50代で人は仕事の価値を見失う。偉くなるために働くのではなく、仕事の価値を持ち続けるために何をすべきか。
ワークス研究所が発表している「働くの論点」を読んで、改めて衝撃を受けたので書いてみようと思います。私たちは、人生100年時代を生きていて、70歳、80歳まで働くのが当たり前となりました。50代と言えば、働く期間としてはど真ん中にあたります。
その働く期間ど真ん中の50代で人は仕事の価値を見失っているというデータが提示されています。
以下、仕事に価値を感じるかどうか、価値を感じるかどうかに影響を与える因子がまとまっています。
高い収入や栄誉に仕事の価値を置きすぎて行き詰まる
20代、30台、40代と仕事に価値を感じるかどうかは、「高い収入や栄誉」によって支えられています。そして、その実現が難しくなる、思うようにいかなくなったときに、仕事への価値が一気に下がってしまうという事実があります。
一方で、その世代を超え、70代になると、再び、仕事の価値が回復する。
70代にて高まる価値観としては「他者への貢献」「体を動かすこと」などがあるが、いずれも20代 では重視されていません。そして、40台までで最も重視されている「高い収入や栄誉」はむしろ仕事の価値としてはマイナスになっています。
この時、過去リクルートで掲示されていたポスターを思い出しました。
当時の役員を描いたイラストが三輪車に引かれ、「リクルートのなかでえらくても、しょうがなかったりして。」というコピーがついたポスターです。
これは、カルチャーとセットとなり、とても共感の高いポスターでした。
偉くなるためにリクルートに入ったんだっけ?
何か面白いことをやりたくて、成長したくてリクルートに入ったんだよね?
という原点をしっかりと伝えるポスターになっているからだと思います。
もちろん、高い収入や栄誉も大事だと思いますが、20代、30代から、
「他社への貢献」・「仕事の体験」・「能力の発揮・向上」により価値を感じることができる社会になっていく必要があると感じています。
パーパス(存在意義)を重視した経営へ
そんな状況とも相まってか、パーパス(存在意義)を明確にした経営の重要性が叫ばれています。
その価値も年々明らかになってきていて、従業員が仕事に意義を感じる「高パーパス」組織でかつ経営方針が明確な企業は、総資産利益率(ROA)や株式リターンが高まりやすいとの分析も出てきています。
従業員一人一人がパーパスを実感できるように努力を進めている企業も増えてきています。何のために働くのか、自分は何がしたいのか、を定期的に見直し、会社のパーパスとすり合わせることが価値ある職業人生を長く送る秘訣だと思います。
Will Can Mustを重視した経営へ
また、30代以降で「仕事の体験」・「能力の発揮・向上」が高まっていないのも課題だと思います。高まらない原因としては、意図的に仕事の体験や能力の発揮・向上が設計されていないことが大きいのだろうと感じました。
以前書かせていただきましたが、パーパスを踏まえつつ、どのような能力を伸ばしたいのかを意識しながら、仕事の体験と学びを設計しながら働き続けることは非常に重要だと思いますが、それを実現するためにこそ、Will-Can-Mustを組織運営に取り込み進めていくことが重要だと思います。
人生100年時代、70歳、80歳まで働く時代のど真ん中である50代で仕事の価値を見失わず働き続けられる社会・個人になるためには、パーパスの設計・浸透・接続と、WillCanMustの運用による能力発揮・仕事の体験設計に意図的に取り組み続けることが重要だなと思います。
偉くなるために仕事をするだけではなく、他社への貢献、仕事からの体験、能力の発揮・向上などの要素も高く、仕事に価値を感じられる日々にあふれていくと良いですね!
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