「大人のトライアスロン」連載15回の途中まとめ
2024年はコロナ明けリスタート2年め、「身体性あるお祭り」のエネルギーを書いていきます。'23年末まとめ(の少し拡大版)として、2022年10月からの日経ビジネス電子版連載「大人のトライアスロン」15回分の連載について整理してみたよ。
「コンテンツとしてトライアスロン」のマイナー度
まず歴史にすこし触れておこう。大前提として、トライアスロンは市場が小さい(or 超小さい)ので記事になりにくい。日経電子版でこの1年で「トライアスロン」は26件。主にオリンピック関連で数人のエリート選手がニュースで報じられるのみ:
「ランニング」では226件、「マラソン」の方が多くて299件、ほぼ毎日ペースで、テーマも幅広い。多すぎるし「ラニングコスト」とかも入ってしまうしで、「ランニング 大会」と絞っても62件、「自転車 大会」だと92件、毎週ペースだ。
それくらいマイナーな素材なのだが、ランニングや自転車を含めた「参加型スポーツ」の代表的に連載の場を頂いている。本質的にやっていることは同じだから。トライアスロンの性格として、ややこしさ、複雑さ、めんどうくささ…等々がいくらか濃い程度で。
一般向け媒体でのトライアスロン
そんなマイナー市場で、2010年ごろ、白戸太朗さんが『仕事ができる人はなぜトライアスロンに挑むのか!?』を出版、ヒットさせる。同時期に日経ビジネスオンライン(当時)で作家増田晶文さんのトライアスリート経営者インタビュー「なぜ経営者が泳ぎ、漕ぎ、走るのか」が連載されていた(削除済で見れません)。白戸さんの本とも繋がりがあった記憶がある。
これが「第2次トライアスロンブーム」の時期だ。マイナー市場なのにコンテンツとして成立したのは、「仕事ができるスター経営者」と「趣味トライアスロン」とをリンクさせたコンセプトの勝利だと思う。
以後、有名メディアでの関連記事は、たまに単発的に発表されるだけだったと思う。上記2つのインパクトがそれだけ強く、超えられなかったのかもだ。
そろそろ「2020年代のトライアスロン」について語ろう
そして10年経ち、コロナ禍がほぼ明けてリアル社会が動き始めた2022年の夏、そろそろ「2020年代のトライアスロン」について語ろう、という機運がうまれた
のかどうは知らないがw 2018年に道端カレンさんインタビューを担当いただいた日経BPの方から、22年8月末にお声掛けいただき
オンラインミーティングから2週で全体企画案と初回原稿案を作成して、始まった。1年は続けたいなあ、と思っており、途中で担当編集さんが栄転されての体制変更もはさみながら、2年目に入れてちょっとうれしい2023年末です。
「大人のトライアスロン」過去15回の振り返り
過去15回分の記事を「参考になった」数で並べた一覧を作ってみた。その上位側Best7:
最も反響があったのは、連載4回目の『トライアスロンをやめて分かった「体力=仕事力」』。23年1月23日公開、9日間だけで1月の月間ランキング6位に入った。公式Facebookでも、79シェア609いいね。
ちなみにこの記事のアイデアは、22年11月末、以前からの知人のFb投稿。
等々の数行のFb投稿のコメントが、「私も!私も!」と超盛り上がっていた。ちょうど連載開始した直後で、僕は1月に予定してたのを後に回し、12月にFbメッセンジャーでインタビューしてぱぱっと書いた。何も考えずに勢いで出したくらいのが一番バズるというのは世の中よくあることだと思う笑
2番めは初回「忙しい人ほどハマる? 大人のトライアスロンには何があるのか」。最も気合いれて書いた回(当然)。ご祝儀的に注目いただいたと思っているが、この好反応で、しばらく実験的、挑戦的に書けるかな、と思った。公式46シェア449いいね、トライアスロンはFbのほうがTw/XやIgより反応がいい。
3番めは10回目の「準備に5年、満員でも赤字のトライアスロン大会を開催し続けるワケ」。大会運営者としての白戸さんの「お金は大事だよー」という話で、トライアスロンを超えて共感された印象。
テーマ別では、1位=人(インタビュー)、2位=トライアスロン自体、3位=大会運営、ときれいに3種目そろってトライアスロン的な😁
2位はトライアスロン特有の話だが、1位は40代以降の人類であれば全てに共通、3位もマラソンでも自転車でも参加型スポーツ大会の運営であれば全てに共通する話。
ちなみに旧ツイッタで最も露出してるのは、知る限り、7位のこれが表示10万超:
トライアスロンに限らない広いテーマほど拡散するが…
全体に、トライアスロンに限らず、より広いテーマとリンクするときに、反応は広がりやすいかな。ただし、下位3つもこれ系ではある:
それぞれ意味ある話ではあり、直近の「金持ち〜」も創世記の新情報を発掘できたし、高く評価してくれる人もいる。ただ、広くにアピールするには、このタイトルではないんだな、という学びもある。「仕事は体力!!」とか「お金大事!!」とかシンプルで誰にでもあてはまるテーマをシンプルに出したほうが読まれやすい。当たり前か。でも、それだけでは情報として薄くなってしまうのは確かで、量的には読まれなくとも、質的に残しておくべき情報はある。たまにヒットしてくれることで、こうしたマニアックな話も挟めるかな、と思っている。
2023年の参加型スポーツ全体をみれば、参加費も、
シューズも、
世界的なインフレに巻き込まれている。大会運営者の財務体力は(大企業スポンサーを集められる少数の有名大会を除いて)じわじわ弱ってゆき、参加者数もコロナ明けに戻っていない。これは前回『金持ちを引き付けるトライアスロン 「挑戦精神」イメージが背景に』で書いた通り、世界共通の傾向だ。
一方で、コロナ明けの今年は「身体性あるお祭り」へのエネルギーが爆発しつつある1年。2023年のTIME誌「今年の人」は歌手テイラー・スウィフト、世界ツアー興行収入10億ドル超を稼いだ:
夏の甲子園の慶応高校も、フル応援解禁を最も活かした結果な気もする:
このエネルギーは、2024年、参加型スポーツの分野でも入ってくることだろう。「WATCH」登録してお読みくださいー
(トップ画像は九十九里、ここの大会は出たことないけど人気)
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