プーチン氏の音声解析
音声解析によって見えること
この記事を読み、おお、面白いと思いました。が、技術的な面白さが落ち着くと、さてこれをどう活用できるのか、というところで立ち止まりました。
僕が経営に関わっているHoloeyesという医療XRベンチャーでも同様で、VRやMRの技術的面白さだけでは、あたりまえですが医療現場での導入が進むことはなく、その先に、医療の現場でどのように活用でき、患者を助けるためにどのように役立つのか、が求められます。そこでの活用に至った方々が導入してくださり、継続的に活用し、日々の医療活動に活用していただけるようになります。
技術ドリブンで動いている間は、さまざまな可能性を模索する実験的段階であって、その先の未来を幅広く思い描く必要があるのだと思います。そして、それは使う側の私たちが知恵を絞る場でもあると思います。それが、フューチャービルダーとしての使う側の仕事でもあるように思えます。
冒頭の記事に掲載されていた技術とは別の会社のものですが、同様に音声による感情解析エンジンの結果をカンブリアナイトにて発表してもらったことがあります。
カンブリアナイトとは、ヒューマンセンシングを軸とした他業種の人々が集まる、一部に熱狂的なファンを生み出した三密混沌イベントです。コロナ禍において開催が困難となってしまい、現在休止中です。詳細は、こちら。
そこで共有いただいた先行研究事例の中でも、笑顔で話ながらも悲しみの判定が出ているものや、怒りの判定が出ているものなどがありました。音声を解析することで、感情の振れ幅や、心理的な状態(緊張、怒り、悲しみ、喜び)などを予測することができる技術は、すでに社会実装されています。
音声解析の社会実装
同会社は、最近、JamRollという新しいサービスをリリースしました。同社サイトには、次のようにあります。
カンブリアナイトでは、「みえる」「わかる」「できる」「かわる」のループの中で、この「みえる」「わかる」のセンサー&解析技術と、「できる」という介入技術の間の接続の重要性に目を向けてきました。そこがなければ、世界が「かわる」ことは難しいからです。
解析と介入の間
冒頭のプーチン氏のストレス判定。これも、見えてきた状況に対して、どのような介入を行うことが可能なのか。そこに、未来を描くための一歩があるように思えます。
解析技術は介入技術を伴うことで、現実改変能力を得ます。
また、介入技術は、どのような未来を作り出したいかという指針なくして扱うことができないものでもあります。
私たちは、いったい、どのような未来を求めているのでしょう。
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