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Z世代は飲み会が嫌い?新社会人を部下に迎えるビジネスパーソンに伝えたい、Z世代の飲み会事情

4月に入り、新入社員を迎えたり、初めて部下を持つことになったりと、嬉しい反面「どう接したらいいんだろう…」と悩む方もいるかと思います。
実際に毎年この時期は、新入社員と仕事をするビジネスパーソンから多くのZ世代に関する質問が寄せられます。

▼日経新聞でも、新入社員としてZ世代を迎える皆さん向けの記事が見られます

そのなかでも、特に多いのが、

「Z世代を積極的に飲み会に誘ってもいいのだろうか?」
「Z世代は飲み会が嫌いなんじゃないか?」

というもの。

このnoteでも度々取り上げる機会がありますが「Z世代はタイパを重視する」「仕事とプライベートのバランスを大切にする」など、世間でのイメージも相まって、Z世代との関わり方に慎重になっている方は少なくありません。

ただ、僕がビジネスパーソンの皆さんにお伝えしたいのは「Z世代も、飲み会の好き嫌いは人それぞれ。1人1人に向き合ってみなければ分からない」ということです。

今回はZ世代の飲み会事情について、詳しく言語化してみました。

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Z世代は本当に飲み会が嫌いなのか?

先日、「Hello Ring」というLINEやInstagramアカウントの交換に利用する指輪型のツールを知りました。

若者の間で「少しでも相手の印象に残る方法で交換したい」というニーズが高まっていることを受け、クラウドファンディングサービス「CAMPFIRE」でのプロジェクトでは目標額の200万円を達成したとのこと。

たしかにおもしろい商品で、僕も興味を持っています。ただ、もっとも気になったのは商品を紹介した記事のタイトルです。

「Z世代は飲み会が嫌い」

たしかによく言われていますが、一体いつどのような理由から言われるようになったのか疑問に思います。

なぜなら僕は、「Z世代は飲み会が嫌い」なのではなく、他の世代と同じようにお酒や飲みの場に対するスタンスは人ぞれぞれだと考えているからです。

好きな人もいれば、苦手な人もいる。ワイワイ飲みたい人もいれば、静かに心地よい空間でお酒を飲みたい人もいる。それはZ世代に限らず、どの世代にも共通して言えることだと思います。

▼TikTokのショートドラマでご一緒しているサントリーの「BAR Pomum(バー・ポームム)」は、気分に合わせて度数と味わいが選べるお酒。Z世代を中心に支持を集めています。

▼作家兼酒テロクリエイターの酒村ゆっけさんと株式会社シトラムとぼくわたが共同で制作した「ウェイウェイらんど!」も多くのZ世代に遊んでいただいています。

お酒を楽しく飲むためのゲームが人気を集め、一方で静かで心地よい空間が似合うお酒も売れていることは、その表れといえるのではないでしょうか。

「お酒の場に行かない選択」があることを知っているZ世代

では、何がほかの世代と異なるかと言うと、飲み会を断るハードルが限りなく低いことです。

当然のようにプライベートを優先することもあるため、他の世代からすれば「飲み会が嫌い」と受け取られたり「飲み会に来ないなんて…!」と思われることがあるのだろうと考えています。

Z世代がお酒の場を断るハードルを低く感じる背景には、SNSがあります。

SNSが普及する以前は、多くの人にとって家族・友人・職場など、自分を取り囲む環境がすべての基準でした。自分の所属している会社の上司やまわりの人が飲み会に行くなら、自分もそれに倣うのが普通。飲み会に行かないのは、体調不良でもない限り許されない特例か、少数派の行為だったのだと思います。

しかし今は、SNSを通じて飲み会にいかない人や、飲み会を強要しない企業の価値観に触れることで、僕らは社会人になる前から「飲み会に行かない選択」があることを1つの常識として知っています。

例えるのであれば、「飲み会のない企業に入った新入社員」が自分の隣のデスクで仕事をしているような状況です。もし隣にそんな人がいたら「自分も飲み会に行かなくてもいっか…」と思ってしまいそうな気がしませんか?

これは飲み会だけでなく、働き方の価値観全般にもいえることです。

会社を辞めて楽しく人生を歩み始めた人や、福利厚生の充実した企業の様子、フラットな職場環境などをSNSを通じて、まるで同じオフィスの中にいるように見ていることから、Z世代は働き方にも多様な考え方を持っています。

SNSの投稿を見ていると、Z世代が悪気がなく上の世代の常識を破ってトラブルになっているケースも見ますよね。でもそれは、Z世代が社会に出る前から多くの価値観に触れており、常識を破ることをタブーではなく「1つの選択肢」だと捉えているためなのです。

「Z世代」に対する認識のズレが「Z世代は飲み会が嫌い」論争を巻き起こす

Z世代と上の世代の飲み会に対するスタンスはほぼ変わらない。では、なぜここまで世の中で「Z世代は飲み会が嫌い」と捉えられているのでしょうか。

僕は、ここには2つの罠が隠されていると考えています。

1つ目は、Z世代と「新社会人」は似て非なるものだということです。

改めてですが、Z世代は1996年から2000年代に生まれた人のことを指します。年齢でいうと2024年現在、14歳〜27歳くらいまでの人たちが当てはまる世代です。

今はZ世代が「若者」という言葉によく置き換えられていますが、Z世代の中でも早くに生まれた年齢の人たちはもうアラサー。社会人歴も5年を超えています。

一方で、「Z世代は飲み会が嫌い」という議論は、アフターコロナのここ2〜3年で一気に話題になったように感じています。ここ数年の新社会人があまり飲み会に参加していない / お酒の場を一緒に過ごしたことがないからといって、大きく「Z世代は」と括るのは危険なのではないでしょうか。

「Z世代=飲み会が嫌い」なのではなく「新卒=飲み会が嫌い」なのでは?

2つ目は「新卒あるある」とZ世代の特徴を履き違えていないか。つまり飲み会が嫌いなのはあくまでも「新卒あるある」であり、Z世代よりも上の世代からずっとそうなのではないか?というものです。

今はSNSで世界中の情報を拾い集めることができ、世代ごとの考え方や特徴が見えやすい時代。そんな時代のはじまりに新卒の年齢だったことや、子育てをしている人が多い年齢だったことで、

新卒の特徴=いま20代前半の年代(Z世代)の特徴
子育てをしている人の特徴=いま30代(Y世代)の特徴

このように捉えている人も少なくないと考えています。

たとえばX世代、Y世代の皆さんにぜひ一度振り返ってみていただきたいのですが、皆さんは新卒のころ、初めて飲み会に行ったときから飲み会が好きだったのでしょうか? まわりの同僚はいかがでしたか?

きっとさまざまな答えがあり、お酒の場を重ねるうちにその場を楽しめるようになった人もいれば、義務感から飲み会に参加していた(今もしている)という人も多いのではないかと考えています。

Z世代も、同じです。お酒や飲み会を一概に嫌いだとは限りません。

ただ、今はSNSが広まり「飲み会が面倒くさい…」「上司が〜…」と飲み会に対する愚痴を自由に吐き出せるようになりました。以前は露呈することがなく、少数派のように感じられた「飲み会に参加しない」勢が、多く見られる環境になったのです。

つまりZ世代のなかにも、これから回数を重ねるうちに飲み会が好きな人が増える可能性は大いにありえます。新卒の様子が、直接Z世代の特徴に結びつくとは限らないのです。

今は、飲み会に「誘いにくい」時代でもある

Z世代の飲み会に対するスタンスは、人それぞれ。
ただ、飲み会を断りやすい状況であることは間違いない。

Z世代の仕事仲間や部下がいる皆さんはなおさら「じゃあどうすれば良いのか?」と悩みますよね。ここまで誘いにくさを感じるのは、実は今が飲み会を断りやすい時代であると同時に、誘いにくい時代であることも関係していると思います。

今は、アルハラ(アルコールハラスメント)・モラハラ(モラルハラスメント)など上司から部下への態度が厳しく評価される時代でもあります。一度断られた飲み会をもう一度誘うのでさえ、威圧的になるのではないかと感じる人もいるのではないでしょうか。

そこに追手をかけたのがコロナウイルスです。コロナにより一度すべての飲み会が消えたことは、大きな影響を与えたと思います。

多くの人がオフラインで会わなくても仕事ができることを理解しましたし、コロナを機にフルリモート勤務に切り替えた企業も増え、飲み会を開くためにわざわざどこかに人を呼び出すことがなくなりました。

遠慮せずに、率直にコミュニケーションをとることが大事

今の時代の状況は、前代未聞だと思います。世の中の至るところで変容が起きるなかで、人それぞれが先行事例や参考に頼らず、自分自身で課題に向き合わなければなりません。

しかし、個人的には「だから誘わないほうが良い!」となるのは寂しいと感じています。僕は飲み会をすると人との縁が深まると考えていますし、上で述べたように人は飲み会の数を重ねることで飲み会を好きになっていくと考えているためです。

そのため、Z世代との飲み会をどうすれば良いか悩んでいるという方は、「Z世代」と一括りにせず、まずはぜひその人個人に正面から向き合ってみてください。

よく取材などでもお話させていただきますが、Z世代も中身はそれぞれ違います。

「あなたは日本人だから、真面目に勤労するんでしょ」「関西人だから、おもしろいことが言えるんでしょ」という決めつけに違和感があるように、Z世代も「Z世代だからこうなんでしょ」と言われることに違和感を持っているのです。

もし飲み会が苦手な場合でも、よほど本人がひねくれていない限り「自分を気にかけてくれている」と感じるでしょう。ぜひZ世代バイアスをかけずに、率直にコミュニケーションをとってみてください。案外普通な回答が得られて、不安が解消されるかもしれません。

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このnoteでは、Z世代経営者の僕がZ世代の最新事情や日常で感じたことを発信しています。経営者やZ世代の皆さんの役に立てる情報をお話したいと考えていますので、ぜひスキやコメントお願いいたします!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。他にもこんな記事を書いているので、ぜひご覧いただけたら嬉しいです!

※このnoteは個人の見解です。

今瀧健登について

今瀧健登 / Imataki Kent(Twitter:@k_hanarida
僕と私と株式会社 代表取締役 
日経COMEMO キーオピニオンリーダー
一般社団法人Z世代 代表
書籍『エモ消費』『Z世代マーケティング見るだけノート」など

1997年生まれ。SNSネイティブへのマーケティング・企画UXを専門とし、メンズも通えるネイルサロン『KANGOL NAIL』、食べられるお茶『咲茶』、お酒とすごらくを掛け合わせた『ウェイウェイらんど!』などを企画。

Z世代代表として多数のメディアに出演し、"サウナ採用"や地方へのワーケーション制度など、ユニークな働き方を提案するZ世代のコメンテーター。

日経COMEMOではZ目線でnoteを綴り、日経クロストレンドでは、「今瀧健登のZ世代マーケティング」を連載中。


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