トップ販売員が絶対に使わない2つの言葉
決して使わない言葉
JR新宿駅東口のルミネエストの2階にあるローリーズファームで働く渡辺さんは、2017年から2年連続、3万5千人の販売員がいるルミネのロールプレイング大会で、ブロンズ賞を獲得されています。
その渡辺さんが決して使わない言葉があります。
「ご試着できますので」
「ぜひお鏡で合わせてみてください」
きっかけは、まだ接客に慣れていなかった時代。苦手だった最初の声がけに、この2つの言葉を多用してたところ、上司から注意されたことから始まります。
お客さまの視点で考えてみると、鏡で合わせることも、試着ができることも当然で、何の価値もない言葉をかけられても、挨拶をされる程度の意味しかありません。
典型的な声がけを封印することで、しっかり会話の意味を考え続け、接客力を向上されてきました。
大切なのは相手の状況に寄り添うこと
渡辺さんは、一人ひとりのお客さまの状況を理解し、相手の状況に共感して接客をされています。
"顧客の視線や入店する時のスピードなど目を光らせるようになった"
とありますが、相手の訪問目的や状況を理解するために、観察力を磨きこまれています。
"デートに着ていく服を探しに来た学生に対しては、好きな人からどう思われたいかという渡辺さん自身の考えを披露する"
そして、自分が相手の状況だったら、何が必要なのか、どう思われたいのか、など共感に基づいた会話を実行されています。
エクスペリエンスデザインの要点(再掲)
「デブでブサイクな男子大学生が女子店員よりもレディース服を売れるようになった話」から学ぶ、エクスペリエンスデザインの要点
女性服の販売を、男子店員が行うハードルは高く、涙ぐましい苦労の上に成り立つ成功ストーリーですが、上記のお話と符合します。
デザインステップ:
① 日々お客さまを観察し、話を聞き、お客さまの心理・行動のパターンを理解する
② お客さまの共通パターンに合致した接客方法を確立する
③ その方法を運用し、磨き込む
成果を上げるための普遍的なポイント:
・ (沢山話しかけるべきといった)常識にとらわれず、相手の立場で考える
・ 適切なタイミングに適切な情報を提供する
・「よくわかったね」、「自分のことを理解してくれている」と感じさせる提案をする
サービスはお客さまの状況に寄り添って、相手に喜んでもらいという気持ち、共感に基づいて行われると、質が高まっていきます。
接客を担当している方だけではなく、製品やサービス全体像を企画・設計する仕事におていも同様に、常に利用者の状況を理解と、その状況に共感して行う必要があり、適応範囲の広い方法論になります。