小米(Xiaomi)がついにEV車を発表。今回もバズらせるマーケティング手法が秀逸すぎる
相変わらず中国EV車についてはネガティブな記事や、Xでの数々の投稿を目にしますが、データでも中国EVの伸びが明らかになっていて、日本の皆さんの認識も少しずつ変わってきているのではないかと思います。
2023年末のデータで、中国のEV車大手のBYDがテスラを販売台数で初めて上回ってトップとなりました。未だに中国でしか売れてないのでは?との投稿がけっこうありますが、2023年の上半期(1〜6月)の時点ですでに、中国は日本を抜いて世界最大の自動車輸出国です。BYDの販売数は中国国内が多いのはもちろんそうですが、東南アジアや日本にも進出してきています。
今現在ではBYDが圧倒的首位なのですが、BYDといえども油断できません。なぜなら中国の国内メーカーが次々とEV車生産に取り組んでいて、群雄割拠時代になりつつあるから。ということを以前にnoteで紹介しました↓
車メーカー以外で、テレビを作っていた企業やスマホのブラウザ作ってましたって企業なども次々参入していることが面白いのですが、そんな群雄割拠の中に(本命?)とも目される中国家電メーカー大手の小米(Xiaomi)がガチで参入してきたのです。
■1003日の準備期間を経てついにベールをぬいだ小米汽車から初のリリース
実は小米はEVがここまで盛り上がる前の2019年の時点ですでに車産業への参入を発表していました。前にnoteで紹介したことがはるか昔のことのようです↓
名物CEOの雷軍さんが「自分の人生のすべてをかけて、小米汽車のために戦う」と宣言していたのですが、このころは開発も他の自動車メーカーと共同と言われていたし、ボクをふくめて冷やかしなのかと思っていました。
しかし、2023年の年末の12月28日、小米汽車から初めての車が発売されることがついに発表されます。これには中国ネット民が盛り上がらないわけがない!
発表された車種はセダン。「小米SU7」と名付けられた車は全長4997mm、ホイールベースは3000mm、車幅は1963mm、車高は1440mm。0から100km/hまでの加速はわずか2.78秒で、最高速度は265km/h。みんなが最も注目した価格については今回は非公開で、発売時期も2024年内とだけ言及。
発表会の冒頭、CEO雷軍が掲げた目標がかなり野心的で、「小米汽車が20年以内に世界トップ5の自動車メーカーになり、ポルシェやテスラに匹敵する車を造ることを誓う」というもの。
AIの自動運転サポートは中国の新車にどんどん実装されていて、最近では特にHuaweiのがネットで度々バズっています。やばい渋滞でもハンドルから手を離して問題無い感じや、駐車場で自動で駐車しに行ったり、無人の車が自分の場所まで迎えに来る動画など。
今回のXiaomiの発表でも、雷軍さんが駐車のデモンストレーションを披露してたんですが、これもまたすごいです。対向車に遭遇したときに自動的にバックして回避したり、盲点となってる駐車スペースにUターンして駐車するなどボクの運転より明らかに上手いという。。
YouTubeにも動画が上がってましたのでどうぞ見てみてください↓
発表会では、感知の能力が高いことや超解像度の占有ネットワークで精度を確保することで異形の障害物を認識すること、道路の大規模モデルが高精度なことなどがアピールされ、ネットでも評価されていました。
肝心の値段も発売時期も未発表なのに、ここまで期待が高まっていることはすごいです。
■やはり小米のマーケティングチームは優秀すぎるんですよね
販売までまだ時間がかかりそうにもかかわらず、この発表会がバズったのは性能以外の話題もあります。この辺りは日本ではおそらく誰も紹介してないと思います。
色々話題なんですが、まずは特にバズっていたポルシェっぽい外観について。
Weiboにアップロードされた比較の画像ですが、確かにそっくりという笑
これ大丈夫なんですか、と勝手に心配してるネット民たち。オフィシャル情報によるとチーフデザイナーはBMWのiシリーズ車種の外観デザイナーで、彼はBMW初の中国人デザイナーだったそうです。また、ちょっと気になるのは内装デザイナーのShin Mutoです。この方もBMW出身で名前からは日本人かと思いますが、詳しい方いらっしゃいますか?
ただ、このパクリ激似なデザインを出してくることが小米好きの中国ネット民の心を掴むポイントなのです。Xiaomiのスマホには、そこそこの性能なのに激安価格なサブブランド「Redmi」があります。
技術発展させながらも、手頃な値段で提供するところは貧乏学生やとにかくコスパにこだわる人たちから高く評価されています。それこそがXiaomiへの情熱が高いコアなファンをたくさん惹きつける魅力。
今回の発表会のコメントを見たら、「若者の初めてのポルシェはポルシェではなくポルミでもいい」や、「まさかこの新車は雷さん(CEO)が9.9万元(約200万円)で売ってくれるよな?」とか、期待が語られていました。
また小米といえばLogoです。以前のnoteにXiaomiのロゴ変更についての紹介もしましたね。
今回の小米カーのロゴがどうなるのかはネット民から注目を集めていましたが、やはりバズっています。
新車の後ろのど真ん中にロゴが飾られていますが、どうしてもスマホのイメージが強く、違和感を感じる人が多数。「とにかくこの200万元のロゴ(原研哉さんデザインに200万元かかって揶揄されている)を他にしろよ」というリクエストをたくさん見かけます笑。
という今回も話題独占の小米の発表会。炎上を含め発表のたびにバズるのはもはや偶然とは思えない、バズらせの達人だらけの企業だと思います。
Xiaomiの自動車開発には3400人のエンジニアが投入され、研究開発費用は100億元を超えると言われています。今後どんな展開になるのか、Xiaomiのいちファンとして、進展があったら紹介したいと思います。
(参考資料)
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