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[レポ]フランクフルト・ブックフェア2023:日本・マンガの行方

世界中の本が集まる、本の祭典、国際書籍見本市「フランクフルト・ブックフェア」が10月18日から22日まで今年もフランクフルトで開催されました。
といっても、筆者が気になるのは日本関連やマンガの動向なのです。今回もそのあたりの印象をざっくりご紹介してみようと思います。

フランクフルト・ブックフェア2023とは?

まずは概況から。公式発表によると、「フランクフルト・ブックフェア」は今年で75回目の開催となりました。世界130カ国から21.5万人が参加しました。今年のゲスト国スロベニアを代表する哲学者のスラヴォイ・ジジェクの言動やドイツ書籍協会平和賞に選ばれた英国のインド系作家サルマン・ラシュディがメディア的には注目されました。

言論の自由よりもサイン?

筆者が参加した21日の土曜日は一般デーで、ドイツの出版社が集まる3番ホールでは、作家のサイン会やトークショー、朗読会を目当てに来場者が殺到していました。彼らにとって、言論の自由をめぐる討論会はあまり重要ではないのかもしれません。

3番ホールの様子(筆者撮影)

ドイツのマンガ出版社

ちなみに他のホールは空いています。わざわざ3番ホールに足を運んだのは、ドイツの出版社エリアにはドイツの児童書出版大手のカールセンのブースがあるからです。日本のマンガを翻訳する出版社としてはドイツ語圏最大で、レーベル「カールセン・マンガ」だけでなく、近年はLGBTなど尖った作品にフィーチャーしたレーベル「HAYABUSA」も定着してきました。

カールセンのブースの様子。混雑のためゆっくり新刊をチェックしている余裕はありません。(筆者撮影)

3番ホールには、韓国のマンガ、マンファのドイツ語版を展開するレーベル「マンファ・カルト」を立ち上げた「マンガ・カルト」のブースもあったのですが、立ち寄る余裕はありませんでした。(なので、Xの投稿を紹介しておきます)

アニメ・マンガ風のビジュアルで大きく展開していたのは。。。

世界各国の出版社のブースを巡りながら、アニメや日本への関心度を探っています。今年、目立っていたのは中国と韓国でした。中国の出版社が集まるエリアでは、大掛かりなブースが設置されていました。ちょうど作家のサイン会が実施されていて、多くの若者で賑わっていました。そのブースを裏から見たのが下の写真です。

中国の出版社のブース(筆者撮影)

韓国の出版社が集まるエリアに行ってみると、またしても日本のアニメを思わせるブースがありました。こちらはすでに撤収済みで、ビジネスデーだけの参加だったようです。

韓国の出版社のブース(筆者撮影)

日本の出版社のブースはというと、日本のマンガ専門店のような感じでポスターやポップが飾られていました。華やかさは欠けるものの、筆者としてはとても落ち着く空間となっていました。

日本の出版社の様子(筆者撮影)

(補足ですが、日中韓のいずれもマンガ以外の本も充実していました)

マンガ風似顔絵作成イベントも!

さて、マンガファンに向けたプログラムとして今年は「コミックセンター」が日本の出版社が出展する6.1番ホールに設置されていました。そこで土曜日に多くのマンガファンで賑わっていたのが、マンガ風似顔絵作成イベントでした。ドイツのマンガ家/イラストレーターが迷いのないペン捌きを披露していました。

マンガ風似顔絵作成イベントの様子。中央・クリスティーナ・プラカさん、右はHelgawagaさん。(筆者撮影)

世界の本を楽しもう。

北米や南米、アジア、中東など、世界の本を楽しめる場所なので、マンガや日本関連以外にも見どころは非常にたくさんあります。
ちなみに、筆者が気になったのは中国エリアで見かけた歴史マンガと、スペイン・カタロニア地方のブースにあった日本語学習書でしょうか。

中国の出版社による三国志のマンガ(筆者撮影)

前者は、三国志の時代の巻だったのですが、個人的に三国志ファンなこともあり、嬉しさが込み上げてきました。後者は、マンガ人気を背景に各章を学び終えるとマンガのページがあり、日本語でマンガを読む体験ができる工夫が面白いと思いました。

スペイン・カタロニア地方の日本語学習書(筆者撮影)

以上、「フランクフルト・ブックフェア」のレポートでした。世界のマンガ事情に興味のある人も、そうでない人も楽しめる見本市だと思います。
特にマンガ関連の話題は日本のメディアで取り上げられることはほとんどありません。ぜひ現地で世界の最新動向をチェックしてみてください。

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