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中国ゴールデンウィークの盛況で国内経済は復活しても、ネット民の不満が爆発する

日本のゴールデンウイーク期間は中国でも連休(多くの人は5連休)だったのですが、連休中は各地で尋常じゃない人の数が写真や動画でアップされ、中国SNSをジャックしておりました。

上海の観光地の写真ですが、AIが作成した地獄の写真なのかと二度見しました笑

SNS映えのためのフォトショ職人によるものでしょうと疑われるほどの過激な写真や動画がバズってたのですが、事実、人混みがすごかったことを裏付けるデータも続々と出てきています。

■データからもわかる、とにかく凄かった2023年の5月連休

中国文化観光部が発表した内容によると、連休中の国内観光旅行総数は2億7400万人ともはやわけのわからん数字でした。コロナ前の2019年の119.09%、国内観光収入は1480億5600万元で、こちらも2019年の100.66%。

そして、この数字はただの連休旅行者の数字だけではなく、中国経済の今後を予想するものだと分析されています。特に交通の伸びは経済活力を示す重要な指標のひとつとされており、今年の連休では中国各地で歴史的なピークを何度も更新しました。

Go.comが発表したデータによると、連休中の国内人気都市での航空券予約数はコロナ前の150%増、鉄道チケットを購入した人の数は歴代最高を更新、人気都市のホテル予約はコロナ前の最高値の1.9倍を超え、連続宿泊日数は20%も増加。どれも過去最高のパフォーマンスを示しました。

ご存知、デリバリーサービス大手の美団(メイツトゥアン)でも消費が好調だったとの発表がありました。連休の最初の3日間ではコロナ前の2019年に比べて利用者が2倍という恐ろしさ。中でも東北3省(黑龙江、吉林、辽宁)は特に強い上昇だったとのことです。この流れに乗って中国経済一気に上昇するぞとの声が高まっています。

■ネット民の声、特に人気だった観光地、自治体の取り組み

コロナから復活した初のゴールデンウィークの激混みは、高速列車の切符の予約開始日から、すでにある程度予測されていました。観光地もそうですが、普通に帰省するつもりの人もチケットが予約できないとネットで悲鳴をあげていて、年最大の移動イベント春節並みだったと言ってもよいと思います。

また、冒頭の上海の外滩以外にも、とにかく混んでいる画像がたくさんアップされてます。「人从众叕」(rén cóng zhòng zhuó、とにかく人が多いこと)という本来には存在しない言い方もネット流行語になってます。

(北京故宮、画像:人民日報)
(天津民俗街、画像:人民日報)
(河南洛陽龍門石窟、画像:人民日報)

あっちこっちの激混みがSNSで呟かれ、「自宅警備でよかったです」「チケットが取れなくてラッキーだ」と在宅派の声も多数。

国営テレビの報道によると、このゴールデンウィークの激混みTOP10はこんな感じです。

(画像:CCTV)

1位は杭州西湖、2位は南京孔子廟、3位は南京鐘山風景区、4位は北京頤和園、5位は雲南大理古城。

(画像:CCTV)

6位は西安大雁塔、7位は山東済南の第一泉、8位は武漢東湖、9位は北京オリンピックパーク、10位は北京天壇公園。北京のランクイン多すぎだろう…

国内移動が活発になることで経済が復活することを期待する動きは日本でも同様の意見もありましたね。中国でもたくさんの識者がコメントしていますので、いくつか紹介しましょう。

南開大学ビジネススクールの梁鋒准教授
「中国各地の消費は、新しいモデル、新しい技術、新しいビジネスモデルに支えられ、オンラインとオフラインが融合している。伝統的な消費産業が休暇やレジャー、文化や娯楽などの他の産業と結びつき、文化、ビジネス、観光が深く融合した新しいサービス指向の消費を生み出すという新しい特徴を示している」

中国国際経済交流センターの張燕生主任研究員
「世界経済がより大きな下押し圧力に直面している現状において、中国がゼロコロナの時期から転換後に初めて迎えた5連休の消費実績は、間違いなく景気回復に”強い心音”を注入した。 世界各国の政府は引き続き改革を深化させ、内部の力を解放し、内需を拡大し、質の高い経済発展を促進する必要があるだろう。

また、最近noteで紹介したような、地方自治体の取組み例なども増えています。

例えば、天津の古文化街景勝地では、“民俗花市”というイベントが開催され老舗のお店にも多くの人が訪れました。連休期間中に古文化街の100以上のお店が営業時間を延長し夜のツアーを開放して”お店を探索して宝物を見つけ、夜間に訪れる”という没入感を味わえるようにしたとのこと。「子供の頃のお祭りの温かい思い出のように、天津の豊かでカラフルな文化遺産を味わえて有意義な旅行になった」とのコメントもありました。

天津市では、天津市文化観光局が特別監督グループを結成して連休での対策を準備・リハーサルしたうえに、観光企業にサービスの最適化、顧客へのおもてなし、誠実な運営を提唱していました。

これから中国の観光客を日本に呼び込みたい人たちは、ケースとしてぜひ学んでみてはいかがですか。

■むしろゴールデンウィークなんてない方が良い?

観光で経済が復活することが素晴らしいと評価される一方、ネット民の間では「小长假」を作る”偽ゴールデンウィーク“への不満も爆発しています。この5連休は無理やりに作られたものです。

(画像:百度カレンダー)

4月29日と30日はもともと土日で、5月1日は「労働者の日」。実は1日しか休みがないです。しかし、3連休を5連休にするため、4月23日の日曜日と5月6日の土曜日は出勤日となりました。6連勤は頑張ればなんとかなりますが、このやり方では、もともと週6出勤の996会社では、休み前には全く休憩なしの12連勤、連休明けにも9連勤となります。

(画像:百度カレンダー)

996会社ほど激務じゃなくても、今年の国慶節連休では、9連休を実現するためには、連休明けに普通に7連勤というところが多いです。これには「仕事が大変なんだ、連休よりも規則正しい休みが欲しい!」という声が高まっています。

(画像:Weibo)

メディアによる、Weiboで行われた投票調査では、17.1万人が投票し、現在の連休制度を賛成する人はわずか7%。48%の投票者は「連勤がしんどい」で、45%の投票者は「連勤なしのゴールデンウィークがあるべきだ」と回答。

連休によって移動が生み出され観光業が潤い国内経済が上昇することは良いことですが、歪みが生じている。また、とにかくどこも激混みしてしまうので、一般旅行者にはデメリットの方が多くこのうような結果になりましたね。ボクも安定の自宅警備員を余儀なくされてからの連続勤務社畜生活ですので、ゴールデンウィークが廃止されることを願う派です笑

(参考資料)


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中国情報局@北京オフィス
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