ドイツで今人気のアニメとは?
ドイツでもクランチロールなどのアニメ配信が充実し、ほぼリアルタイムで日本のアニメ作品を視聴できるようになりました。今回はドイツで今人気のアニメはどの作品なのかについて考えてみました。
海外で人気のアニメ作品はこれだ!という情報はたくさん本当にたくさんあります。アニメニュースサイトの運営者による評価だったり、読者の人気投票、自分が視聴した作品をリスト化して管理できるサイトのビッグデータ、アニメ配信大手クランチロールが評価、発表する年間アワードなど、実に多様です。
しかし、どの集計も、その国の平均値にどこまで迫っているかというと微妙なところがあり、一長一短があると感じています。そもそも、「人気」という主観的な価値観の見える化ほど難しいものはないのかもしれません。できることといえば、そこから派生した様々なデータを組み合わせて実像に迫ることくらいではないでしょうか。
筆者も過去にドイツにおける古いアニメ作品の円盤化実績を調べて、発売される背景には「根強いファンがいる=人気がある」と想定して検討してみました。
今回は、アニメ配信大手のクランチロールで秋アニメの各話コメントの量を調べてみました。まずは結果を御覧ください。
2023年秋シーズンにクランチロールがドイツで配信(日本語音声&ドイツ語字幕)したアニメ作品は50タイトルあります。そのうち、自社ニュースサイトで「シーズンハイライト」作品としてグラフ中の6作品を取り上げています。(関連記事:ドイツ語)
このグラフですが、10月初旬に配信開始したエピソードを基準に並べています。ただし、フリーレンが初日に3話放送したこともあり、各タイトルの話数は配信日とは一致しません。
これを見ると、コメント数が最も多いのが『呪術廻戦』で、頭一つ抜け出しているのが分かります。『葬送のフリーレン』と『スパイファミリー』は初動はよいので、それだけ前評判が高かったと見て取れそうです。フリーレンは中盤からコメントが増えて特にアウラとの決戦シーンのあたりでドイツの視聴者の反応が大きかったです。また、低調なコメント数だった『シャングリラ・フロンティア』は後半に強く上昇するエピソードがあったようです。
各話コメントはあくまで一例です。クランチロールは作品毎やそのエピソード毎の視聴回数を公開していません。一方で、コメント数と「いいね」の数は表示されています。こういった数値は、各国語字幕や日本語/現地語の音声バージョンでもそれぞれ公開されているので、どれだけ作品が注目されているのかを知る判断のひとつにはなりそうです。
アニメの海外配信をめぐっては、先日、講談社などがインドで配信を開始するという報道がありました。色々な統計やランキングがあって良いと思いますが、コメント数も比較すると面白そうです。