「あれっ、日経の記事にツッコミが入ってる!」 (国際情勢編) 電子版Think!で専門家の視点を得る。
日経電子版の記事を専門家がリアルタイムで解説していることをご存じですか? 12月から「Think!」のマークがついた記事に、池上彰さんや中林美恵子さんなど各界の第一人者が投稿を寄せています。
注目ニュースの背景や展望を専門家が素早く読み解くことで、多角的な視点が得られる「Think!」。12月の投稿から「IT・テクノロジー編」「国際情勢編」「政策編」の3つに分けて記事への優れた〝ツッコミ〟を紹介していきます。今回は激動の「国際情勢編」です。
国際情勢の〝裏〟を深掘り
新型コロナウイルスと、米バイデン政権の話題について、専門家の読み解きをご紹介します。
イギリスで新型コロナウイルスの変異種を確認
2020年に猛威をふるった新型コロナウイルスは12月、英国でウイルスの変異種が確認されるという新たな局面を迎えました。EUなどが英国との往来の制限に踏み切る中、変異種は従来のウイルスより70%ほど感染がしやすいとされています。しかしそもそもウイルスが変異するとはどういう現象なのでしょうか?
ジャーナリストの池上彰さんはThink!への投稿で次のように解説しています。
「新型コロナウイルスは、人の細胞に入ると、その細胞を支配して自分のコピーを作らせます。このとき、いわばコピーミスが起きて変異します。ウイルスの遺伝子にはRNA型とDNA型があり、DNAは二重らせんです。コピーミスが起きても対になっている塩基がミスを修復することが可能です。いわば新聞や出版の校正係のような役割を果たすので、・・・(続きは記事ページでご覧ください)
RNAの遺伝子情報は新型コロナのワクチンにも用いられており、注目のキーワードをわかりやすく解きほぐしています。
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米バイデン政権の誕生
来年1月に米国の第46代大統領に就任するジョー・バイデン氏は12月14日夜、正式な選出手続きを経て演説をしました。「結束、癒やしのときがきた」と国民に訴えるバイデン氏は米国をどこに導くのでしょうか。
このニュースに対し、米議会政治に詳しい中林美恵子・早大教授は現職のトランプ大統領について以下のように指摘。
「(1月の)退任日まで行政権の執行を遠慮しないようだ。例えば2021会計年度国防権限法が、圧倒的多数で上下両院を通過したのに、大統領は拒否権を発動するかのようなそぶりを見せている」
トランプ氏の〝抵抗〟の裏には、退任後も共和党への影響力を行使したい思惑が見え隠れすると示唆しています。
国際政治が専門の細谷雄一・慶大教授はこうした「トランプ主義」について、政権交代のポイントを挙げました。
「バイデン政権の政策を脅かすか、またサンダーズやウォレンを支持した党内左派がどの程度バイデン政権を支え、あるいは反旗を翻すかが焦点となる」
一方、BNPパリバ証券の中空麻奈・グローバルマーケッツ本部副会長は
「政策の違いが色濃く出る結果、たとえば環境問題に力が入るなどプラスに出るものは良いが、キャッシュフローの目詰まりにより大型デフォルトが出ないか、など注意が必要になってくることも忘れてはならない」
と市場にもたらすリスク要因を解説しています(投稿全文はこちらからご覧ください)。
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今回は国際情勢分野で2つの話題を取り上げてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。専門家の視点が、これからの経済社会を考える(Think!)ヒントになるとうれしいです。
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