「会社の仕事で学ぶ」が、私の #仕事のポリシー
新社会人になり、最初に学んだことは
今から、30年以上前、1992年に私の社会人生活はスタートしました。大学院から、企業の研究室に配属され、「大学の研究」と「企業の研究」の違いに、「ワクワク」と「不安」が交錯する日々を送っていました。
そして、新人の私は、他人からの承認欲求から、さまざまな仕事に手を出してしまっていました。結果、研究室や研究リーダーの考えている優先順位と異なる仕事を、優先させてしまっていました。そして、このようなコメントを頂いたのです。「その仕事、あなたにしかできない仕事?」
自分にしかできない仕事の前に「自分は誰?」
通常、会社に入社した瞬間は、「会社に採用してもらった」という感覚が強く、「会社のために何かしないと」という気持ちが強くなるでしょう。少なくとも私は、そのように思い、自分を生かした働き方が出来ていませんでした。
会社は人の集まりで、それぞれ異なる能力の人が、異なる仕事を行い、それを集結させることで、大きな仕事に繋がります。
つまり、自分にしかできない仕事をすることは、人の組織としては重要なことなのです。しかし、問題があります。自分にしかできない仕事、つまり自分の強みは何?という点です。
この疑問を解消するために、私は、興味のあることは、とことん学び、そして、大学時代の教科書も読み返してみることにしました。私の配属先が研究室ということもあり、実際に多くの他の研究員も、普段から多くのことを学んでいました。
そして、ふと気が付いたのです。私は、大学までが学び(input)の時間、会社ではそれを使った成果(output)を出す時間と、勝手に境界線を引いていたのです。しかし、これが誤解だったのです。さらに、「会社の仕事はoutputでもあるが、自分へのinputでもある」ということに、気が付いたのです。
仕事のポリシー は、「学べる仕事か」
そして、私の仕事のポリシーは、その仕事は自分が他人より、少しでも得意か(「その仕事、あなたにしかできない仕事?」)に加えて、その仕事を行うことで、自分に学びがあるかです。
学びには、実にさまざまなことがあります。大きなプロジェクト・リーダーを務め、組織マネージメントを学ぶ。あるときは、Webサイトのアクセス分析のために、統計ソフトの使い方を学ぶ。ある時は、自分の知っていることを後輩にスキルトランスファーするための、プレゼンテーションを学ぶ。このように考えると、実は「学び」のない仕事はないのです。
もう少し、会社の仕事を丁寧に因数分解しましょう。会社の仕事は、成果とその成果を生み出すプロセスに分かれます。
一般に、仕事を考える時には、どのように成果を出すかを、一生懸命に考えます。しかし、成果の出し方には、いくつもの方法が存在します。通常は、最短で、最適な方法を使って、成果を出そうとします。ところで、その最短・最適は、本当に求められていることでしょうか。おそらく、仕事には、期限と予算があり、その期限内、予算内に成果が出れば、多くの場合は、仕事が問題なく完了したと理解されます。つまり、成果を出す方法のうち、実行可能な方法は、通常複数あり、その中に、過去の自分が経験したことがない方法を行えば、新しい仕事のプロセスの学びになるのです。
山の登山ルートが複数ある場合、登山ルートにより難易度がことなります。初心者コース、中級者コース、上級者コースのようにです。この登山コースが、仕事のプロセスです。プロセスを変えれば、同じ仕事でも学びがあっるのです。
仕事に向き合う時に、仕事のoutput(成果)は重要です。しかし、その仕事を通じての自分の学びとなるinputを明確にすると、実は、ずーっとOJTが出来るのです。
近年、リスキリングや職場内訓練(OJT)という言葉が、以前より頻出しています。そして、その形式の議論が盛んです。しかし、それより重要なのは、社会人一人一人の学びの姿勢です。
「学び」は、常に行えます。「会社の仕事で学ぶ」という姿勢を、定着させれば、人より学ぶ経験は増えるのです。これが、私の #仕事のポリシー です。
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