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中国でのGitHubの使われ方は他の国とはちょっと違うかも

noteのユーザーでGitHubを知らない人はいないですかね。言わずと知れた世界屈指のソフトウエア開発のプラットフォームです。

エンジニアが日本の何倍もいる中国でもGitHubはもちろん使われているんですが、それはコードやプロジェクトの管理にとどまりません。

■そもそもGithubは中国でアクセス可能?

中国といえばGoogleはもちろん、Twitter、FB、Instagram...とたくさんのサービスやプラットフォームが使えません。金盾と呼ばれ政府にアクセスを制限されているからです。

「GitHubは?」とたくさんの日本人や外国人に聞かれるのですが、GitHubは中国で利用可能です(ちなみにSlackもね、これもめちゃ聞かれる)。多くの開発者がGitHubを利用しています。

「媒体 InfoQ」の統計によると、2019年3月の時点でGitHubの企業アカウントを調査したところ、Alibaba、Baidu、Tencent、Huawei、Xiaomiなどの中国ITジャイアント企業でもたくさん使われていたとのこと。

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また、2019年11月にリリースされたGitHub Octoverseのレポートによると、中国は米国以外で最も急成長している国とのこと。

folk、cloneされた数は前年比で48%増加し、中国のGithubアカウント数はアメリカに次いで世界第2位とのこと。(上の図のように、日本の何倍かな...)

■中国のレポジトリには変なものも

一般にはGitHubはサービス開発に利用され、プロジェクト管理やコードの共有、開発に利用されていると思いますが、中国での使われ方はそれだけではありません。

たとえば武漢の肺炎騒動がGitHubのレポジトリにまとめられていたりします↓

5.2K Star,620+ Forkってすごい人気。(2020年2月10日時点)

Webサイト、ニュースレポート、ソーシャルメディアでアップされた肺炎に関する記事やレポートが体系だってまとまっていて見やすいです。

レポートを分析し自然言語処理解析してまとめているそう。本物ニュースとフェイクニュースを分析し、イベント間のつながりの分析までするらしい。

また、かなり以前に紹介した中国のブラック企業労働(996.icu)について、各企業や労働実態の告発がまとめられているレポジトリもあります↓

こっちは250K Starって。。996-icu-avengersとか面白いです笑

このようにオープンで情報を公開できるプラットフォーム、しかも使いやすく、ユーザー属性も絞られ、その数も多い、というのは中国ではある意味貴重なので情報共有の場としての使われ方もされてます。

ただ今後もこれを維持できるかには不安もあります。

■アメリカ企業提供のオープンソースPFと中国との相性

国境ないオープンソースプラットフォームを謳うGitHubですが、現実にはいろいろ制約があって大変なようです。例えば2019年の7月にGitHubは予告なしにイラン、イラク、キューバ、クリミア地域のユーザーを禁止したこともありました。政治の圧力が働いたとのこと。

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このときGitHubのCEO、Nat Friedmanはアメリカの通商法に従って規制したことを認め、同時にオープンソースの原則を守りたいが、やむを得なかったとコメントしました。

この前例は中国も他人事ではないことを認識させられます。米中貿易戦争によってたくさんのコンフリクトがあり、実際アメリカはZTEやHuaweiの使用を制限してるし、Huawei端末ではGoogle(Android)の利用を許されていない現実があります。

そして中国は中国で、突然Webサービスを規制して利用不可にしてきた例は数え切れないほどありますね。

GitHubは今後も存続できるのだろうか。。

Financial Timesによると、GitHubのCOO、Erica BresciaはGitHubの利用を米国政府が制限するかもしれないという懸念から、中国に子会社を設立することを検討していると述べました。

彼女は上海、深セン、北京で開催されるGitHubイベントに頻繁に出演し、開発者や企業と意見交換していると報じられています。

また、中国もこの動きを歓迎している様子。報道によるとGitHubは既に中国の産業情報技術省、公安省、およびその他の部門と面会済みであり、すべての部門は中国ユーザーのGitHubへのアクセスを維持したいと考えているとのこと。

何れにせよGitHubは便利だし、中国でのような使われ方は面白いです。そして今後もずっと利用できるように祈っております。

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(参考資料)

https://kknews.cc/news/q9z3qng.html



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