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生成AIの活用は、「生成」よりも「自分にない他人とのコラボ」なのかも?


生成AIは、大学の授業も変えています

私は、大学で授業を行うことがあります。この間、大学の授業と「生成AI」を考えるワークショップに参加してきました。私自身、生成AIを授業でどのように活用して良いのか悩んでいたので、とても良い機会になりました。

その時に、このワークショップの担当教官から、以下のような演習課題が出されました。

みなさんの、今日のワークショップの参加動機を生成AIに尋ねてみてください。その時に、みなさんの専攻や専門、立場を明確にして、生成AIに聞いてみましょう。

そこで、私は、以下のようなプロンプトをGoogle Geminiに投げかけました。
「私は、数学を自然現象や社会現象に応用することを専門とする大学教員です。生成AIの教育利用を考えるワークショップに参加しています。参加動機はなんでしょうか?100字以内で説明してください。」
と尋ねました。

Google Geminiからは、
数学教員として、生成AIが教育に革新をもたらす可能性に興味があります。特に、数学の応用分野における問題解決やモデル構築において、学生の創造性や洞察力を高めるツールとして活用できるのではないかと考えています。ワークショップを通じて、生成AIの教育的可能性を探り、具体的な活用方法を学びたいです。
と答えが返ってきました。一部自分の思った通りの部分もあり、一部自分とは異なる部分もありました。

この大学教員向けのワークショップでは、大学授業での生成AIの活用方法や、その後の演習で、生成AIを使った授業の討議が行われました。そして、そこでの私の学びは、「生成AIには、自分とは違う人格になってもらえる」ということでした。

生成AIは、ブレスト相手にできる

生成AIが、英語でもGenerative AIという単語を使われており、生成、Generativeという単語が使われているので、「生成」特に「クリエーション」の領域の事例が多くなっています。

私も、生成AIのFlikiのおかげで、大学の授業で利用する説明動画に、AIのナレーションをつけることも簡単にできて、とても重宝しています。


ところが、私が参加したワークショップでは、生成AIの別な活用方法を体験することができました。それは、自分と異なる立場に、生成AIになってもうらうという方法です。

例えば、お客様への説明資料を一人で考えないといけない時の、ブレスト相手になってもらう。お客様への説明前日に、お客様の想定質問を考えてもらう。そのような、「自分にない他人のコラボ」相手になってもらうことが、生成AIになってもらうのです。

「自分にない他人のコラボ」事例

製品のメリットを考えてもらう

誰でも行える事例を、少し紹介しましょう。まずは、製品のメリットを考えてもらう例です。
質問文:
私は、固形石鹸で体を今も洗っています。それは、固形石鹸が一番良いと思っているからです。そんな私に、液体のボディーソープを使うメリットを教えていただけませんか?
Google Geminiの回答文:
固形石鹸がお好きとのこと、素晴らしいですね!確かに固形石鹸には利点がたくさんあります。しかし、液体ボディーソープにも魅力的なメリットがあるんですよ。いくつかご紹介しますね。

液体ボディーソープのメリット

  • 衛生面: ポンプ式なので、複数人で使っても直接手が触れず、衛生的に使えます。

  • 手軽さ: 泡立てる手間がなく、すぐに体を洗えます。忙しい朝や疲れているときにも便利ですね。

  • 保湿力: 多くの液体ボディーソープには保湿成分が含まれており、洗い上がりの肌がしっとりします。乾燥肌の方には特におすすめです。

  • 香り: 様々な香りを楽しめるのも魅力の一つ。リラックスしたいときや気分をリフレッシュしたいときなど、シーンに合わせて選べます。

  • 種類が豊富: 肌質や悩みに合わせて、様々な種類の液体ボディーソープが販売されています。自分にぴったりのものを見つけやすいのもメリットです。

もちろん、固形石鹸にも液体ボディーソープにもそれぞれの良さがあります。ぜひ、気分や用途に合わせて使い分けてみてはいかがでしょうか?


このやり取りは、営業や製品の説明資料の作成などに使えそうですね。

相手の背景に合わせた説明を考えてもらう

人は、自分と違う他人になるのは、大変です。私なら、以下のような海外出張は歓迎なのですが、もし飛行機嫌いなら、どのようなことを考えるのか、どのくらい悩むのかをAIに聞いてみました。

質問文:
私は、飛行機に乗るのが嫌いです。理由は、飛行機が空を飛ぶことが不安だからです。しかし、会社から海外出張を命じられました。私は出張を断りたいのですが、可能でしょうか?
Google Geminiの回答文:
飛行機での移動が苦手な状況で海外出張を命じられたとのこと、お気持ちお察しします。出張を断る可能性については、以下の点を考慮する必要があります。

1. 就業規則の確認: まず、会社の就業規則や出張に関する規定を確認しましょう。出張命令に対する拒否の可否や、拒否した場合のペナルティなどが明記されている場合があります。

2. 上司との相談: 就業規則を確認した上で、上司に正直に飛行機に対する不安を伝え、出張を断りたい旨を相談しましょう。その際、代替案(オンライン会議への切り替え、他の社員への依頼など)を提案できるか検討してみてください。

3. 医師の診断書: 飛行機に対する恐怖が深刻な場合は、医師に相談し、診断書を発行してもらうことも検討しましょう。診断書があれば、会社側もあなたの状況を理解しやすくなります。

4. 最終的な判断: 上記の点を踏まえた上で、会社側とよく話し合い、最終的な判断を下しましょう。

断ることが難しい場合の対処法:

  • 恐怖症の克服: 飛行機恐怖症を克服するためのセラピーやカウンセリングを受けることを検討しましょう。

  • 不安軽減策: 搭乗前にリラックスできる方法(深呼吸、音楽を聴くなど)を見つけたり、機内で快適に過ごせるグッズ(アイマスク、耳栓など)を用意したりすることで、不安を軽減できるかもしれません。

重要なのは、一人で悩まずに会社と相談し、最善の解決策を見つけることです。

Google AI StudioでGoogle Geminiを使った例

生成AIが全て正しいわけではないが、一人考えるより良い

この2つの事例の中には、私が気が付かない視点が複数含まれていました。つまり自分一人では思いつかない考えを生成AIは指摘してくれているのです。
生成AIの精度や、完成度を気にしている方も多いでしょう。しかし、もし生成AIがブレーンストーミング(ブレスト)の相手だとしたら、その論点は気にしないでしょう。
今の生成AIにできることを、上手に活用する。それも、新技術との付き合い方の一つかもしれません。

参考:私のAIに関する他の記事


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