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2020年-2021年にコミュニティ活動はどう変化し、どのような課題が生まれたのか

人々がオフラインの場で会いづらい状況となり、間も無く2年が経とうとしています。その間にオンラインを活用したリモートワークやオンラインでのイベント開催は爆発的に増えました。

そのような中、コミュニティ活動の状況はどのように変化したのでしょうか。また日本においては、新型コロナウイルスの感染者数も落ち着きを見せておりますが(2021年11月現在)、新しい行動様式が生まれているのでしょうか。

今回はコロナ禍を経て、コミュニティ活動がどのように変化し、課題は何かについて書きたいと思います。

コロナ禍におけるコミュニティ活動の変化

コミュニティ活動がオンラインに移行していく中で、オンラインイベントの開催数が爆発的に増えました。オフラインでのイベントの開催が難しい中、オンラインのイベント数はコロナ禍以前のオフラインイベントの開催数と比較しても大きく増えました。

  • 会場がない分、費用も掛からず手軽に開催しやすい

  • これまでオフラインだと会場参加してもらうのが難しかった層にもリーチできる

  • より多くの参加者が期待できる

などと言った理由でコミュニティ主催者側としても開催しやすいオンラインでのイベント活動は広がっていったのです。

コミュニティ活動がオンラインに移行したことによるメリットは参加者側にもあります。

まず、「参加のしやすさ」が挙げられます。オンライン配信だからこそ家や職場からでも気軽に参加することが出来るので、参加のハードルが下がり、参加頻度が上がっていることが伺えます。

Peatix Japan株式会社 「2021年イベント調査レポート」より

上記データは、「コロナ禍(新型コロナウイルスの蔓延に伴う2020年4月の緊急事態宣言以降)の、オンラインイベントへの参加頻度を教えてください」というイベント・コミュニティ参加者への問いに対しての回答ですが、「月1度以上」参加するという人が22.6%、「4半期に1度〜毎月1度未満」参加する人が30.5%おり、積極的にイベントに参加している傾向が見てとれます。

コロナ禍におけるコミュニティのつながりの変化

オンライン化が進んだことでコミュニティ・イベントへの参加回数は増えているわけですが、コミュニティ活動も活発になっていると言えるのでしょうか。ここではコミュニティ醸成において大切な「つながり」にポイントをおいて見てみたいと思います。

Peatix Japan株式会社 「2021年イベント調査レポート」より

上記はイベント・コミュニティの主催者に対して「主催するイベントにおいて、参加者同士の交流はどのくらい重要ですか?」という問いへの回答となりますが、主催者側としては「とても重要」「ある程度重要」を合わせると73.5%の主催者が参加者同士の交流が大切だと考えています。では実際に参加者同士の交流・つながりはしっかりと作れているのでしょうか。

Peatix Japan株式会社 「2021年イベント調査レポート」より

上記のデータは、イベント・コミュニティの参加者に対し、「主催者と参加者、あるいは参加者同士の交流・つながりについて、もっとも当てはまるものを選んでください」という問いに対しての回答です。「以前よりも交流・つながりが増えた」と答えた参加者は16.6%と回答していますが、「変わらない」という回答が37.8%、そして30.4%の参加者は「以前よりも交流・つながりは減った」と回答しています。

主催者の多くは参加者同士、参加者と主催者のつながりが重要だと考えていますが、つながりが減った・変加がないと感じている参加者が約7割もいることになります。
主催者側の思いと、参加者側の受け止め方に乖離が生まれている状態となっているのです。

コロナ禍におけるコミュニティ参加の課題

上述のとおり、コロナ禍において参加者側のコミュニティ参加における課題感として「つながりが減っている」とありましたが、それ以外に下記のような課題が出ています。

Peatix Japan株式会社 「2021年イベント調査レポート」より

こちらは、「コロナ禍において、直接会うことは難しい状況が続いています。どのような問題を感じていますか?(参加者に質問)」という問いに対する回答ですが、「オンラインでのコミュニケーションが難しい」と感じている参加者が約38%います。また、「オンラインだと内容が希薄になる」と回答している参加者も多くなっています。オンラインイベントの開催数は劇的に増加していますが、課題を感じている参加者も多く、イベントの内容、つながり方への工夫がより主催者に求められていることが分かります。

つながりを作るための工夫

オンラインでの活動が中心となっている現在、コミュニケーションを円滑にし、つながりを促進することは簡単ではありません。しかしながら、主催者によって様々な工夫がなされています。

これまでにもいくつかの記事で書かせていただきましたが、「オンラインイベントはオフラインの代替ではない」という考えのもと、オンラインイベントならではの特性を活かし、参加者を巻き込む工夫をしている主催者も多くいらっしゃいます。

Peatix Japan株式会社 「2021年イベント調査レポート」より

上記データは「コロナ禍において、参加者とのコミュニケーション・交流を促すために、もっとも近い取り組みを全て選んでください(主催者に質問)」という問いに対しての回答ですが、「交流が増える」ことに対して最も効果があったと取り組みとしては、「開催頻度を増やした」ということが挙げられています。その他、効果が出ている施策としては「出来る限りリアルで会うようにしてる」となっています。

「オンラインイベントで双方向のコミュニケーションが取れるように内容を工夫した」主催者は22.2%いらっしゃいますが、「交流が増えた」と感じている主催者と「交流が減った」と感じている主催者がほぼ同数であり、オンラインでのコミュニケーションの活性化の難しさが伝わる結果ともなりました。

これからのチャレンジ

「どうつながるか」はコロナ禍におけるコミュニティ活動において大きな課題であり、まだ解が出ていない領域です。様々なツールも出ていますが、オフラインでの交流ほどつながりを感じられるものがないのが実情です。状況が落ち着いてきたこともあり、オンラインイベントだけでなくオフラインのイベントやハイブリッドイベントも増えていくでしょう。また、メタバース・仮想空間での交流も始まっていくと思われます。

その中で、オンラインは最初の接点・機会を増やす役割、オフラインがつながりを深める役割を担うなど、コミュニティ活動のオンライン・オフラインの活用法を分けて考えていくのではないかとも思います。(メタバースに関しては、今後そのポテンシャルを追いかけてみていきたいと思います。)

世の中のオンライン化に伴い、コミュニティとの接触機会は増えました。多くの人がこれまで出会えなかったコミュニティと出会う機会をオンラインがもたらしています。少しでも興味のあるコミュニティに人々がまず参加する。そしてより関わっていきたいと感じたコミュニティにはオフラインも含めつながりを深めていく。これからのコミュニティ活動への関わり方はそのように変化していくのではないかと考えています。

※今回、データとして利用したPeatix Japan株式会社「2021年イベント調査レポート」はこちらからご覧いただけます。



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