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サスティナブルな生産への期待がかかる、ウナギの完全養殖への道

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

先日、個人的に大興奮したニュースがありました。ついに、ウナギの完全養殖に成功したというものです。

近畿大学水産研究所(和歌山県白浜町)は26日、ウナギの完全養殖に成功したと発表した。卵から人の手で育てた稚魚を親にし、その親からとれた卵をふ化させた。ウナギ養殖に必要な稚魚のシラスウナギは天然の資源量が減っている。完全養殖が実用化できれば安定供給しやすくなり、資源保護にもつながる。

日経電子版

ウナギの生態は未だに謎が多く、最近までどこで産卵しているのかもわかりませんでした。というのも、孵化から1年位は海で過ごし、あとは淡水で生活しており、多くの図鑑では淡水魚として掲載されています。産卵場所を特定するために日本近海から調べていったところ、どんどん推定場所が南下していき、最終的には遠くマリアナ諸島付近で産卵し、ふ化後は幼生からシラスウナギに成長しながら日本に泳ぎ着くということがわかったそうです。

ちなみに、4年ほど前に書いた記事がこちらです。

未だに天然のシラスウナギの稚魚が何を食べているのかハッキリしないなど、謎は多いようです。スーパーにも並んでいる身近な魚の生態がこれほど謎に包まれているというのは、結構衝撃的ですね。

「養殖」とされているものも、稚魚である天然のシラスウナギを海上で捕獲したものであり、漁獲量は年々減っています。ニホンウナギやアメリカウナギは2014年に国際自然保護連合(IUCN)から絶滅危惧種に指定されました。漁獲量の減少と共に高騰する単価から、違法な密漁も相次いでおり「白いダイヤ」とも呼ばれることもあります。

シラスウナギの闇を追う【寄稿】 新聞協会賞「連載企画『追跡・白いダイヤ~高知の現場から~』」受賞報告 |取材を振り返る〖寄稿〗|ジャーナリズムの力|日本新聞協会

完全養殖システムの確立は資源保護につながることはもちろんのこと、持続的に安定供給できることにより価格を安定させることにもつながるでしょう。今後もウナギの完全養殖の動向について、追っていきたいと思います。

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タイトル画像提供:shige hattori / PIXTA(ピクスタ)

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