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もうすぐ土用の丑の日 うなぎにも広がる代替食

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

定期的に本コラムではうなぎの話題が出ますが、完全に個人的な趣味です。絶滅危惧種にも指定されてしまっているニホンウナギをなんとか後世に残したい。そして、気兼ねなく食べ続けたい!という想いがあるからです。前回は完全養殖に関する記事を書いていたようです。

うなぎはその生態に謎が多く、安定した完全養殖のシステムを確立して食卓に届くレベルのコストになるまでにはまだまだ時間がかかりそうです。しかしながら、近年では長年の研究の甲斐あって大きな成果が立て続けに発表されています。今月24日の土用の丑の日を前に、水産庁では最新の研究状況の報告会が開かれました。(正確には今年は8月5日にも丑の日がありますので、食べる理由がもう一回あります)

養殖技術に関してもいろいろな研究があります。大豆イソフラボンを餌に混ぜることでうなぎをオスからメスにして、柔らかく大きなうなぎをつくることができるというような面白いものも。

天然うなぎではオスメスの偏りはないのに、養殖すると9割以上がオスになってしまうそうです。この理由はまだ明らかになっておらず、身近なのにやはり謎が多い生物ですね。。。

いま私たちにできることは、食べる量を抑制することくらいです。この中にはフードロスの削減も含まれています。最近コンビニではこの時期のうなぎ弁当を「予約制」にする動きが出てきています。思い立ってすぐ買えるというのは便利である一方、どうしても売れ残りによるフードロスが避けられません。必要な分を確実に売り切る努力は供給・消費者両方にとって必要なことだと思います。

別の視点では、動物性食材を使わない「代替食」の開発もあります。いわゆる大豆ミートや植物性油脂を活用したプラントベース・フードなどです。日清食品ホールディングスは11日、土用の丑の日に向けてウナギのかば焼きを代替する「プラントベースうなぎ 謎うなぎ」を数量限定5000セットを同社サイトで発売。1分未満で完売したとのことです。

動物性食材を使わない「代替食品」が世界で広がっている。欧米に後れを取っていた日本でもじわりと浸透が進む。現時点で最も普及しているのは、大豆などの植物性食材を利用する「プラントベースフード(PBF、植物性食品)」だ。

牛・豚・鶏といった畜産肉を再現した「代替肉」に関する市場調査を手掛けるシード・プランニングは、2030年に日本市場が780億円、世界では886億ドルになると予測する。

背景には環境や資源の課題がある。畜産は環境負荷が高い。広い土地や大量の水が必要となり、し尿からは温暖化ガスのメタンを排出する。こうした背景が事業継続に対する危機感を生み、企業を突き動かす。

日経電子版

うなぎに対する日本人の興味関心はとても高く、海外の研究者からも驚かれるレベルだそうです。水産資源の持続的な利用という観点では消費のこと、そして生育環境のこと、様々な要素に目を配る必要があります。うなぎをきかっけとして限りある資源をどう活用していくべきか。ひとりひとりが考えるきっかけとして土用の丑の日を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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タイトル画像提供:ささざわ / PIXTA(ピクスタ)


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