円高・円安の超基本から解説 日本円の実力(2019.06.26)
おはようございます。コンテンツマーケティング担当の森下です。
先週書ききれなかった「高校野球と特撮ヒーローの共通点」について、問い合わせが殺到したとかしなかったとか。
その答えはずばり、未来のスターを見いだす楽しみがあることです。プロ野球で活躍する選手の多くは高校時代から飛び抜けていますし、仮面ライダーやスーパー戦隊はいまや人気俳優への登竜門です。あのメジャーリーガーもあのイケメン俳優も、ブレイク前から見てきたというだけで「ワシが育てた」という気になるから不思議ですね。
さて、けさの日経朝刊1面トップは、円相場が経済の実態に見合う水準に近付いているというニュースです。円高とか円安とか、そもそもどっちがどっちだっけ? という方もご安心を。Morning Briefingでいちから解説します。
Morning Briefingとは
その日の朝、読んでほしいニュースの要点を簡単に要約したもの
割安だった円、いまは実力通り
◆キーワード
均衡為替レート
◆ニュースはなに?
経済の実態に見合う為替水準を日本経済新聞社などが算出したところ、円相場の理論値は1ドル=107円台前半で、実際の水準に近かった。近年は実態に比べて割安な状態が続いていたが、世界で利下げの動きが強まっていることからここへきて差が縮まった。
◆気になるポイント
為替相場は相対的な通貨の価値を示します。極端な例ですが、1ドル=200円が1ドル=100円になると、200円ないと買えなかった1ドルが100円で買えるようになるので、円の価値が上がった=円高になったといいます。1円=0.005ドルが1円=0.01ドルに上がったと考えるとわかりやすいかもしれません。その逆、1ドル=100円が1ドル=200円になると今度は円の価値が下がります。これが円安です。
このレートは日々の為替取引、つまりそのときどきの人気で決まります。これに対して、経済の実態に見合う実力を踏まえた水準を均衡為替レートといいます。2015年以降、日本円は均衡為替レート(実力)の上昇に円相場(人気)が追いつかず、実態より割安な状態が続いていました。人気がないというと残念に聞こえますが、輸出で稼いでいる日本にとっては円が割安なのはチャンスです。最初の例でいうと、同じ1ドルのもうけが100円から200円に増えるからです。トランプさんがたびたび円安にケチをつけてきたのは、これが理由です。
ところが、最近は事情が変わっているようです。世界経済の先行きへの不安から、世界で金利の引き下げが進んでいるためです。景気が悪くなると、企業がお金を借りやすいように中央銀行は金利を下げます。投資家は金利の高い通貨を買いたがるので、金利の下がった通貨の人気は下がります。日本はもともと金利が低くこれ以上あまり下げられないため、相対的に円の人気が上がっています。為替相場でも円高が進んで、人気が実力に追いついたというわけですね。野球選手や俳優と一緒で、人気が出すぎるのも昔からのファンにはちょっぴりさみしいものです。
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