独身男性の幸福度が低い理由と対策
以前、日本男性の幸福度が結婚の有無によって大きく異なることについて書きました。
たくさんの反響を頂いたのですが、その中でもこの調査は結婚の前後で実施されたものではないため、論点にすべきは結婚の影響ではなく「未婚男性の幸福度の低さ」ではないか、というご指摘はもっともだと認識をしました。
未婚男性の幸福度が低い理由
日本の未婚男性の幸福度は、先進国において最も低い状態です。その理由を
考察してみます。
1990年頃までは共働き世帯よりも、専業主婦世帯の方が数が多い時代でした。
人は自分が育った環境を人生の基本として考えるものです。現在の40代以降の男性が育ってきた1980年代の環境では、男性は稼ぎ手となって一家の大黒柱を担うのが当前という社会だったことがわかります。
父親は、学校を卒業した後は正社員として就社し、その後結婚して自分を育ててくれたので、自分も同じような人生を歩むのが普通だと考えるのは自然な思考です。
しかし、その普通が思うように実現できないことをもどかしく感じ、絶望してしまう傾向にあるのではないでしょうか。
それを裏付ける調査結果がこちらの記事で紹介されており、未婚男性の自己肯定感が顕著に低い値を示しています。
幸福度は自らの力で高められる
幸福とは主観的なものです。同じ状況にいても幸せを感じる人もいれば、不幸を感じる人もいます。
例えば、米国での調査結果では、起業家の約半分がメンタルヘルスの問題を抱えることがわかっています。起業家以外の全体の罹患率平均よりも高い数値です。
起業すると楽しいこともありますが、確実に辛いことも多く、自らが事を起こすことで、良いことも悪いことも増幅されていきます。失敗した起業家だけでなく、成功者であっても、数多くの過酷な体験をしているはずです。
その辛さの影響でうつ病を患うのは仕方がないことですが、同じ辛さを体験しても心を崩さない人たちもいます。
私は先輩経営者の方々から指導を受けて、出来事の良い側面を見るように努力をしています。反射的に「さすがにこの状況はきつい。逃げ出したい」と思う時も「本当に死ぬわけでもないし、この状況を乗り越えられればもっと違う景色が見えるはず。笑って楽しもう」と切り替えるようにしています。おかげさまで、起業から23年目の現在でも、元気に頑張っていられます。
未婚男性の幸福度に話を戻しますが、そもそも未婚女性の幸福度は未婚群の中では世界一高いわけですし、日本の未婚男性の生活環境が未婚女性と大きく異なるわけでもありません。
自分が生まれた時と比べると、日本の人口構造や経済状況は大きく変化しています。昔の常識は今の非常識です。見方を切り替え、しなやかに考えれば現状をもっと肯定して、楽しむことができるはずです。