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イベントレポート「ウイルス共存社会をどう生き抜くか」(Peatix主催 24時間チャリティオンラインイベント)

5月29日(金)〜30日(土)に開催されたPeatix主催の24時間チャリティオンラインイベント「Hello, New Normal 僕らはオンラインでつながってる」に、日経COMEMOが参加しました。

COMEMOキーオピニオンリーダー(KOL)の横石崇さんと、藤田祐司さんが代表を務めるPeatixの共同主催オンラインイベントで、COMEMOは「ウイルス共存社会をどう生き抜くか?」というテーマで5月30日(土)午前11時から50分間のトークセッションを行いました。

COMEMO KOLであり、複雑な世の中を構造化してわかりやすく伝えるコンテクスターの安川新一郎さんがホストを務め、ゲストにはジーンクエスト代表取締役の高橋祥子さんをお招きしました。


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安川新一郎氏
グレートジャーニー合同会社代表

「構造と文脈で世界はシンプルに理解できる」著述業、コンテクスター、投資家、Great Journey LLC代表、Well-Being for Planet Earth財団理事。これまでマッキンゼー、ソフトバンク社長室長/執行役員、東京都顧問、内閣官房CIO補佐官、等歴任。


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高橋祥子氏
ジーンクエスト代表取締役

大阪府出身。京都大学農学部卒業。2013年6月、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程在籍中にジーンクエストを起業。2015年3月に博士課程修了。個人向けに疾患リスクや体質などに関する遺伝子情報を伝えるゲノム解析サービスを行う。2018年4月、ユーグレナの執行役員に就任。


トークセッションは、安川さんの下記投稿に沿って進行。ポイントを振り返ります。

■ウイルスとは何か?

「コロナウイルス」が引き起こした感染症と戦うために問題が山積している中で、そもそも「ウイルスとは何か?」ということから話はスタートしました。

ー安川さん
1月くらいまでは、ウイルスとバクテリアの違いも知りませんでした。菌とウイルスの違いも曖昧で。改めてウイルスについて勉強して驚いたのは、ウイルスは生き物ではなく、遺伝子情報しかもっていないということです。「ウイルスが死滅するまでは」「ウイルスが暴れて」と表現するなど、生物のような認識でしたが、実は細胞すらもっていない無生物の存在なんですね。ヒトの中に侵入すると、どんどん増殖して、自分を大きくして外に出ていきます。ヒトの中では非常に活発で、「生物的」な存在になるということです。

ー高橋さん
意外と知らない人が多いと思います。「ウイルス」=「病原体」だと思っている人も結構いらっしゃいますよね。ウイルスはただの物質ですが、「生物のような動きをする」ということです。

ー安川さん
ウイルスの誕生を時系列で見てみると、約30億年前にはなんらかの形で存在していたことがわかっています。地球誕生からの46億年を1年間に置き換えてみると、「ウイルス先輩」は5月くらいにはすでにいらっしゃったことになります。人類は大晦日の夜くらいにやっと生まれたと言われていますから、人類よりもはるかに長い歴史があるということです。

■ウイルスの役割とは?

次の話題では、新型コロナウイルスのような「ウイルス」について、基本を理解しようという話に。

ウイルスとは細胞を持たない無生物であり、遺伝子=アルゴリズムのみの存在であり、(寄り主)が存在して始めて自らを増殖させ拡散することが可能となる存在だ。
安川さんのnote「新常態(New Normal)の前に」より

ー安川さん
「ウイルス」は病原体ではなく、実は遺伝子の塊で、いろいろな生物の間を行き来しながら、遺伝情報を「持ち込む/取り込む」存在なんですよね。

ー高橋さん
進化に貢献してきたということです。「進化」と言うと、子供を残すことでDNAが変化して、環境に適応したものが生き残っていくイメージだと思います。世代を経るごとに進化していくということです。一方でウイルスは、世代を超えることなく、同じ世代の人に感染することによって、もっている配列をヒトのゲノムに組み込んでいきます。これによって新しいゲノム配列が加わり、世代を超えずに進化していくということです。

ー安川さん
ヒトのゲノムは全部読んでみたら、半分がレトロウイルス、つまり昔の感染の残滓だったことがわかったんですよね。進化の過程で様々なウイルスから取り込んだ情報をコピーして、次の世代に渡している。これも大変驚きでした。

ー高橋さん
ヒトのゲノムは30億の配列でできていますが、タンパク質合成に関わる部分は1.5%くらいしかありません。多くはウイルス由来の配列であったことがわかっています。

ー安川さん
「beforeコロナ」「afterコロナ」と言われていますが、実は人類は「withウイルス」だった。現在、ウイルスはわかっているだけでも約5000種類、そのうち病原体として認知されているものが約200種類。わかっていないウイルスは膨大な数があり、地球上ウイルスだらけということになります。COVID-19だけでこれほどの騒ぎではこの先どうなってしまうのかとも思います。ただ、人間はウイルスと共存していたからこそ、「獲得免疫」という優れた能力をもっています。私たちはウイルスを取り込んで抗体を作ることができるわけです。

ー高橋さん
ウイルスはアルゴリズムです。ときどき「ウイルスはなぜ感染した宿主を死滅させるような機能をもっているのか?」という質問を受けますが、殺そうとしているわけではなく、ランダンムなアルゴリズムの中でたまたま作られた機能なんです。進化に影響を与えたり、機能不全を起こしたりすようなものがたまたまできた、という結果論なんです。

■人類は同じことを繰り返すのか?

感染症の爆発的な流行が起こった歴史を振り返ると、人類はその度に同じ行動をとってきたように見えると安川さん。

①噂、デマの拡散、必需品の買い占め、外国人の排斥
②感染拡大、医療崩壊
③都市から地方への拡散、経済不況と解雇と関連死、政権や権威の崩壊

安川さんのnote「新常態(New Normal)の前に」より

ー安川さん
感染症の拡大が起こったとき、人類は必ずこの順番をたどっているように思います。今回で言えば、まず26度のお湯を飲めばコロナは死滅するという噂が流れ、マスクを買い占め、関係のないトイレットペーパーを買い占め、ロックダウンと言われて食料品がなくなり、アジア系の人を「コロナ!」と呼びつけ、医療崩壊が起こり、学生の帰省による地方への感染拡大が起こり、自粛による経済不況、政権の対応への不満と支持率低下。歴史的に見られる状況と同じパターンです。

さらに、継続的にウイルスと付き合っていかなければならない中で、今後の「人類不変の課題」を4つ、安川さんが紹介しました。

・地球環境をどうするのか?
・都市の人口集中をどうするのか?
・グローバリゼーションをどうするのか?
・国家と戦争の問題をどうするのか?

ー高橋さん
結局、環境問題や都市化の問題はこれまでも言われてきたもので、感染症が広がりやすい方向に人類自ら環境を整えてしまったということですよね。人類は、ずっとウイルスと付き合ってきたし、今後もウイルスと付き合っていかなければならないし、そう考えればもともと言われていた環境問題や都市化やグローバリゼーションの問題を、改めて「感染症」という観点から見直さなければならないと思います。今まで言われてきた問題がウイルスによって露呈しただけです。

ー安川さん
基本的な課題は変わっていません。問題はすでに起きていて、それをどう捉えるかが、ニューノーマルの大きなテーマだと思います。

■質疑応答

Q.パンデミック時のデマや混乱を改善することは可能なのでしょうか?

ー安川さん
10年前に経験した震災のとき、Twitterなどで相当デマが流れましたが、今回はすごいスピードで相互にファクトチェックが行われていたように思います。デマも流れますが、同時にチェックもする。構造として自分たちが弱いものをもっていることを理解する必要はありますが、デマをデマとして抑え込む冷静な判断が社会では起きていますし、必要以上に悲観することはないと思います。

ー高橋さん
今回、コロナの影響で大きく変わったことに「プレプリントの論文」があります。通常は掲載までに半年から1年かかる論文を、査読なしでネットに公開してしまうのが「プレプリント」です。その数がコロナの影響でとても増えています。お互いのファクトチェックもものすごいスピードで進みますし、メディアの記事はそのような論文がもとになっていますから、今回のようにサイエンスベースで話す必要があることの一次ソースがそのような形で公開されることは非常にいいことだと思います。状況はかなり変わってきていると思います。

■関連投稿ご紹介

今回のトークセッションについて、さらに詳しい内容を、安川さんが日経COMEMOとご自身のマガジンに投稿しています。ぜひそちらもチェックしてみてください。

▼【日経COMEMO(コメモ)】新しい時代の有識者たちの記事が集まるマガジン

▼安川新一郎さんのnote

▼今回のイベントの詳細note

イベントで使用されたスライド、さらに詳しい内容が投稿されています。


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