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ファミマに学ぶ、マーケティング思考をもった組織文化づくり

ファミリーマートのアパレル領域の仕掛けは、マーケティングに関わる人はウォッチしておくと良さそうです。

コンビニなのに、ソックス700万足を販売するって普通ではないですよね…

「コンビニエンス ウェア」「ファミマソックス」といったキーワードをつくり、コンビニで衣料品を購入する新しい購買行動をつくっている興味深い仕掛けです。

ファミマは何が変わったのか?

勢いが出ているファミマですが、何が要因なのでしょうか?

多くの人が思い浮かべるのは、一流のマーケターやクリエイターの存在だと思います。

有名なのは、マーケター足立さんの存在。

また、ファミマソックスはデザイナーの落合宏理さんとコラボしています。

一流の人が組織に加わるだけで変化は生まれるのか?

答えはNoだと思います。

ファミマほどの大企業が、衣料の商品カテゴリーを一気に強化し、売り場づくりも変えるのは、1人ではできません。

「組織の仕組み・文化」が変わっているからこそ、大きな仕掛けができているのではないでしょうか?

ということで、根底の組織体質がどのように変わっているのかが興味があり調べてみました。

組織全体で顧客との向き合い方が変わっている

こちらの記事に、裏側の変化が書かれていました。

商品開発や売り場づくりに取り組まれている方々の、業務が「顧客起点」に変わっていることがわかります。

以前と比較して、商品開発前のマーケティング調査のプロセスが変わっているとのことです。

記事から引用します。

1つ目は市場調査。専門店やリテール(小売り)にアンテナを高く張り、人気があるショップをいち早く察知し、トレンドに合わせた商品開発に力を入れた。「毎週金曜日は原則、市場調査の日にしている」(木下氏)。

中略

2つ目は、消費者意向調査。いわゆるモニターの強化だ。これまで行われていた試食調査の前に、メニューの「意向調査」を追加した。意向調査とは、具材の種類やパッケージのデザインなどを確認する工程。顧客のニーズを捉えた状態で試食調査にかけられるため、“当たる商品”を当てに行ける。

意向調査で面白いのが、この段階で商品カップのモックアップ(以下モップ)まで作成すること。「例えばフラッペの場合、味を文字だけで説明しても、モニターの参加者が商品を想像しにくい。売り場で購入するシーンをイメージしてもらうため、本物に近いモックを制作している」。木下氏がこう明かすほどだから、意向調査に対する本気度がうかがえる。

 商品の認知度を上げるため、小竹氏が追求したのは「売り場での売り方」。事前に営業やマーケティングと売り場のつくり方やオペレーションの仕方を議論し、コンビニエンス ウェア専用の棚まで設けた。「カテゴリーとしてアピールできるよう、クリエーティブチームを起用して販促物やパッケージなどのビジュアルの質を上げた」(同)

ファミマのスイーツ&ソックスがバカ売れ 立役者が語る開発秘話

注目したいポイントは、
・市場トレンドや顧客ニーズを理解して投資する商品の選択と集中を行う
・顧客接点の柱である店舗の棚も、顧客が求めている売り場をつくる
など、マーケティング調査をもとに意思決定する組織文化になっていることです。

この組織の思考習慣が、ファミマの躍進を支えていると考えています。

ファミマの魅力的な仕掛けは、1人のマーケターやクリエイターだけで成り立っているわけではないことがわかります。

全員がマーケティング思考をもった組織は強い

こちらは以前に書いたnoteです。

1人のマーケターが1回の凄い仕掛けをすることより、マーケティング思考が根付いている組織づくりが重要だと思っています。

ファミマの躍進の裏側を分析してみて、「マーケティング思考をもった組織体質」が重要な成功要因だと考えさせられました。

CMOの足立さんやデザイナーの落合さんが外からの知見を組織に持ち込むことで、
・顧客や社会に求められている仕掛けをする
・ファミマらしい独自の仕掛けをする
といった組織内部の仕組みや文化が形成されていることがファミマの素晴らしさだと捉えています。

話題になった「そろそろ、No.1を入れ替えよう」の広告。

このメッセージは、対外的なファミマの認知を変えるだけではなく、組織内部の意識の変化づくりにも効いていそうです。(外部と内部、両輪の変化を意識して仕掛けられていそう)

マーケターの役割とは?

マーケターの役割は、自分が面白く仕掛けることではなく、組織全員が面白い仕掛けをし続けられる仕組みづくりではないか?

ということが、ファミマからの学びです。

CMOポストの新設→足立さん就任→マーケティング思考が組織に根付く→ファミマらしい独自の仕掛けが増える→業績好調、の最高な循環が生まれている…

こんな理想のサイクルを、日本の多くの組織につくっていきたいですね。

そのためには、マーケターの役割の再定義が必要。

マーケターの役割
=マーケティング思考をもった組織をつくること
=組織全員が顧客や市場を観て仕事ができる仕組みや文化をつくること

と捉えられると、マーケティング=プロモーションという部分最適の発想から抜け出せるはずです!


最後に、足立さんの「劇薬」の仕事術は、マーケティング思考を組織に根付かせるヒントが盛りだくさんなので、読んでみることオススメです!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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