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日本人のグローバル化を後押し ー AI自動翻訳サービスのDeepL(ディープエル)|世界経営者会議

日本国内でも利用者が増えつつあるAI自動翻訳サービスのDeepL(ディープエル)、サービスは使ったことはあるものの、日本においてCEOが語る姿を直接見た人は少ないのではないでしょうか?

本日開催された「第24回日経フォーラム世界経営者会議」(1日目)をオンライン視聴する機会を今回いただき、登壇された独DeepL CEO兼創業者 ヤロスワフ・クテロフスキー氏のお話を伺うことができました。自分なりの感想をレポートしたいと思います。

ディープエルは独西部のケルンに本社を置くスタートアップ。コンピューター科学者でもあるクテロフスキー氏が、翻訳を学習するAIの開発に着手したことをきっかけに創業した。2017年にサービスを開始した後発ながら、高い精度が評判を集める。
現在、30近い言語に対応しており、日本では20年からサービスを開始した。日本市場の反応については「良いフィードバックしかもらっていない」と手応えを語った。日本企業にとってグローバル化が重要なポイントだと指摘したうえで、AI翻訳がビジネスシーンにもたらす影響について期待を述べた。

日本経済新聞 2022/11/8

満面の笑みで回答、「良いフィードバックしかもらっていない」

この30分の短い対談の中で一番印象的だったのは、この日本市場での反応について聞かれた際の、満面の笑みを浮かべながら答えた、「良いフィードバックしかもらっていない」というコメントでした。

DeepL CEO兼創業者 ヤロスワフ・クテロフスキー氏

物静かで誠実そうなクテロフスキー氏の笑みに感じられたのは、DeepL創業のきっかけ、そしてプロダクトにかけるミッション・ビジョンに込められている、「人の役に立つサービスを提供したい」、という純粋な気持ちでした。

もちろんスタートアップ企業としては収益を上げ、成長を志向することは大前提ですが、30分の対談の中では「人々のコミュニケーションを支援したい」、「言語の壁を破りたい」、「ビジネスの現場で翻訳によって自信を持ってもらいたい」というようなことばが何度となく強調されてました。

実際、つい先日対応可能になった翻訳のウクライナ語対応なども、とても意義のあるサービスと感じます。

DeepL learns Ukrainian [2022/9/14] / 公式ブログを翻訳したページ

同社はエンジニアを中心とした社員数が毎年倍増ペースで増加中で、現在は400名を超える規模に成長しているとのことです。社員が働きやすい環境としての企業文化を大切にし、今後規模が大きくなっても今の文化は大切にしたいと語ってます。そんな企業文化やミッションがあればこそ、「人の役に経ちたい」という高いモチベーションを持った優秀な人材獲得にもつながっているようです。

DeepLが大好きな日本人ユーザー

サイトのアクセス状況の概要を把握できるサービス「シミラーウェブ」によると、22年10月時点の合計訪問者数は約2.57億人です。そして世界中の利用者数を見てみると、DeepL開発拠点の独(11.3%)を凌ぎ、日本は1位(17.6%)であることが伺えます。

「シミラーウェブ」(https://www.similarweb.com/ja/website/deepl.com/)より

「Go Global(グローバルを目指せ)」、「Be Bold(大胆であれ)」

対談の後半では日本のビジネスパーソン、スタートアップ起業家に対するメッセージが紹介されました。
アメリカのようなスタートアップ文化が広く行き渡っている国とは異なる、という点でドイツと日本の類似している点にも触れた上で、「グローバル化」、そして「大胆であること(Be Bold)」であることの重要性について強く指摘していました。

DeepLもまずは無料でサービスを提供したことで多くのユーザーの支持を得ることができ、その後にビジネスモデルを構築した経験もあっての発言と思われます。その上で、「グローバル化してください。市場は大きいです」とのアドバイスがありました。DeepLはそんなビジネスシーンにおいて翻訳、コミュニケーションの自信が持てるよう、サービスの向上に今後も継続的に取り組む予定とのことです。

DeepLに背中を押されて始めた英語でのニュースレター配信。半年で世界中からの読者数は800人以上に

私自身も実はDeepLの目覚ましい機能の進化に突き動かされるようにして、小さなアクションを始めてみました。今年5月の始めから、気候変動・脱炭素に関する日本関連のニュースを毎週まとめて英語で配信するニュースレター「Japan Climate Curation」をスタートしました。ブログやニュースレターで英語での情報発信を今までしたことのなかった自分にとっても、英文の記事の読込や文章作成時にDeepLを利用することで、時短効果と安心を得ながらスタートすることができました。半年を経て、現在では欧米、アフリカ、インド等、世界中からの購読者数が800人を超えました。

Japan Climate Curation」気候変動についてのウィークリーニュースレター on Linkedin

日本発の気候変動、気候テック関連の情報が英語で海外に十分に届けられてないのではないか、という問題意識だけで始めたニュースレターですが、この活動のビジネスモデルはまだ試行錯誤というのが正直なところです。

「Go Global(グローバルを目指せ)」、「Be Bold(大胆であれ)」。そんな時にDeepLのCEOからオンラインの画面を通じて届けられたメッセージは、私にとってはとても心強いエールに聞こえました。

DeepL以外にも、英文の文法やスペルチェックはGrammaly、英文記事の要約にはsummari、英語圏での情報発信にはLinkedinのニュースレター機能等、数年前には考えられなかったような便利なツールが今日、驚くほど簡単かつ豊富に手に入る時代になっています。

「グローバルに」「大胆に」。グローバル化の優れた武器を創り出した起業家からのメッセージは、多くの日本のビジネスパーソンにも響くものがあるのではないかと思います。


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・Climate Curation(日本語): https://socialcompany.substack.com/
・Japan Climate Curation(英語): https://bit.ly/JapanClimateCuration

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市川裕康 (メディアコンサルタント)

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