バクラク勤怠、はじめます
どうも、すべての経済活動を、デジタル化したい福島です。
昨日、LayerXで人事領域に参入するというリリースを出しました。その第一弾が勤怠管理になります。
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なぜ勤怠をやるのか?
リリースから大きな反響がありまして、SNSでさまざまな意見を目にしました。その意見を見て「なるほど、この視点があったか」と唸るような意見もありました。しかし実態はというと、恥ずかしながら我々そんな深く考えておりません。勤怠の参入に関してはかなり直感的な意思決定をしています。
勤怠を出す理由は、「お客様が困っているから」「バクラクの要望の中で一番多いものが勤怠を作ってほしいだったから」です。本当にただそれだけなのです。
新規事業を考える際、当社も、「こういう領域が有望だ」、「戦略的に考えたらこういったデータが重要になるだろうなのでこの領域のプロダクトを」といった戦略的議論は行います。しかし結局は「お客様がどうしようもなく困っている」「お客様が強烈にプロダクトを欲しがっている」状態でない限りすべて絵に描いた餅に終わってしまいます。
経営者人生において、多くの新規事業を作ってきました。その中で多くの失敗をしてきました。失敗の一番の要因は「顧客インサイトの軽視」であり、(数少ない)成功の中の共通点は「顧客インサイトの重視」だったと振り返ります。
今回もその信念に沿い、「顧客インサイトを重視」しました。
たくさんの葛藤が社内でありました。「バクラクは今まで経理領域のサービスをやってきた。労務領域でも果たして本当にいいものがつくれるのか?」「営業の対面が経理から労務に変わる。営業が持つべきドメイン知識も相当変わる。本当に売れるのか?」「勤怠の領域はレッドオーシャン。また最後発で参入するのか?」「勤怠より他に優先する経理領域でのサービスが存在するのでは?」「勤怠を本気で作ろうとすると膨大な機能を最低限でカバーする必要がある。本当にこれをやるのか?」…等
LayerXが勤怠をやる理由が「お客様が困っているから・欲しているから」というただ一点しかない一方で、勤怠をやらない理由は100個以上、容易に思いつきました。
議論すればするほど、私も「やっぱり勤怠はやらないほうがいいのかな…」と考えるようになっていきました。
共同代表の松本とは2週間に1度の頻度で1on1をおこなっています。上記の話をぼんやりと相談したところ「最近の福島さんは頭良くやろうとしすぎ。やらない理由を考え始めたら新規事業など1つも立ち上がらなくなってしまう。もっとbe animal(※当社の行動指針です)にやろう」という旨のフィードバックをもらい、ハッとしました。
そこであらためて、お客様から来た要望リストを見直しました。勤怠がいかに求められているか、お客様がいかに困っているかを思い出しました。心の奥底から沸々と湧き上がる情熱を感じました。
一見地味に見えるが、お客様が困っていて、社会的な負を生み出している。こういう領域に最高のプロダクトを出すことで「経済活動をデジタル化」していく。それこそがLayerXがやりたいことだったはずだと。
あらためて社内で「勤怠をやろう」と合意を取りました。これが偽らざるLayerX内であった勤怠を始めるまでの経緯です。
体験にこだわる
従業員満足度にこだわる
バックオフィス領域では、数多くのSaaSが存在します。その多くは「管理者向け」に作られていています。LayerXがバクラクをリリースする際、大切にした考え方は「従業員満足度にこだわる」というものです。
経費精算を例にとって考えてみます。経理の方に経費精算のペインをヒアリングすると、最大のものは「従業員が領収書を出してくれない」という経理ではコントロールできない経理「外」の問題でした。領収書を出した後の経理業務がどれだけ改善されようとも、そもそも領収書が提出されないという根本の問題が残ります。
そこでバクラクが取った方法は「写真を撮るだけで経費精算が完結する」というように従業員体験へのフォーカスでした。それによって領収書がそもそも出されないということを防ぐというアプローチでした。
勤怠も似たような構造があり、「そもそも勤怠をつけてくれない、つけてくれても間違っている」というところに課題がありました。これは労務「外」の問題です。
こういった、管理者と従業員で起こるギャップを、従業員満足度の高いサービスを作ることで解決することをLayerXは一貫してやってきました。経理と労務で一見違うように見えるものも、一歩深ぼってみると同じ構造の問題があります。従業員満足度にこだわっていくことを、勤怠の領域でも貫いていきます。
仕様をシンプルにする
バクラク勤怠は従業員満足度だけでなく、管理者満足度にもこだわっています。
バクラク勤怠を作る際、多くの労務の方にヒアリングしました。従業員視点以外に管理者の満足度も非常に低いという事実がわかりました。ここには様々な就業規則や法律に対応するために、設定やUIが複雑になっているという課題があったり、コロナ影響でリモートワークが主流になることで、正しい打刻が取れなくなっているという背景がありました。
LayerXのものづくりの大切な思想に「仕様をシンプルにする」というものがあります。
経理にせよ労務の領域にせよ、就業規則への対応・法律への対応が定期的に起こります。またリモートワークの登場など、習慣の変化も定期的に起こります。そういうった変化に対して、「仕様をシンプルにする」のは非常に難しいです。技術力が必要です。ここはまさにLayerXが得意とするところです。
ベストなチームで臨む
少し違った角度の話になりますが、LayerXの勤怠にかける姿勢の話になります。
CPOの榎本、労務領域のプロダクト経験者・ドメインエキスパートに加え、上場企業の役員という経験がありながらも、ゼロからの新領域の立ち上げにコミットするために、LayerXにジョインした谷を加えた、考えうるベストなチームで臨んでいます。
そしてLayerXの新規事業立ち上げの原則に則り、このドリームチームが兼務無しで勤怠の立ち上げ「のみ」に集中しています。
LayerXにとって人事領域は初の試みですので、とにかく手探りなことばかりです。しかしこのチームなら最高のプロダクトを創り上げてくれることを確信しています。従業員体験にフォーカスにした最高の勤怠サービスを作ってくれるはずです。
おわりに
バクラク勤怠、はじめます。というお話でした。
改めてになりますが、現在事前登録受付中でして、事前登録いただくと6ヶ月間無料になる特典がついてきますので、ぜひご登録ください。