「人脈」を生かすために気をつけたい3つのポイント
お疲れ様です。メタバースクリエイターズ若宮です。
今日はちょっと「人脈」について書いてみたいと思います。
人脈は基本的にはあっていい、でも気をつけたいポイントが3つある
改めて考えると「人脈」って不思議な言葉ですよね。
「人脈を作る」、「人脈が広い」などと使われますが、「人脈」ってそもそもなんなのでしょうか。語源っぽいものを調べてみると、人のつながりを山が連なる様子(=「山脈」)に例えた、とか「鉱脈」から来ている、とかいう説があるようです。
かくいう僕も、初めて起業した時には「人脈づくり」をけっこう頑張りました。毎晩のようにスタートアップやビジネス系のイベントに出向いて、数えてみたら年に150回とかイベントに言っている「イベントおじさん」と化し、そこでの名刺交換を通じてつながりを増やしました。それで、どうだったか?
それから5年くらい経って振り返ると、結論としては「人脈づくり」をしてよかったなと思っています。特に、起業家として活動する時には、自分の事業を知ってもらったり、広めてもらったりして少しずつ応援者が増えていくので、人脈が全くないないとつらいところがあります。
一方で、「人脈づくり」には罠というか、注意すべきポイントが3つくらいある気もしています。
1)短期的損得ではなく中長期の共感でつながろう
「人脈」において気をつけるべきポイントの第一は「短期的な損得で考えない」ということです。
人脈づくりはまさに「人」と「人」のつながりをつくる行為。それは直接的にビジネスにつながるとは限りません。
「イベントおじさん」をやっていた頃、時々明らかに営業目的の人たちが一部にいました。いや、勿論自分も事業のためにつながりをつくりたいという意味ではそうなのですが、それでも会の主旨をちゃんと楽しんでつながりをつくるのが大事だと思います。コミュニティイベントとかでも、ああ本当はそのテーマには全く関心なく、ただの営業なのだな…という方を見かけるとちょっと残念というか、やっぱりつながりたいとはあまり思いません。
直接的にビジネスにつながる人脈を追求しすぎると、他人をお金や顧客としか見ないようになってしまい、結果的には人としてちゃんとつながることができない気がします。「人脈」という言葉があまり好ましくないと感じられるのも、こういう「鉱脈」みたいに損得で人をみている時な気がします。(financeとはfinishと同根の語源で「関係を終わらせること」というのは言い得て妙だなとおもいます)
一方、目先の損得ではなく、共感や共鳴できる人とのつながりをつくれれば、その人間関係は中長期的な資産となります。
僕自身、起業した時につくった人脈は必ずしもすぐ仕事につながったわけではありません。その時なんとなく意気投合してゆるくつながっていただけ。それが、数年経ってなんとなく仕事をご一緒したり、新たな活動を始めた際にアドバイスや応援をしてもらえたりして、それが本当にありがたいんですよね。
プロジェクトの創造性においても「弱い紐帯」が重要、とよく言われますが、これとも通じるポイントな気がします。
「人脈」は、その時点で自分の仕事に直接役立つかどうかではなく、長い目で見て自分と共感し、共鳴できる人を見つけるのが大事なのです。
2)その「脈」は血が通っているか?
2つ目のポイントは「脈を大事にする」ということです。
「脈」というのは血流で脈打つあれです。トクントクンっていう。
ただ一回会っただけとか、ちょっと話しただけでお互い何しているかわからない人でも、共感したり共鳴したりする方とかは何かしらお互いリアクションしたり定期的なコミュニケーションがあるものです。
たとえばSNSとかでお互いにポストに反応したりコメントを交換したり、そんな些細なことでも「脈」を感じられる、血が通う瞬間があります。
自分もやったことがあるのでみんなあることだと思いますが、たとえばクラウドファンディングや事業の宣伝の時だけ連絡するケースってありますよね。勿論、それだけ必死だったり一人でも多くの人に知ってほしい!応援してほしい!という気持ちは痛いほどわかるのですが、それでもやはり過去のDMを見返すと宣伝ばかり…「そういう時にしか連絡してこない」というのはちょっと微妙な気持ちになります…
一方的なコミュニケーションにはどうしても心が離れてしまいがちですよね。
念のために言っておきますが、僕はそういう告知の努力が悪いとは思っていません。伝えたい、知ってほしい、そういう気持ちや、地道な努力をしている方は応援したくなります。
問題は、日頃まったく脈が止まっている(つながりが「死んでいる」)ことです。
先程書いたように、「中長期的な人脈」において大事なのは共感や共鳴であり、それがあれば自然にコミュニケーションは生まれると思います。そもそも、告知の時以外にまったくやり取りがないって言うことは、あんまり共感や共鳴するポイントない、っていうことではないでしょうか…?
よく「共鳴のマーケティング」という話もするのですが、今の時代、共感・共鳴がない場合の告知は「押し付け」や下手をすると「ネガキャン」にすらなりかねません。
「生きた人脈」は、本来、自然に脈打っていて血が通っているはずです。
「山脈」や「鉱脈」のような固く冷たいものではなく、本当につながっていくのは、もっと温かい「脈」だと思うのです。
3)自分のためよりも人のために活用する
3つ目のポイントは、「人脈を他人のために生かすこと」です。
僕たちが人脈を作り、それを自分のために利用しようと考えると、どうしても短期的な視点になりがちです。
そうではなく、「共感や共鳴している人たちとの血の通った人脈」が生きる時というのは、自分だけのためだけではなく、他人のために使った時だという気がしています。
共鳴というのは伝わり、その次の人を鳴らすことでつながっていきます。例えば、感じ方や目指している方向が自分と波長が合う人たちがいたとして、「あ、この人とこの人が出会ったらきっと何かが起こりそう」と思う瞬間があります。
こうしたつながりは、自分自身の損得から離れており、かつ共鳴にもとづいているので中長期的なつながりになりやすい気がします。そして自分が知らないうちに何かが起こっていて、実はあの時のご縁で、と感謝されたりして、今度は誰かの「人脈」のご縁が帰ってきたり、長いつながりの円環のなかで恩恵を受けることができるのです。
TIPS:人脈の広げ方
以上のようなポイントに気をつけていただいた上でなら「人脈」が広がるのはやはりプラスだと思います。ので最後に、僕がおすすめする人脈の構築術を。
それは、リアルとSNSを交互にレバレッジすることです。例えば、僕が起業したての頃の例でいうと、イベントで誰かに出会ったときには長々と売り込みをするよりも、自分の思いや興味をシンプルにを伝えることを心掛けていました。
時間が限られているときだからこそ、短期的・具体的な売り込みよりも、自分のコアを伝えることが大切だと思います。まずはそこで共感や共鳴でつながります。
そして次に、SNSを活用します。現地の自己紹介の際には全てを伝えきれないので、興味を持った人とはSNSを通じて「弱い紐帯」を持つのがいいと思っています。
リアル出会った後、DMでお礼を伝えておくのはおすすめです。しかしそこでまた急に営業トークをするのはあまりおすすめしません。(会った日のLINEで「今日はどうも。今度ホテル行きません?」って送られたら引くというのに近い気がします)
日頃から自分の活動や興味を情報発信して、相手から反応があったらやりとりして、徐々につながりを深めていくといいですよね。SNSがない時代にはなかなか難しいかもしれませんが、今はこういう押し付けがましくない繋がりの中で共感・共鳴を深めたり見つけたりすることができます。
またこれと逆に、SNSのつながりをリアルにつなげることもできます。例えば、どうしてもつながりたい、と思う方にはイベント終わりなどで話しかけにいってご挨拶するのですが、Facebookで「共通の友達」がいたり興味の共通点を探しておき、話題に出したりします。全く見知らぬ人からの友達申請よりも、友達や関心に共通項がある方が近くなりやすいですよね。
リアル→SNSへとつながりを時間的につなげ、そのSNSのつながりをレバレッジして今度はリアルなつながりを拡張する、そんな感じで人脈を増やしていました。
ただし、ここで注意です。
前半でのべたように、人脈というのはただ増やせばいいというものではありません。短期的な損得ではなく、ちゃんと血が通った「脈」で、かつ自分のためだけではなく「生かす」こと。それを忘れるといくら人脈が広くなっても本当の意味でのつながりにはならないので、そんなことを大切に育てるのがいいと思います。
さて、あなたの「人脈」は血の通った、生きた人脈になっているでしょうか?
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