイスラム教で表現の規制に制約があり、例えば、我々もLINEスタンプなどに関しても、インドネシアだけコンテンツをリリースできないケースに直面したことがあります。

一方で、日本のアニメを軸にしたイベントは既に大規模なものから同人系までたくさん行われています。例えば、直近(2023年2月)のコスプレイベントはこちら↓

また、VTuberの人気も高く、ホロライブインドネシアの活動は直近でも活発ですし、

インドネシア発のVTuber事務所「MAHA5(マハ・パンチャ)JAPAN」などもあります。

インドネシア市場は東南アジア市場では、最終的に一番大きな市場になる可能性が高く、参入するタイミングとパートナー選びが重要になってくる気がしています。

そのほか

その他フィリピン、カンボジア、ミャンマーなどは今回触れることができませんでしたが、それぞれの国で、それぞれの形で、日本の漫画・アニメ・キャラクター文化は浸透しています。

僕自身、記事にまとめてみて、改めて、日本の漫画・アニメ・キャラクターがグローバルに出ていくには、まず東アジア、東南アジアだな、と再度確信しました。

日本の大手出版社から、SNSクリエイターまで、ここからの5-10年間はいよいよ、海外へ自ら進出していく時代になると思います、めっちゃ楽しみですね!

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