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中国の大人向け“小さな食卓”事業は都市住みの食事スタイルを変えるのか

日本でも変化が起きていると思いますが、中国では毎日の食卓のスタイルがだいぶ変化していて、そこに目をつけた新しいビジネスが生まれてきているという話です。都会の食事に困っている人や新規事業など考えてる人は知ってる内容でしょうか。

■激務すぎる中国都市在住の人々のための新たな食事スタイルの必要性

激務が基本の中国の大都市サラリーマン。夕飯を家族で家で食べるなんて昔ながらのカルチャーは消滅しつつあります。

↑けっこう前に書きました、ますます競争が激しくなっている中国のジャイアント企業の現実。こういう働き方の会社勤務では、会社で夕飯を食べて残業してからだいぶ夜に帰宅するというのが普通です。

ただ、食堂が整っていなかったり、中華版Uberの饿了么(うーらま)や美团(めいとぅあん)で出前がメインになったりと不健康になりがち。さらに、激務してる本人はまぁしょうがないねとなっても、子供がいる家庭での食事は問題です。

後に解説しますが、こういった両親とも働いている家庭の子供の食事をレスキューする仕組み「小饭桌」(小さな食卓)というのがあって、これがとても素敵なんですが、これを大人が利用するということが“成人小饭桌”(大人の小さな食卓)とネーミングされ、最近話題になりました。

thepaper.cnより

小饭桌と契約し、“ご飯のヒッチハイカー”になって小学生と一緒に食べる動画がWeiboでバズりました。「ここの食事はおいしくて健康的」「ぜひ体験してみたい」とのコメントが。 また、ビジネスチャンスに目をつけ”成人食堂”を開設する人たちが現れているとのこと。

■そもそも“小さな食卓”ってなに?(ご存知の方はスキップください)

ご存知の通り、中国では共働きの家庭は一般的で、小さい子供のいる家では、おじいさんやおばあさんが学校の出迎えや食事などのお世話をする家庭も多いです。ただ、そうはできない家庭も多いです。

そこで誕生したビジネスが「小饭桌」(小さな食卓)です。ざっくりだと日本の児童園の発展バージョンをイメージください。個々のサービス内容にもよりますが、一般的にはお昼や夕飯の提供以外に、放課後に学校に迎えに行くことや、宿題を見てあげるなど、親が帰るまでの面倒を見るというもの。

サービス内容によって料金が変わりますが、基本的には学校の近くの住宅街にあってそんなに高くもない。なので、共働き家庭にとってはすごくありがたい存在です。

けっこう前からあるのですが、昔は一部の「小饭桌」では衛生が良くなかったり、子供の安全に問題が生じたりすることもありました。ただ、社会的にどうしてもニーズが高揚しますので、政府も監督管理に力を入れてきています。

例えば厦門市。各学年が始まる時期に保護者への聞き込み調査で“小さな食卓”がリスト化される。これが官民協力で行われていて、教育部門、市場監督局が連携。教育部門はその情報を市場監督局に伝え、市場監督局は委員をお店に派遣して検査、格付けを行い、最終的に学校を通じて格付けが公表される仕組みができています。その数も数千店舗に及びます。

このランク付けのためのチェックも、食の安全性を中心に、「ハード条件」「スタッフ管理」「工程管理」と、かなりしっかり行われるとのこと。ランク付けされますので、提供側も力を入れざるを得ない。厦門市は現在で6万4000人以上の小中学生が対象で、ランクAの評価は2017年は17%だったのが今は78%になっているということでだいぶ改善されてますね。

■そして現れた大人向けの“小さな食卓”

この“小饭桌”サービスは子供向けなのですが、最近成人の利用が可能となったところが増えてきて、ネットでバズりました

当然料金が安いことがメリットで、定食はスープ付きで一人当たり約400円という安さ。ただそれ以上に、安全安心な食管理、住宅街に多く便利、毎日何を食べようかと悩むこともなく、食器も洗わなくていい。さらに油っぽい出前ではなく、主に家庭料理なので、「おふくろの味」だとの良い評判もあり、評価が爆上がりです。

↑「やっと成人OKの“小饭桌”が見つかって、11年ぶりにまた通うことになって嬉しくて仕方がない」という書き込み。

“小饭桌”の運営側にとっても、大人であれば出迎えも、宿題の面倒も、子供同士の喧嘩などもなく、安全面のケアもだいぶ楽なので、大人でただ食事をして帰るという利用サービスはかなり都合のいい商売になります。

ただ、これには賛否両論の意見があります。
「小学生と一緒に食事するって、もはやもともとのコンセプト変わってないか」
「本来学生同士しかいないところに知らない大人が来て子供の安全は大丈夫か」
「成人利用者が増えすぎると子供の利用がしにくくなるのでは」
との声も。

ただ、需要は間違いなく高い。子供向け“小さな食卓”だけでなく年寄り向け“小さな食卓”も利用したいというユーザーの声も。

北京などではお年寄り食堂も増えています。コミュニティーケアサービス(养老服务驿站)による年寄り向けの健康かつ手頃な食事サービスを利用したいという若い人からの声が増えているのです。

↑日本でも高齢者の食事に関するいろいろな問題が表面化してきていて、ビジネスチャンスとしても注目されてますね

なぜ子供食堂や年寄り食堂を利用したい大人が増えるのか。デリバリーとの最も大きな違いは健康的かつコスパがいいことです。日本のUberヘビーユーザーの皆さんも気持ちが分かると思いますが、日常的に利用する出前だとどうしても油・炭水化物・不健康なものになりがちで、健康志向であればあるほどコストが高くなる傾向にありますよね。決して家庭的な感じではないです。

「小饭桌」のような需要が増え続ける中、ビジネスチャンスを常に探している中国みなさんはこれから大人向けの“小饭桌2.0”事業をたくさん開発していくと思います。北京で生活しているボクらにとっては選択肢が増えて良いことで、自身の健康が改善されることも期待です(今タピオカ飲んでますがね…)。

(参考資料)


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