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2022年の中国ダブル11セールについて。ネット民からの失望コメント数だけは過去最高では?

今年のダブル11ビッグセール、気づけば終わっていました。ちょっとだけ買い物をしましたが、明らかに年々モチベーションが下がってます。といっても、毎年注目される中国の大イベントなので、一消費者としてボクが感じてる今年のダブル11について話したいと思います。

日本のメディアでも報じられたよう、毎年盛り上がって発表していた成約額は今年非公表となりました。コロナの影響で経済があまり好調ではないこともそうですが、いつも重要視されていた指標のGMV以外でも評価しようという意図を感じています。

まずは各大手の発表について。成約額などよりも社会貢献に重心を移した内容ばかりでした。

↑例えばアリババ。ダブル11セール期間では、ライブ販売では3549万点の農産物が販売され、160個の国指定農村振興県( 郡に近い行政区)の販売額が前年比35%を実現しました。また、エコなライフスタイルが広がり、1633万人がエコ商品を購入し、700万人以上が古い携帯の回収によって新しい機種を購入したと公開。

同じく業界大手の京东(JD)は、1万弱種類の農産物が10万元の成約額に達し、3割の主食、油、お茶などの農産物の販売は100%以上の成長を実現したことを発表。家電などでおなじみの苏宁(Suning)もスマート住宅製品の販売が153%成長を実現し、オフラインでの白物家電の販売が141%の成長を実現したと発表。といった具合です。

また、意図的にGMVの言及を回避した人もいました。しばらくライブ販売が停止されていたスーパーセールスKOLである李佳琦がダブル11の予約販売の初日で1人で215億元の成約を達成とネットでバズっていたのですが、彼の会社からはオフィシャルデータ公開はなく今年のGMVは非公開。さらに「みんな理性的な買い物をしましょう」との呼び掛けをしました。

↑李佳琦って誰?って方や、彼の最近の事件と動向はこちらを参照ください

みんなが意図的にGMVを非公表することには違和感が感じられます。また、今年のダブル11セールへの熱量が周りやネット民からあまり感じられませんでした。

ボクを含めてみんなの情熱がなくなったのか、単純な理由は「安い!」と感じなかったからしかも今年からではなく、3、4年前から、薄々とそんなにお得でもない気がしています。また1年に1回のプレミア感が薄れたことも理由。1月や2月の旧暦正月ビッグセール、3月の女王の日セール、6月の618セール、8月の新学期セール、9月の国慶節向けセールなどなど。気づけば年から年中セールだらけになりました。ダブル11セールがスタートした当初の「よし!1年分のxxを買い貯めるぞ」ではなく、「何か切らしそうだから買っておくか、でも次のキャンペーンでも買えるよね」となってしまいます。

これはボクだけではなく、同じ感じのネット民が山のようにいます。さらにセール前後に正規の値段をあげて割引を大きくしたかのように見せかけるあるある業者への非難も。いくつか紹介しますと

-CPUとグラフィックカードを買いたかったが、ダブル11は普段より値上げしてる。
-いつものダブル11には数千元は使うが、今年は何も。
-同じく何も。お金がなくて消費は控えめというよりも、(ゼロコロナで)ロックダウン中で配達もできないですから。

-あまりお得感がないです。予約販売ですぐに出荷できないから普段より不便は感じる。

-笑えちゃうよ。2020年からダブル11を避けて買い物するようになりました。なぜなら(ある年)10月にカートに入れた商品は11月に値上げされたから。それ以来、急ぎの買い物以外は絶対に11月にネットで買い物しないです。
-メーカーも不誠実ですね。前から注目していた商品なのに、ダブル11になると普段より5元高いってどういうことですか。嘘ばっかりのダブル11は長く続かないだろう。

-ダブル11の数時間前に、 2週間以上にカートに入れていた商品がいきなり値上げされました。

-10月からJDでいくつかの電化製品の値段を注目していて、ダブル11に購入しようと思いました。結局10月中旬は一番安く、10月下旬に大幅の値上げを減ってから11月にちょっとだげ値下げしました。1000元値上げして800元値下げしてもセールではなく、騙しだぞ。

国産ダウン大手の「波司登」の一連の動きは特に炎上しました。

↑左はいつもの販売価額(値札よりは割引済み)、右がダブル11セールの販売価額。セールでの割引価格後にわずか0.28元(約5円)安くなりました、という明らかな価格設定操作にバカにしてるの?と怒りが殺到。

とまぁ辛口の評価ばかりなのですが、ちょっと遡って過去のコメントも調べてみました。とある2020年にアップロードされた「今年のダブル11が絶不調」の動画のコメントには、「今年は2000何年?」と聞きたくなるくらいのコメントが見つかりました。

-面倒なゲームをやって割引券を奪うじゃないよ。素直にセールしてくれればいいじゃない
-昔のダブル11はお得感があったが、今は完全に遊ばれた気分。買わないことは100%のお得だ。
-割引のルールが難しくて、相手にならない。

-誠意のないセールスは、数字が悪かったのが当然だ。
-やっとダブル11が終わったね。そしてハードディスクの値段が下がった。

-JDは確実に安いです。面倒なルールもなく、配達も早い。
-昨年のダブル11でタオバオで(クーポンや割引を獲得するため)半月くらい時間かかって買ったのに、JDのセールなしの方が安い。

結局、セールで盛り上がる人はいわゆる”価額敏感消費者”が多いということですね。不景気で衝動的な買い物が減る一方、不景気で余計に価格には敏感になるという状態。ボクもそこそこケチなので気持ちがすごくわかります。

ただ不況とはいえ、セール期間は普段より買い物する人が明らかに多いから物流&配送は相変わらずてんやわんやですね。

↑職場の近くで撮った、普段は空き地なのが配達物だらけになっている様子

わざわざダブル11で買うよりも販売促進スタッフも配達スタッフもより丁寧に対応してくれる余裕がある混まないときに買うほうが良い、ダブル11を避けて買い物する、ってECの達人たちも多いほどです。

あと、やっぱりライブイーコマースはますます成長していて、セール期間全体でタオバオのライブは3億人以上が見ていたとデータも出ていました(データを詳しく見たい人は概要の資料を見てください)。ECセールxライブ動画はずっと前から必須のコンビネーションでしたが、さらに成長していくのか。ここについては別途noteで紹介したいと思います。

ちなみにさっきちょっと抖音のライブ見てたら、超有名ベテラン歌手の汪峰がライブで歯磨き粉を売ってておいおいと思いました。大御所でも参加、そしてもはや誰かわからないw

と、割とネガティブな話が多かったですが、そんな話題やおもしろ光景を提供してくれるダブル11セールには感謝です。いろんな意味で、来年のダブル11も楽しみにしています。

(参考資料)


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中国情報局@北京オフィス
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