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会社辞めました投稿の、補足とその後。

前回の記事が、思いかけず多くの方に読んでいただき(私史上)

うれしいやら戸惑うやらビビるやら…。他の投稿をチラ見していただくと分かりますが、キャンプ場で盛大にこけたとか、疲れてデパートで贅沢した話だとか生活のごった煮系なんで、生あたたかく見守っていただければ嬉しいです。

でもやっぱりうれしかったです。
自分一人で悩んで吠えているだけの気がしてたのですが、同じようにケアと仕事で試行錯誤されている方、思うところある方、多くいらっしゃるのだなと勇気づけられ、最高のお餞別をいただいた気がしてます。

なので今回は、前回の投稿に少し補足したほうがよさそうと感じたことや、その後考えたことを書きたいなと思います。


辞めたのは私の意志

もしも「女性活躍の会社でも両立がダメだったなんて…」と読んで震えた方がいらっしゃったらと思ったのですが、
退職を決めたのは自分の意志で、次のステージに行きたいと思ったからです。今も化粧品や広告コミュニケーションの仕事は好きだし続けたい。もしかしたら古巣とお仕事させていただく機会も今後あるかもしれない。でもそれ以外を語る、言葉の世界にも住んでみたいと思ったから。価値観が前と変わってきたからです。

じゃあどうすればよかった?と聞かれたら

「でも会社も仕事も嫌じゃないなら、何かできる手立てはなかったの?何があったら辞めないで済んだの?今後同じような人も出てくると思うから」と聞かれてもないのですが、勝手に人事部を憑依させてずっと考えてみてるんです。

でも明快な答えは出なかった。一人ひとり事情は様々と思うから。
だから「働き方の多様性を用意する」というのが正解の基本形なのだろうなと思う。

しかしそれはすごーく会社の負担が増えるだろうとも想像する。
仕事の適切な振り分け方は?評価はどうする?中長期的なキャリアプランも働き方の数だけ必要。そもそも働き方がバラバラで仕事が回るのか?

また雇用や給与体系が様々で、社員の気持ちは一体化できるのだろうか?新卒採用で、皆一緒に同じ時を定年まで過ごすからこその一体感も確かにあるだろうな、と昭和~令和までかじったわたくしとしては思ったりもする。
毎日出社でないことでの情報不全や疎外感の話も聞いたりする。

私が答えがほしい、ふたつの問い

誰がケアを代わりに担うのか?

ただ私個人として、働く上でどうすればいいのか?ずっと答えがほしい2つの問いがある。
まず「誰が代わりにケアを担うのか」ということ。
女性活躍とかキャリアアップの話を聞くたびに「仕事を頑張るつもりはありますよ。でもじゃあ誰が夜7時に子どもに夕飯を食べさせてあげるの?代わってくれます??」といっつも思うのだ。
象徴的に「子どもの夕飯」で例を出してみたが、育児介護その他、誰がそのケア労働を私の代わりに担ってくれるのか?という話である。

それを「家庭のケアは個人的な事情だから個人で解決すべきである」という自己責任論調だと、じゃあ私が会社辞めますとなってしまう。
それに対し今まで制度は、「母親(女性)」がケアと仕事を両立できるように環境を整えようとしてきたけど、でも私からすると本当にそのケアはすべて母親・女性がやるべきなのか?と思う。

根拠のない慣例や思い込みで縛られず、本当に母親・家族がすべき役割、ほかの誰か企業でも国でも仕組みでも置換できる役割とでケアを振り分け、検証し議論する。そういうことに沢山の知が使われてほしいし私も考えたい。
例えば未だに語られる「3歳児神話」の研究。最新の2024年と2017年の記事を両方おく。古い2017年のほうも一理あるし、24年のほうも神話に根拠なしとするが「家庭の子育ては不要」と誤読しないように注意なのだ。常に学び考え、アップデートする必要がある。

世の中ではこんなアップデートも。「母親が手作りすべし」な家庭料理の世界に、新しい形が生まれたりしているのもよいなと思う。

働き方の多様性のトライも。
すでに多く語られ始めているが、やはり父親側の働き方にどこまで切り込んでいけるかだと思う。
ただ子育て世代だけ贔屓して欲しい訳でなくて、全員が自分らしく働いていける世界が欲しいのだ。

冒頭に書いた、働き方の多様性がもたらす会社側の負担が大きいと思うのですぐ順調にはいかないかもしれない。でも動かないと始まらない。

無理して頑張った仕事だけが褒められる?

もうひとつ答えがほしいのは、評価されるのが「突然の依頼なのに、超特急で土日深夜返上で仕上げて、いい成果が出た仕事」ということだ。そういう世界は変わらないのだろうか?何度も話している「どん欲な仕事」問題なのだけど。

何を今さらだが、無理して頑張った仕事ほど褒められるし報酬が高い。
でも無理ができない人はたちまち困る
放っておけないケア労働があり、夜も休日も仕事に費やせない人もいるのだ。

一方無理した仕事が評価されないのも困る。
だって大変だったし、その分の報酬も貰いたい。
突然でも何でも、仕事が目の前にある以上誰かがさばかないといけない。  

ただとにかく今の社会は無理できる人しか生き残れない。
でも本当はチームに無理のないように先方と調整交渉できる人、無理の火種を危険予測して火消しできる人、勤務時間内で仕事を収めた人ほど真のMVPでは?といつも思ってしまうのだが…ずっと答えが出ない。色んな問題が複雑に絡み合ってるから。

でも一歩一歩。私にできることをしたいと思う。
辞めてみて改めて見えた景色もたくさんあって。
そんな話をちょっとずつできればと。
今年もありがとうございました。また来年来月。












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近森 未来( コピーライター)
ここまで読んでいただきありがとうございます。 読んで、少し心がゆるんだり、逆にドキッとしたり、くすっとしたり。 おやつ休憩をとって、リフレッシュする感じの場所に ここがなれたらうれしいです。