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就活・転職活動の重要ポイント:短期離職を繰り返す人の共通点

最近、XでブラックSESを渡り歩いた方の投稿が話題になっていました。私も第二新卒採用やキャリア相談に関わる中で、その共通点が見えてきました。

以前、以下のnoteも書きましたが、今回はより踏み込んでお話ししたいと思います。


転職しやすい人の意思決定の傾向と、その対策

転職しやすい人の意思決定について分類してお話します。

勘で決めている

まず1つ目は「ピンと来た」というものです。うまく行くタイプも稀に見られますが、多くの場合は気のせいです。よく考えましょう。

口説かれたから決めている

転職市場が円熟し、候補者を口説くことが日常になっています。1on1イベント・逆求人イベント、スカウト、リファラルなどは企業からのナンパから始まります。

そして就職氷河期を引き摺った企業以外、基本的に良さそうな人であれば選考中辞退を防ぐため、各選考過程でもアトラクトのエッセンスを入れています。

お勧めされたから決めている

ここ10年ほどで懸念していることの一つが「キャリアの意思決定におけるレコメンド文化」です。自分で能動的に企業を調べるのではなく、第三者にお勧めされた中から決める人が増えています。

人材紹介会社は成果報酬型のビジネスなので、入社してもらわないと意味がありません。そのため、レコメンドします。スカウト媒体やナビ媒体なども「あなたにあった求人」をレコメンドします。

比較検討せずに決めている

1つ内定が出たところで決めてしまうというものです。これには2つのパターンがあります。

1つは就職活動や転職活動が面倒になり、最初に内定をもらえたところで決めてしまう場合です。採用担当者のノウハウにも「早期に内定を出しましょう」というものがあります。また、短期で内定承諾期限を切ってくる企業もあります。

もう1つは、あまりに内定が出ないので、ふと内定が出たときにそこになびいてしまう場合です。私自身、博士修了後にワーキングプアを経験していたので次のキャリアについての焦りがあったので理解できます。「ここしかないのではないか」と思い詰めて入社してしまうこともあります。「就活に苦戦していた時に社長が優しくしてくれた」「就活に疲れたタイミングでアルバイト先から内定をもらえた」といったシナリオが見られます。自己肯定感が下がった時に口説かれるので、ブラック企業が付け入る隙があります。

いずれの場合も、そうして意思決定した会社に問題がなければ良いのですが、駄目なケースも多いです。

危うい「他責にできるキャリア選択」

口説かれて母集団形成される1on1イベント・逆求人イベント・スカウト、リファラル、人材紹介会社や媒体からのレコメンド。こうしたチャネルを利用すると選択肢としては十分な数になるため、候補者の多くはその中から選ぶようになります。

このやり方のデメリットとして、あくまで他人がお勧めしてきたものであるため、そのキャリアに後悔した時に自責ではなく他責にしやすいという傾向が見られます。次の転職では別のチャネルを利用することで、「先の転職ではチャネルが悪かったから失敗した」と言い換えることができてしまいます。

キャリア選択を自分ごとにしにくくなった時代背景を感じます。

別に転職しなくても良いし、辞める時は極力綺麗に辞めること

特に日本における転職のしやすさは以下のバランスによって成立すると考えています。多くの場合、年齢と希望年収が他の項目に見合っているかどうかが見られます。

  • 年齢

  • 希望年収

  • スキルレベル

  • コミュニケーション能力

    • 言語化能力

    • 折衝

  • 経験内容

    • リーダーシップ

    • マネージメント

    • 何かをやりきった経験

  • 何年くらい居てくれそうか

    • 一社あたり在籍年数

    • 転職回数

    • 転職理由

私自身、エンジニア採用に関わるようになって13年目に突入しました。人材の流動化が進んでいると言われるようになっていますが、別にありがたい風潮とは思っていません。候補者目線では上記のバランスが乱れると決まらなくなるので、人材紹介会社などからは相手にされなくなりますし、スカウトされても内定が出なくなります(スカウトは自動送信の企業が多すぎるので届きます)。

マイナビの調査によると以下のような結果がありました。

転職経験者の3人に1人が「過去退職した会社に戻りたいと思ったことがある」と回答した。

多くの方において、将来性がなかったり、いずれかのハラスメントが発生していてその原因が除去できない状況でなければ転職はお勧めせず、現職での交渉や工夫をお勧めしています。

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久松剛/IT百物語の蒐集家
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