デジタル収支の国模様~米国はWindows、英国はプレミアリーグ、異次元のアイルランド~
前回は世界のデジタル関連収支における日本の現在地を確認しました。多くの方に読んで頂き感謝です。これを機にメンバーシップに登録したというお声も沢山頂きました。この場を借りて御礼申し上げます:
その際、予告的に「デジタル関連収支を通じて見る国模様」を取り扱うとしました。「次はいつごろになりますか?」というお問合せも頂戴しました。このテーマについてはメディアの取り扱いが増えていることもあって、非常に強い世間の関心を肌で感じます。今週、円安を解説する記事でもデジタル赤字というフレーズが出てきました。「金利差で説明困難」という解釈については計量分析用いずとも結構前から分かっていた話では..と感じますが:
さておき、今回はデジタル収支の国模様について、項目ごとに議論を分けた上で、それぞれの項目において存在感を放つ国をピックアップし、その背景を論じてみたいと思います。今回はやや長めのコラムですが、テーマが特別ゆえ、普段よりも少し紙幅(=皆さんのお時間)を頂戴します。ただ、まだ殆どの分析者が手を付けていないテーマだと思いますので、手前味噌ではありますが、一読の価値はあるとは思います。
※なお、今後、このテーマは他媒体でも議論の予定はありますが、note以上に詳細な図表は公開する予定はありません(以前述べたように、剽窃行為が昨年来、多いためです)。
前回論じたように、デジタル関連収支は通信・コンピューター・情報サービス、専門・経営コンサルティングサービス、知的財産権等使用料(除く研究開発ライセンス等使用料・産業財産権等使用料)の3つを合計しています。この順番に論点を分けて、議論してみたいと思います。
通信・コンピューター・情報サービスの国際比較
純粋にデジタル分野での国際的な優劣を検討するならば通信・コンピューター・情報サービスに限定するのが最も分かりやすいです。この点、国際比較を試みると英国、イスラエル、米国がトップ3です(※本当のトップはアイルランドですが、これは後述するように異次元ですので別途論じます):
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